本文の始まりです


2000年 9月20日
21世紀の最先端医療・工業技術の進歩を支える
光学顕微鏡メインシリーズをフルモデルチェンジ
「Power BXシリーズ」新発売
「BX61」 「BX45」
コンピュータ制御生物顕微鏡 「BX61」 検査顕微鏡 「BX45」
オリンパス光学工業株式会社(社長:岸本 正壽)は、従来の光学顕微鏡メインシリーズ「BX60/50/40シリーズ」で、絶大な支持を得たUIS光学系※1とYシェープデザインを継承しながら、基本性能・操作性を飛躍的に向上させ、医学・生物学分野や工業分野の検査から研究まで多彩な用途に合わせた専用機種(全12機種)をラインアップ化したフルモデルチェンジシリーズ「Power BXシリーズ」を一斉に2000年10月 2日より新発売します。
近年の医療・工業分野の技術進歩は目覚ましく、これらの市場における顕微鏡の重要性は高まる一方です。医学・生物学分野では、最近のゲノム解明により遺伝子発現によってできる細胞内のタンパク質を観察するために必須である蛍光観察や、細胞内器官や細胞同士の関連を観察するための微分干渉観察※2の需要が増しています。一方、工業分野でも磁気ヘッドやICチップなどの電子デバイスをはじめ、様々な工業材料の検査・研究が行われ、より高密度観察が可能な顕微鏡が期待されています。
「Power BXシリーズ」は、様々な標本(サンプル)に対応するため、特に低倍の蛍光観察では従来の2倍以上の明るさを実現し、微分干渉観察では3系統の微分干渉プリズムを用意することで観察性能を向上させています。また、Yシェープフレーム(鏡体)の更なるコンパクト化(従来シリーズ設置面積比12%減)、動きのスムーズなワイヤータイプのステージ等、操作性・エルゴノミクス性の向上も図っています。さらに、MMC(Metal Matrix Composite/アルミニウムとセラミックスの複合材料)材を用いた鏡体もラインアップ化し、静剛性を60%アップ、熱膨張率を35%(従来シリーズ比)抑えることに成功し、シビアなピントが要求される神経繊維の3次元観察などに高い信頼性を発揮します。
新製品ラインアップのポイント
  1. 細胞機能解析に満足する性能を発揮
    最近のゲノム解明と今後のゲノム機能解析のトレンドとして、遺伝子発現によってできる細胞内のタンパク質を観察することが益々重要になってきています。そのために必須である蛍光観察や、微分干渉観察の性能を飛躍的に向上させています。

  2. コンピュータ制御、デジタルイメージングと共に機能する専用顕微鏡
    デジタルカメラやPCの高度化、画像ソフトの充実を背景に、これらの装置と共にシステム化し機能するコンピュータ制御顕微鏡。ますます高度化するデジタルイメージングのステーションの役割を担います。

  3. 早期癌発見に寄与する人間工学に則ったスクリーニング専用顕微鏡
    癌検診など検査センターや病院で大量のサンプルをスクリーニングするために、眼界までステージ位置を下げるなど徹底的に使い易さを追求したエルゴノミック顕微鏡。

