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2000年10月23日
バイオセンサー研究所、日本光電工業、オリンパス販売、
迅速かつ高感度な測定を実現する
ヘリコバクター・ピロリ(ピロリ菌)検出システムを開発し発売
ピロリ菌ウレアーゼ測定器「ヘリコセンサ」
ピロリ菌ウレアーゼ測定器「ヘリコセンサ」
株式会社バイオセンサー研究所(社長:松尾博人、本社:東京都豊島区)、日本光電工業株式会社(社長:荻野和郎、本社:東京都新宿区)は、抗体を用いてヘリコバクター・ピロリ(以下、ピロリ菌)を検出するシステムを商品化し、オリンパス販売株式会社(社長:高橋功、本社:東京都千代田区)が11月初旬より「ヘリコセンサ」の商品名で発売を開始いたします。
同商品は、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の主な原因菌と考えられているピロリ菌を検出する医療用具および体外診断用医薬品です。 バイオセンサー研究所はピロリ菌が産生する酵素のウレアーゼのみに免疫反応し吸着する特異的な抗体(モノクローナル抗体)を応用した従来の迅速ウレアーゼ測定に替わる“免疫学的迅速ウレアーゼ測定”(IRUT:Imunological Rapid Urease Test)の原理を発明しました。
日本光電工業は、この方法に必要な装置を同社独自の半導体pHセンサを導入することにより製品化すると共に、抗体を用いた試薬キットを開発しました。 オリンパス販売は、同商品は内視鏡で患者の胃内から試料を得る必要があることから、医用内視鏡販売国内シェア最大手である強みを活かして医師、病院への販売および普及啓蒙活動を行います。
同商品の特徴は以下の通りです。
世界初、ピロリ菌ウレアーゼに対する抗体を使用
世界で初めて、ピロリ菌ウレアーゼのみに反応するモノクローナル抗体を利用した専用の試薬キットを使用。他の菌が産生するウレアーゼは検出せず、ピロリ菌ウレアーゼのみを吸着し、その活性を測定します。
迅速かつ高感度な測定が可能
日本光電工業が独自に開発した微小pH電極(ISFET:Ion Sensitive Field Effect Transistor)を検出器に採用し装置化。この技術により、20分という迅速かつ高感度な測定を実現させました。
高い信頼性と低い侵襲性
広範囲にわたる粘膜表面から胃粘液をブラシで採取し検査するため、従来の胃内の切片(生検標本)を用いる方法に見られる偽陰性はなく、同時に患者への侵襲性も低くなりました。
簡便な操作性
試薬をカートリッジ化することで、簡便な操作性を実現しました。
測定結果の数値化
測定結果が数値として表示されるため、測定が明確で菌量を大まかに推定できます。
コンパクトなボディ
ベッドの脇でも使用可能な小型サイズに仕上げました。
ピロリ菌の除菌治療及びピロリ菌の検出については、保険の適用が承認される見込みであるため、今後、免疫学的迅速ウレアーゼ測定の普及が進むものと3社では見ており、積極的な普及・啓蒙活動を行っていきます。
商品構成
装置: ピロリ菌ウレアーゼ測定器「ヘリコセンサ」 ¥980,000円(税別)
対外診断薬: 「ヘリコセンサ試薬キット」 ¥12,000円(税別、20検体分)
発売時期: 11月初旬
ヘリコバクター・ピロリについて
ピロリ菌は1982年に発見されました。回転する螺旋状(へリックス)の尾をもつ細菌で、胃の出口、幽閉部(ピロルス)に寄生していることから「ヘリコバクター・ピロリ」(以下、ピロリ菌)と命名されました。 人体の胃の中はpH1程度の強い酸性のため、胃には細菌は棲めないと考えられていましたが、ピロリ菌の体内にはウレアーゼという酵素があり、体内や周囲に存在する尿素をアンモニアと炭酸ガスに変え、胃酸をアンモニアで中和しながら、鞭毛という尻尾を使って速やかに胃粘膜内に潜り込むことで棲息します。 日本国内では約50%の人がピロリ菌に感染しているといわれます。そして十二指腸潰瘍の方の90%以上、胃潰瘍の方で70%以上が検出されていることから、潰瘍発症の原因因子のひとつと考えられています。 ピロリ菌はウレアーゼの他に、細胞を空包化してしまう毒素を分泌し、これらが人の免疫能を刺激して、リンパ球や白血球が局所に集まり胃炎状態になると考えられています。さらに活性酸素(フリーラジカル)を産生する好中球が関与して粘膜が障害されるという説も有力視されています。
オリンパスプロマーケティング株式会社(旧 オリンパス販売株式会社)は、2003年4月1日をもってオリンパス光学工業株式会社と合併いたしました。
オリンパス光学工業株式会社は、2003年10月1日をもってオリンパス株式会社と社名変更いたしました。
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