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2001年 7月 3日
光通信分野で高度化・微小化する近赤外帯域光デバイスの
表面反射率測定が可能に!
微小スポット近赤外分光反射率測定機の開発に成功
「近赤外分光反射率測定機」の開発機
「近赤外分光反射率測定機」の開発機
オリンパス光学工業株式会社(社長:菊川 剛)は、光通信分野で使われる外径φ1~2mm程度の近赤外帯域光デバイスの表面反射率を直接測定できる「近赤外分光反射率測定機」の開発に成功し、今年度中に発売を予定しています。50μm(0.05mm)微小スポットにより、実際の光デバイスについて曲面・平面を問わず、反射防止コート等の表面反射率測定を非破壊で行なえます。
主な特長
1. 微小な光デバイスの表面反射率測定が直接・非破壊で可能
2. 近赤外波長帯域をカバー(波長範囲1050nm~1650nm)
3. 光デバイス裏面からの反射をカット
4. 簡単な操作で短い測定時間を実現
5. 卓上サイズで省スペースを実現
開発の背景
近年、光通信分野で使用される光デバイスは高度化・微小化が進み、長距離通信での光量ロスの削減など高効率化が要求されています。一方、高品質化の流れから個々の近赤外帯域光デバイスの精密な表面反射率測定ニーズが高まっています。
従来の反射率測定機では、曲面の測定が行なえないため実際の光デバイスを測定するのではなく、レンズコーティング工程で同時にコーティングされた測定用平面ガラスを測定する方法しかなく、スポット径も数ミリ程度と広く、微小な光デバイスの表面反射率測定が行なえませんでした。また、測定には裏面の反射防止処理する必要があり、実際に使用する光デバイスの非破壊測定が困難でした。
このたびこれらの問題をクリアし、光通信分野で使われる近赤外帯域光デバイスの表面反射率測定にターゲットを絞った近赤外分光反射率測定機の開発に成功しました。当社は、1978年にカラーTVカメラ用カラーフィルタの顕微分光測光装置をはじめ、1985年から可視光での表面反射率測定に特化した分光反射率測定機「USPM-RU」を開発、販売しており、今回の開発に至りました。
また、社内生産ラインでのレンズコーティング評価による長年にわたる利用実績と、可視光帯域での分光反射率測定機の販売から得た測定ノウハウを活かし簡単な操作でスピーディーな測定が可能となっています。
主な特長の詳細
1. 微小な光デバイスの表面反射率測定が直接・非破壊で可能
50μm(0.05mm)の微小スポットによる直接測定が可能なため、外径φ1~2mm程度の光デバイス(レンズ、フィルター、ミラー等)の曲面・平面のコーティング性能を確認できます。
2. 近赤外波長帯域をカバー(波長範囲1050nm~1650nm)
近年、光通信で多用されている1.3μm、1.55μm帯をカバーする1050nm~1650nmの分光反射率測定が可能です。
3. 光デバイス裏面からの反射をカット
オリンパス独自の特殊光学系の採用により裏面からの反射をカットします。そのため、裏面の反射防止処理を施すことなく、非破壊で表面反射率の測定が可能となりました。また、フィルターなど平行平面の被検物でも裏面反射の影響を受けずに測定が可能です。
裏面反射光カットの原理
裏面反射光カットの原理
裏面からの反射光をカットするために照明光を輪帯状(ドーナツ)とし、この影響を除去しています。輪帯照明による表面反射光は再び対物レンズを通過し、結像面に設けられたセンサー開口に入射します。一方、裏面からの反射光は同様に対物レンズ等を通過しますが結像位置の違いによりセンサー開口には入射しません。これによりサンプル裏面からの反射光をカットしています。
4. 簡単な操作で短い測定時間を実現
水平な平面ステージに被検物を置く形でセットし、ピント調整後測定ボタンをクリックするだけの簡単操作でスピーディーな測定を可能としました。
5. 卓上サイズで省スペースを実現
床上据置き型でなく卓上に設置できるため、設置制限も少なく省スペースが図れます。
主な用途(光通信分野)
  1. ボールレンズ、非球面レンズ、ロッドレンズ等各種レンズの反射防止コートの評価
  2. ミラー、フィルター、その他コーティング部品等の分光反射率測定
  3. その他、光ファイバーの端面 等
主な使用メーカー
  1. レンズメーカー、フィルターメーカー等の光デバイスメーカー
  2. コーティングメーカー
  3. 光通信コンポーネントメーカー 等
主な仕様
分光器部 測定波長域 1050nm~1650nm
波長分解能 約6nm/1素子
光源部 ハロゲンランプ(12V-100W)
パソコン DOS/Vノートタイプ
ソフトウェア OS:Windows98
リファレンスデータ設定(固定値、分散式、ファイルデータ選択可能)
サンプリング時間、積算回数設定、合否判定 など
測定 試料側NA 0.17(15×反射対物レンズ使用時)
試料の大きさ □120mm以下、t75mm以下(但し、形状によりこの範囲内でも測定できない場合があります。)
測定領域 約φ50μm
測定時間 数秒から十数秒(試料の反射率により異なります。)
外形寸法・質量 本体 約400(W)×580(D)×790(H)、質量 約25kg
ランプ光源 約330(W)×230(D)×290(H)、質量 約11kg
電装部 約260(W)×230(D)×100(H)、質量 約4kg
分光ユニット 約260(W)×280(D)×140(H)、質量 約6kg
ノートPC 約320(W)×270(D)×40(H)、質量 約3kg
消費電力 AC100V(50Hz/60Hz) 800W(max)
Windows98は米マイクロソフト社の米国及びその他の国における登録商標です。
仕様は発売時までに予告なく変更されることがあります。
オリンパス光学工業株式会社は、2003年10月1日をもってオリンパス株式会社と社名変更いたしました。
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