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2001年 4月26日
「職能ゾーン資格制度」を中心に人事制度全面改定を完了
~全制度に成果主義の考え方を盛り込む~
オリンパス光学工業株式会社(社長 岸本 正壽)は1993年から成果主義を前面に出した人事・賃金制度の再構築に着手し、この度「職能ゾーン資格制度」を中心とした人事制度の全面改定を完了するに至りました。背景には、年功的要素の強い従来の制度では時代の要請に対応しきれないと判断をし、70年代以降長期にわたり採用してきた人事制度の全面改定を90年代初頭に決めたことがあります。「裁量労働制」、「年俸制」などを導入し、2001年4月から「ポイント制退職金制度」、「カフェテリアプラン」などをスタートさせることにより全面改定を完了しました。
当社では93年以来、「年功」色を排し成果主義を打ち出す「成果志向21」と銘打った新人事システムの構築を進めました。一方、比較的人事ローテーションが多いというメーカーとしての特性には「職能資格制度」がなじむことも多いことから、職能資格制度のデメリットである年功的運用を改めることで職能資格制度を継続することを考えました。成果主義に根ざした公正で納得性の高い制度の確立のため労使協力をし、1998年「職能ゾーン資格制度」という独自のシステムを構築しました。これに「ポイント制退職金制度」や「カフェテリアプラン」、「求職型社内公募制度(いわゆる社内FA制度)」などを付加し、職能資格制度のメリットを活かした制度に全面改訂をしました。
右肩上がりの経済成長の終焉を迎え、従業員意識の多様化、少子高齢化、ボーダーレス、大競争時代と世の中の大きな変化の中で、従来の人事制度は制度疲労を起こし充分にその機能が維持できなくなることを予測したので、他社に先駆けて人事制度全体の見直しに着手しました。
時系列に見ると、1993年に「裁量労働制」を導入し、「時間管理からアウトプット管理」に意識変革を行い、MBOの強化、加算賞与の導入をしました。96年には部長以上に「年俸制」を導入し、翌97年に課長にまで拡大しました。 98年に、資格と賃金を大幅に改定した「職能ゾーン資格制度」を導入、2001年4月から「ポイント制退職金制度」、「カフェテリアプラン」、「高度技能者育成制度」、「求職型社内公募制度(社内FA制度)」、「定年退職者の再雇用制度」をスタートし、93年からの人事制度の全面改定が完了しました。
主な制度の特長
  1. 職能ゾーン資格制度
    一律的・直線的な資格段階を廃止し、資格体系を大きく、スタッフゾーン(S)、プロフェッショナルゾーン(P)、エグゼクティブゾーン(E)の三つのゾーンに区分し、ゾーン毎に異なる処遇にしています。「成果に対して最も正しく評価できるのは直属の上司」という考えから、ゾーン内の昇格についてはライン(職場)に委ねており、ゾーンを跨ぐ重要な昇格については全社共通の昇格試験(業務プレゼンテーションなど)で職場の評価を補完しています。賃金は、Eゾーンは年俸制であり、P、Sゾーンでも、年齢給を廃止し、職能給一本に改定しました。

  2. ポイント制退職金制度
    従来は勤続年数(年功)と退職事由が主な算定基準となる終身雇用を前提とした年功的な仕組でしたが、新制度はポイント制とし、勤続年数による勤続ポイントは残すものの、勤続30年でストップし、職能ポイントのウェイトを大きくしました。職能ポイントは、資格に応じて付与ポイントに格差をつけ、資格の在位年数が長くなると付与されるポイントが低減する仕組みとし成果主義を色濃くしています。勤続年数の長さで不利になりがちであった中途採用者にも配慮した設計になっています。

  3. カフェテリアプラン
    新しい人事制度の方針の一つである「個の尊重と自立」を支援する目的で、カフェテリアプランを導入しました。年度初めに全員に年間30ポイントが支給され、語学やベビーシッターなどの選択メニュー、福利厚生社宅や利子補給などの年間固定メニューなどに利用できる仕組です。一定の外部資格取得によるポイント加算や、語学力向上にはポイントを通常の2倍に換算できるなど、自己啓発を促し、成果主義の考え方を盛り込んでいます。

  4. 高度技能者育成制度
    製造に従事する社員の技能を6段階で評価することで育成の目標設定をすると同時に、上位3段階に位置づけられる高度技能者にマニュファクチャリング・マスターなどの特別称号を与えて、褒賞金、バッチ(金・銀・銅)により顕彰し、社内での役割とステータスを与えることで技術・技能の底上げと向上、伝承を狙います。

  5. 求職型社内公募制(社内FA制度)
    従来実施してきた求人型の社内公募制度に、新たに求職型の社内公募制度を加えました。年間2回ある育成面接のうち1回で自分のキャリアプランを上司と話し合い、やってみたい仕事が他部署にあれば、上司の承認の上で社内ネットワークに登録できる仕組みです。対象社員には社外でも通用するプロフェッショナルになれるよう、自分のキャリアは自分自身で考え、その為の努力を促し、上司はそれを支援することを目指して導入しました。
人事制度の変遷
人事制度の変遷
オリンパス光学工業株式会社は、2003年10月1日をもってオリンパス株式会社と社名変更いたしました。
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