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2004年 9月 7日
オリンパス未来創造研究所と米Purdue(パデュー)大学
ヒューマンウェア*1分野でセンサとネットワーク技術による
ユビキタスシステム*2の共同開発を実施
オリンパス株式会社(社長:菊川 剛)は、IT画像技術で世界屈指の米Purdue(パデュー)大学(学長:Dr.Martin C.Jischke/インディアナ州)と、従来のセキュリティ用カメラシステムとは異なり、個人の活動を支援する映像を中心とした全く新しい概念のユビキタスシステムを共同開発します。当システムは、人に「安心、安全、アクティビティ(知的活力)」を提供することを目的として、潜在的脅威の抽出、個人の興味の記録、環境の安全度の推定を行うセンサ群のネットワークからの情報をウェアラブル機器にフィードバックして、個人のTPO(時、場所、場合)に合わせて案内、啓発、呈示する能動的なシステムです。
7年後に安全歩行ナビゲーションや高齢者生活支援をはじめとしたホーム/タウンネットワーク分野での実用化を目指すと同時に、社会インフラ整備への未来事業提案を通じて戦略的パートナーとアプリケーションの探索を実施していきます。
また、パデュー大学Robot Vision Laboratory(ロボットビジョンラボラトリ)内に、オリンパス専用研究施設「Olympus Room」を設置し、未来創造研究所内のデモ設備とをネットワークで結び、国際共同開発体制を推進します。これにより、国によって異なる安心・安全の文化の違いを越えた、より知的活力にあふれた未来生活価値を創出して参ります。 
*1  ヒューマンウェア:ハードウェアやソフトウェアに加えて、感性や感覚、知識などを統合し、人に役立ち、人を豊かにするための「装置・システム・ソリューション」のこと。
  *2  ユビキタスシステム:ユビキタスとはラテン語で遍在するという意味。ユビキタスコンピューティングはコンピュータを遍在させるが、ユビキタスシステムは、システムが遍在する。生活や社会のいたるところにシステムが存在し、システム同士が自律的に連携して動作することにより、人間の生活をバックアップする。
開発の背景
未来創造研究所では、多様化された個人のライフスタイルに合わせた情報を提供するヒューマンウェアの実用化を未来における生活価値のひとつと位置付けています。
また、カメラが至るところに配置される監視カメラ社会の到来により、「個人が常に見張られる」環境のもと、セキュリティの確保とプライバシーの保護の問題も発生しています。これらを踏まえて、未来創造研究所では、(1)個人を取り巻く環境の変化に対応して潜在的な危険やリスクを回避する「見守る」センサネットワーク(定点カメラ) (2)ネットワークから得られる個人の視点に基づいた情報を積極的に利用し、個人の視点・体験を共有することでネットワークから適切な情報を呼び出す提案型情報呈示とナビゲーションを実現する知能化された人工視覚(ウェアラブル機器)を開発することで、「安心・安全・アクティビティ(知的活力)」の未来生活価値を提案していきます。
両者の役割
これまで両者は10年来、画像検索技術、ナビゲーション技術に関する共同研究を行ってまいりました。当テーマは以下の役割で共同開発してまいります。
  パデュー大学  人間やロボットの行動分析に基づいた顔や動作を認識する画像処理アルゴリズムによるソフトウェア設計・開発。
  オリンパス 3次元デジタルカメラ、手術ナビゲーションシステム、ウェアラブルインタフェース技術に裏打ちされた、画像処理アルゴリズムを基盤としたシステム・インタフェースの開発。
両者の概要
<オリンパスの概要>
1919年創業。伝統的な光学技術と、最新のデジタル技術、微細加工技術の融合「オプトデジタルテクノロジー」をコアコンピタンスとして、医療・健康、映像・情報、工業関連機器を製造・販売する精密機器メーカー。
未来創造研究所は、昨年4月に設立され、オリンパスの経営理念「Social IN(ソーシャルイン)」に基づいて、未来を想像し「未来価値」を創出することを目的としています。 既存の研究開発センターが3~5年先の「将来」の事象を研究しているのに対し、未来創造研究所は5~10年先、あるいはその先の「未来」の事象を研究し、未来事業に向けたコアコンピタンスの探求をミッションにしています。 従来のように未来技術を予測して研究開発を進めるのではなく、未来を創り出すという強い意志で人々の生活価値の創造・実現を目指しています。 私たちが目指す研究は、 (1) ヒューマンウェア (2) 脳・バイオサイエンス (3) 光・ナノテクノロジーの3つの領域です。
ヒューマンウェアは、従来のハードウェア・ソフトウェアに加えて人を中心に据えた研究を行い、これこそが、新しい発想から未来価値を描き出すものです。
<パデュー大学の概要>
パデュー大学は1869年に設立し、博士課程を有する公立大学です。当大学には、全米の50州、130ヶ国から69,000名以上もの学生が在籍しています。2004年春に発刊されたU.S. News and World Report では、パデューの複数の大学院や学科が米国内において上位にランクされています。また2003年10月20日発刊のThe Scientistの調査では、パデュー大学は全米で最も研究しやすい大学であると記事で紹介されています。今まで22人の卒業生が宇宙飛行の道を歩み、最初に月面歩行したNeil A. Armstrongをはじめ、最近ではEugene A.Cernanもそれを実現しています。
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