本文の始まりです


2005年2月28日
財団法人癌研究会
オリンパス株式会社
癌研究会とオリンパス、がん研究促進のための共同研究を開始
分子イメージング研究のために共同ラボを開設
癌研内の「オリンパス バイオ・イメージングラボ」 癌研内の「オリンパス バイオ・イメージングラボ」
癌研内の「オリンパス バイオ・イメージングラボ」 癌研有明病院外観
上段及び左下:癌研内の「オリンパス バイオ・イメージングラボ」 右下:癌研有明病院外観
財団法人癌研究会(所在地:東京都江東区、理事長:渡邊 宏 以下癌研)とオリンパス株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:菊川 剛 以下オリンパス)は、江東区有明に移転した癌研究会の癌化学療法センター内に、先進のがん医療の実現を目指した研究施設「オリンパス  バイオ・イメージングラボ」を共同で設立しました。本ラボは2005年4月1日から稼働されます。
設立の背景
癌研は「がん克服をもって人類の福祉に貢献すること」を使命に掲げ、世界最高レベルのがん診療施設として認知されることを目指しています。その実現に向け、臨床への応用を踏まえた基礎・臨床の双方の分野でコミュニケーションを図る研究、いわゆる「トランスレーショナルリサーチ」を進め、患者さんが満足・納得いく医療の提供に取り組んできました。
オリンパスは、臨床分野において内視鏡、血液分析機を事業展開し、基礎研究分野において顕微鏡に代表される光学機器を提供し、高い評価を得てきました。今後は、その両分野に提供している製品、ノウハウ、技術をトランスレーショナルリサーチの現場に適合させ、その価値を高め、次世代医療実現に貢献する体制を構築する必要があります。
「オリンパス バイオ・イメージングラボ」は、このような両者の思いを実現するために設立されました。つまり、癌研にとっては、既存の最新ノウハウをもって研究を行うのみでなく、先端研究に必要な技術開発を日常の研究活動の中から提案することができ、オリンパスはその提案を直ちに検証し具現化に取り組むことが可能になります。
オリンパスは、「ライフサイエンス分野で、研究者・ひいては社会が求めるソリューションに対し、独創的・最先端技術によって、信頼性の高い商品・サービスを提供し、次世代の医療への牽引車としてグローバルに社会貢献をしていくこと」を目標としています。当ラボへは、オリンパスからも研究者を派遣して共同研究を進めることで、その中からフィードバックされてくる最先端研究の情報や内容、さらに「現場」を知ることにより、潜在的なニーズも吸い上げることができます。当ラボの設立はまさに、両者の掲げる目標への第一歩といえます。「オリンパス バイオ・イメージングラボ」は、このように両者にとっての好循環を生み出すことにより、がんの研究:トランスレーショナルリサーチを加速させ、患者さんへ、社会への貢献を目指していくために設立されました。
研究予定テーマ
1.  細胞を用いた抗がん剤の効果の評価
  2.  小動物を用いたがん転移機構の解明
「オリンパス バイオ・イメージングラボ」の概要
代表者 癌化学療法センター 菅野晴夫
所在地 財団法人癌研究会 癌化学療法センター内(東京都江東区有明3-10-6)
スタッフ数 10名(癌研5名、オリンパス5名)
床面積 研究室 31m2
設置予定の設備 レーザ共焦点顕微鏡、1分子蛍光分析装置などのオリンパス製品を始めとする、
研究機材一式
参考:最近のがん研究の現状
がんの診断や治療が日進月歩で進む中、それに伴い基礎研究分野では、さまざまながんと、それに関係する遺伝子が解明され、特定されつつあります。1980年代に始まった分子生物学の分野では、がんの発生・増殖・転移の仕組みなどが飛躍的に解明されています。
そのような状況の中、最近ではトランスレーショナルリサーチの重要性が認知されるようになりました。その中でも現在は「分子イメージング」が最も注目されています。病気の発生なども含め、全ての生命現象は分子の連鎖によって生じています。つまり生体内の分子の動きを観察する「分子イメージング」は、病気のメカニズムや、治療のために使われた薬の働きなどを解明するために、非常に有効な手段だといえます。例えば、病気を発生する分子の連鎖を断ち切ることで治療をめざす「分子治療薬」は、病気に関係がある細胞だけに働きかける機能を持ち、従来にくらべ副作用が少ないがん治療が期待されています。
癌研では個人最適化医療実現のために例えば、臓器別診断、各専門医のカンファレンスによる「Cancer Board」での治療方針決定、ゲノムセンターでの研究など、分子標的医療の研究、実践をすでに行っております。
 オリンパスは、長年培われた光学技術を活かし、最近では生きた細胞を3次元的に観察できる共焦点レーザ走査型顕微鏡「FV1000」をはじめとし、生きた小動物の高感度な蛍光観察装置など、分子イメージング研究に貢献する製品や技術の開発に取り組んでいます。
関連リンク
2004年10月1日より、オリンパス株式会社の医療事業は、オリンパスメディカルシステムズ株式会社として分社いたしました。
  • 本リリースに掲載されている内容は、報道関係者向けに発表した情報です。
  • 掲載内容は、発表日現在の情報であり、ご覧になっている時点で、予告なく情報が変更(生産・販売の終了、仕様、価格の変更等)されている場合があります。
  • 掲載されている社名、製品名、技術名は各社の商標または登録商標です。


本文の終わりです