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2002年 9月19日
レンズ研削・研磨の設備・スペースを半減、環境にも配慮した
レンズ研削・研磨統合技術
「Laplike(ラプライク)法」を開発
オリンパス光学工業株式会社(社長:菊川 剛)は、レンズ研削工程で従来必要であった複数の精密研削工程を不要とすることで、設備・スペースを半減し環境にも配慮した、Laplike(ラプライク)砥石※1とレンズ研削・研磨統合技術「Laplike法※2」を開発しました。Laplike法では、既存の研削加工機を使いながら平均粗さ精度0.03μm以下(従来比、約1/33以下)を実現します。当技術を2002年末に社内に導入し、デジタルカメラ用ガラス非球面レンズ製造に活用するとともに、社内での実績を高めた上で2003年末までに国内レンズ製造メーカーへの発売を目指します。
※1 Laplike砥石:
液中で表面電位を生じる特殊な金属(メタル)ボンドにダイヤモンドを配合した砥石。
※2 Laplike法:
レンズを素材から削り出すカーブジェネレーティング(球面創成)工程において、削り出しと共にLaplike砥石が有する表面電位を利用して付着した酸化珪素(SiO2)のナノ(15~20nm)粒子による研磨作用を同時に発揮させることで、高い面品質を得る手法。
主な特長の概要
  1. 研削・研磨工程を統合化し、設備・スペースを半減
  2. 既存の研削加工機に専用砥石を付け替えるだけで使用可能
  3. 環境に影響の少ない研削液を使用
  4. 平均粗さ精度0.03μm以下を実現
レンズ研削・研磨統合技術「Laplike(ラプライク)法」加工メカニズムと効果
レンズ研削・研磨統合技術「Laplike(ラプライク)法」加工メカニズムと効果
市場導入の背景
近年、デジタルカメラや携帯機器の普及に伴いレンズの多品種多量化が進んでいます。一方、現状では複数のレンズ精密研削工程で必要となる精密研削加工機などの設備投資やその設置スペース、レンズ種によって必要となる治具費の増大はもとより、工程間の設定に伴う作業工数やレンズ中心厚さ寸法精度のばらつきなどが指摘されています。
このたび開発したレンズ研削・研磨統合技術「Laplike法」は、研削初期工程(カーブジェネレーティング(球面創成)工程)で使われている既存の研削加工機に専用砥石を付け替えるだけで、その後工程である精密研削工程を不要とし、最終の研磨工程に移ることが可能です。これにより、レンズ研削・研磨に関わる設備・設置スペースを半減。同時に工程間の設置に関わる作業工数・時間も削減できます。さらに、精密研削工程で発生する被加工対象物の除去(削り)量が少なく、バラツキも抑えられるため、素材容積・コストの削減はもとより、レンズの中心厚さ精度も±0.03mmから±0.01mmに向上しました。
当技術では、砥石として特殊なメタルボンドであるLaplike結合材に配合されたダイヤモンドがレンズを削り出し、同時にLaplike結合材に付着した酸化珪素粒子がレンズを研磨します。これにより、従来の研削加工機による平均粗さ精度は1μmが限界であったのに対して0.03μm以下(従来比、約1/33以下)を実現しました。
また、従来は研削液として化学物質であるエチレングリコールを使用していましたが、このたび水に中和沈殿処理できる酸化珪素の採用により、環境への影響に配慮しました。
主な特長の詳細
  1. 研削・研磨工程を統合化し、設備、スペースを半減
    カーブジェネレーティング工程で最終の研磨工程の前段階まで研削仕上げを実現することで、途中の精密研削工程を省くことが可能です。これにより、従来必要であった精密研削加工機やそれに使う治具を省くことで、設備、スペースを半減できます。同時に、工程間の設置に関わる作業工数・時間の削減を実現します。

  2. 既存の研削加工機に専用砥石を付け替えるだけ※4で使用可能
    既存の研削加工機を活用して、Laplike砥石を付け替えるだけで、研削・研磨工程の統合化が可能です。
    ※4 既存設備では形状精度を得るために、装置の組み付け調整が必要となる場合があります。
  1. 環境に影響の少ない研削液を使用
    従来は研削液として化学物質であるエチレングリコールを使用しており、ボイラーを利用した排水処理に伴う二酸化炭素の発生や廃棄物処理が必要でしたが、このたび水に中和沈殿処理できる酸化珪素の採用により、環境への影響に配慮しました。

  2. 平均粗さ精度0.03μm以下を実現
    レンズ研削と同時に研磨も行なえるため、従来の研削加工機による平均粗さ精度は1μmが限界であったのに対して0.03μm以下(従来比、約1/33以下)を実現しました。さらに、従来必要であった精密研削工程で発生する被加工対象物の除去(削り)量が少なく、バラツキも抑えられるため、素材容積・コストの削減はもとより、レンズの中心厚さ精度も±0.03mmから±0.01mmに向上しました。
主な仕様
被加工対象物 ガラス製光学素子(レンズ、プリズムなど)
砥石形状 カーブジェネレーティング工程用カップホイール
(他形状での製作も可能)
粒度 #(メッシュ)400, #600(他#での製作も可能)
オリンパス光学工業株式会社は、2003年10月1日をもってオリンパス株式会社と社名変更いたしました。
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