本文の始まりです


2001年 5月 7日
更新日:2002年 5月14日
苦痛のない安全な大腸内視鏡検査を目指して
内視鏡挿入形状観測装置「UPD」新発売
内視鏡挿入形状観測装置「UPD」 EVIS大腸ビデオスコープ「CF-240DL/I」
内視鏡挿入形状観測装置「UPD」 EVIS大腸ビデオスコープ「CF-240DL/I」
(挿入形状観測専用内視鏡)
オリンパス光学工業株式会社(社長:岸本 正壽)は、近年増加傾向にあり高度な技術が要求される大腸内視鏡検査において、磁界を利用し内視鏡の挿入形状を3次元表示できる内視鏡挿入形状観測装置「UPD(Endoscope Position Detecting Unit)」を発売いたします。磁界を利用した挿入形状表示により、術者の挿入をサポートするとともに従来のX線撮影での挿入形状確認と比較して被曝が無いため、患者にとってより安全な検査の実現を目指します。
近年、大腸ガン罹患率は年々増加し、それに伴い大腸内視鏡検査数も増加傾向にあります。しかし、大腸内視鏡検査は術者にとって、大腸の形状が屈曲している上に複雑であり、その形状も人によって千差万別のため、挿入手技はもとよりその手技の習熟においても非常に難しいと言われています。従来、その困難な挿入手技をサポートするために、内視鏡が挿入されている状態を確認する手段としてX線装置が使用されていました。
当社はこのたび、大腸内視鏡検査のサポートを目的として、磁界を利用しその形状を表示する今までに無い全く新しい内視鏡挿入形状観測装置「UPD」を開発いたしました。
内視鏡挿入形状観測装置「UPD」は、磁気コイルが内蔵された挿入形状観測専用内視鏡「CF-240DL/I」との組み合わせで、磁気コイルから発生する磁気を「UPD」本体のアンテナで受信し、リアルタイムで3次元の挿入形状を表示します。従来は、X線装置による2次元表示であったのに対し、3次元表示に加え上面・側面の2画面表示も可能。さらに、標準付属の基準プレート「MAJ-963」を患者の腹部に装着すれば、患者の体位を変換しても常に同一の視野で画面表示が可能です。また、体外マーカー「MAJ-964」も用意し、挿入形状を確認中に患者の体外でマーカーを用いれば画面上にその位置を表示させ、介助者への挿入サポートの指示にも有効です。尚、内視鏡挿入形状観測装置「UPD」の占有スペースは510×390mmのベッドサイドで設置可能な省スペース設計により、狭い内視鏡室でも設置が容易です。
また、従来の内視鏡にも使用できる様、鉗子チャンネル(内視鏡の中を通る管)に挿入することで形状を表示することが可能になる「挿入形状観測プローブ」も開発予定です。
尚、内視鏡挿入形状観測装置「UPD」は、5月10日から12日まで神戸国際会議場で行われる第61回日本消化器内視鏡学会総会(会長:兵庫医科大学 第4内科 下山 孝)で出展いたします。
発売の概要
製品名 発売日
内視鏡挿入形状観測装置「UPD」 2001年5月10日
EVIS大腸ビデオスコープ CF-240DI*
CF-240DL*
*CF-240DL/Iは、挿入形状観測専用内視鏡です。

主な特長
  1. 内視鏡挿入形状を3次元で表示
    X線装置の2次元表示に対し3次元表示のため、形状をより理解しやすくなっています。検査中に患者の体位変換を行っても、患者に基準プレートを装着すれば常に同一方向からの視野で形状を画面表示するため、位置関係を見失うことがありません。

  2. X線被曝が無い安全な検査
    内視鏡の位置検出に磁界を利用しているためX線被曝がなく、患者のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)を実現し、術者やスタッフもX線防御用の鉛製のプロテクタを着用する必要もないため、患者・術者・スタッフにとってより快適な検査が行えます。

  3. 術者の内視鏡挿入をサポート、習熟者による教育にも最適
    X線被曝の心配がないため、常時「UPD」の画面上に形状を表示することができ、内視鏡像との組み合わせでスムーズな内視鏡の挿入をサポートします。
    また、習熟者の挿入が確認できるため、大腸内視鏡挿入方法の教育にも役立ちます。

  4. 患者の体外から内視鏡位置を確認可能
    体外マーカーにより体外のマーカー位置と「UPD」画面上の内視鏡の位置関係が確認できます。これにより、術者から介助者への挿入サポートの指示も的確に行えます。

  5. ベッドサイドに設置可能な省スペース設計
    占有スペースは510×390mmの省スペース設計により、狭い内視鏡室でも設置が容易です。
UPDイメージ X線画像
X線画像との比較
内視鏡挿入形状観測装置「UPD」の原理
内視鏡の挿入部に内蔵された十数個の磁気コイルから発信される磁気をUPD本体の中央に設けられたアンテナで受信します。受信したコイルのそれぞれの位置はコンピュータによって複雑な計算を瞬時に行い、3次元で捉えた各コイルの位置を滑らかな曲線で結び、さらにその形状を見やすくするためにグラフィック処理を施してモニター表示します。
「挿入形状検出の原理」
主な仕様
内視鏡挿入形状観測装置「UPD」
形状寸法 510(W)×1,617(H)×525(D)mm
重量 52kg
消費電力 250W
映像信号出力 Y/C:1、NTSC:1
主な機能 表示画面の拡大/縮小、回転、2画面表示、設定画面登録(19件)
EVIS大腸ビデオスコープ/硬度可変機能搭載「CF-240DL/I」
光学系 視野角 140°(直視)
観察深度 4~100mm
照明方式 ライトガイド方式
先端部 外径 12.2mm
湾曲部 湾曲角 UP・DOWN 各180°
RIGHT・LEFT 各160°
軟性部 外径 12.4mm
有効長 L:1,680mm I:1,330mm
全長 L:1,995mm I:1,645mm
鉗子 チャンネル内径 3.2mm
最小可視距離 4mm
オリンパス光学工業株式会社は、2003年10月1日をもってオリンパス株式会社と社名変更いたしました。
  • 本リリースに掲載されている内容は、報道関係者向けに発表した情報です。
  • 掲載内容は、発表日現在の情報であり、ご覧になっている時点で、予告なく情報が変更(生産・販売の終了、仕様、価格の変更等)されている場合があります。
  • 掲載されている社名、製品名、技術名は各社の商標または登録商標です。


本文の終わりです