  4. 工業分野における多様な観察対応システム顕微鏡と静電気対策専用顕微鏡
    電子デバイスの高密度化に対応した多様な検査ニーズにおいて、暗視野・微分干渉性能を飛躍的に向上させたシステム顕微鏡。また装置組み込み対応顕微鏡や、静電気を素早く放電する専用顕微鏡もラインアップしました。
発表展示会:
全ラインアップの内、医学・生物学向けの顕微鏡については、2000年10月4日~6日にかけてパシフィコ横浜で開催される「第59回日本癌学会」をはじめとした主要な医学・生物学系の学会に出展してまいります。
新製品ラインアップ一覧
製 品 名
高級システム生物顕微鏡 BX51
高級システム生物顕微鏡(高剛性タイプ) BX52
コンピュータ制御生物顕微鏡 BX61
コンピュータ制御生物顕微鏡(高剛性タイプ) BX62
クイックチェンジ検査顕微鏡 BX45A
検査顕微鏡 BX45
システム生物顕微鏡 BX41
研究用ステージ固定式正立顕微鏡 BX51WI
システム工業顕微鏡 BX51/BX51M
静電防止システム工業顕微鏡 BX41M-ESD
システム工業顕微鏡電動タイプ BX61
システム工業顕微鏡 BXFM-S/BXFM
発売日は、全機種共2000年10月 2日を予定しています。
新製品ラインアップの解説
医学・生物学分野製品
1)  最近のゲノム解明を背景とした、培養細胞や生きたままのモデル生物(線虫、ショウジョウバエ、メダカ等)の観察用顕微鏡。(対象機種:BX51、BX52、BX61、BX62)
2)  操作性やエルゴノミクス性を重視し、早期癌発見に寄与する細胞スクリーニング用顕微鏡。(対象機種:BX45A、BX45)
3)  脳研究分野において、パッチクランプ法※3により脳神経を直接観察できる顕微鏡。(対象機種:BX51WI)
4)  近年のデジタル機器やPCの普及を背景に、これらの装置と共に機能するコンピュータ制御生物顕微鏡。(対象機種:BX61、BX62)
5)  基本性能を備えながら、高コストパフォーマンス顕微鏡(対象機種:BX41)
工業分野製品
1) 様々なユニットの組み合わせにより、多様な検査ニーズに対応するシステム顕微鏡。製造・分析・検査装置への組み込みも可能。(対象機種:BX51、BX51M、BX61、BXFM-S、BXFM)
2) 磁気ヘッド等の電子デバイス検査工程において、作業者や大気中の静電気を素早く放電する顕微鏡。(対象機種:BX41M-ESD)
※1 UIS光学系:「 Universal Infinity System 」の略で、当社の無限遠補正光学系を言う。対物レンズと結像レンズの光束が平行で、対物レンズと結像レンズの間に中間鏡筒類を装着しても追加補正光学系を必要とせず、色収差を対物レンズ・結像レンズ・接眼レンズの各々で独立補正した光学系。
※2 微分干渉観察:標本像の高さや屈折率の差によって生じる照明光の位相差を、明暗または色のコントラストにして立体的に観察する方法。
※3 パッチクランプ法:300から500μmの厚さにスライスした脳切片を容器の培養液内で生かしながら、その中の神経細胞に直接電極をあてて神経活動を記録する実験法。
「Power BXシリーズ」の主な特長
  1. 基本光学性能の向上
    蛍光観察法、微分干渉観察法、暗視野観察法の観察性能の向上はもとより、標本の深さ、厚さ、形態などの特性にあわせた、多様なサンプルに対応可能です。

  2. 操作性の向上
    定評あるYシェープフレームをさらにコンパクト化し、設置スペースを削減(従来シリーズ設置面積比12%減)しています。極力多くの操作部を手元に配置させ、動きのスムースなワイヤタイプのステージを採用、観察方法切り替えの操作を削減するなど操作性が飛躍的に向上しました。

  3. エルゴノミクス性の向上
    使用時における観察者の疲労軽減にも配慮し、検鏡姿勢に合わせた鏡筒角度の変更及びアイポイントの前後移動ができるエルゴノミック鏡筒、固定低ステージのレボルバ(複数の対物レンズを取り付けられるターレット)上下フォーカス機構を搭載した機種(病理検査市場向け)を用意しました。

  4. 拡張性の向上
    アクセサリーの種類や搭載できる光学素子を拡充し、例えば7本の対物レンズを付けられるレボルバ(生物・工業用)、8つの光学素子を入れられるコンデンサ(生物)、6つのミラーユニットが搭載できる落射投光管(生物・工業)などを新たに加え、これにより多種多様の観察切換えが簡単に行えます。また、テレビ観察用のアローポインタ、中間変倍装置、光路分割装置なども新たにラインアップ化しています。

  5. 多数の専用機種をラインアップ化
    • 基本性能機種:BX51(生物・工業)、BX41(生物)、BX51M(工業)、BX52(生物:高剛性)
    • 病院・検査向けスクリーニング専用機種:BX45、BX45A(生物)
    • デジタル画像と電動操作の対応機種:BX61(生物・工業)、BX62(生物:高剛性)
    • 脳神経研究の専用機種:BX51WI(生物)
    • 高コストパフォーマンス機種:BX41(生物)
    • 静電気対策専用機種:BX41M-ESD(工業)
    • 装置組み込み対応機種:BXFM-S(工業)、BXFM(工業)

  6. 環境への配慮
    当社顕微鏡の開発・製造事業場は、環境マネジメントシステムISO14001を認証取得し、顕微鏡全製品について製品環境アセスメントを実施しています。「Power BXシリーズ」では梱包材から発泡スチロールを廃止。また、これまで全製品に付属していたダストカバーをオプション化し、ダイオキシンの発生しない素材に変更しました。
オリンパス光学工業株式会社は、2003年10月1日をもってオリンパス株式会社と社名変更いたしました。
  • 本リリースに掲載されている内容は、報道関係者向けに発表した情報です。
  • 掲載内容は、発表日現在の情報であり、ご覧になっている時点で、予告なく情報が変更(生産・販売の終了、仕様、価格の変更等)されている場合があります。
  • 掲載されている社名、製品名、技術名は各社の商標または登録商標です。


本文の終わりです