輸血検査とは、ABO、Rhなどの血液型検査を始めとする、輸血に必要な検査全般を指します。血液型の判定には赤血球成分と血漿(けっしょう)の両方が使われますが、プレート内でそれらに試薬を加え一定の条件で反応させます。凝固の状態をCCDカメラで確認し、そのパターンから血液型を自動判定します。 |
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通常、輸血前にこれらの検査が実施された後、輸血用の血液を使用する側である医療機関で、受血者(輸血される人)の血液と、供血者(血液を提供する人)の血液を混合し、異常な反応が無いかを確認します(交差適合試験)。このように輸血検査が行われる現場は、主に2つに分かれています。一方は、輸血用血液の供給をするための検査を多量に行う血液センター。もう一方は、準備された輸血用血液を使用する医療機関です。 |
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オリンパスの輸血検査への取組み |
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血液を供給するための検査を行う血液センターでは、多量の血液型検査・感染症検査を実施しています。これらの検査は全て人手によって行われてきましたが、処理検体数の増加に伴い、早期の自動化が望まれていました。オリンパスではそれらのニーズを受け、20年前より自動輸血検査装置を開発・発売してまいりました。現在では2世代目である「PK7200」が、日本をはじめ全世界で発売され稼動しています。 |
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オリンパスの自動輸血検査装置は、従来は人手に頼っていた輸血検査を完全自動化し、低ランニングコストで高精度の輸血検査を実現したことにより、世界中のユーザーから高い支持を得ております。また20年の経験をいかした万全のサポート体制、お客様へのソリューションの提供なども行っています。 |
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一方、輸血用の血液を実際に使用する医療機関向けには、ゲルカラム法※1により赤血球輸血検査を自動化した「MicroTypingSystem(MTS)」を1996年より国内で発売しております。このシステムは、受血者に対して輸血に必要な血液型検査、不規則抗体スクリーニング検査、交差適合試験などの輸血検査を自動化したもので、迅速かつ確実な輸血検査に貢献しています。 |
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※1 |
ゲルカラム法:直径5mm、長さ20mm程度のマイクロチューブ内に特殊なゲルを充填し、血液と試薬を分注し反応させることによって行う輸血検査。 |
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以上のように、オリンパスは「PKシリーズ」により血液製剤の供給サイドである血液センターの検査業務の自動化を推進し、「MTS」により血液製剤の需要サイドである病院市場の検査業務の自動化・効率化を図ることにより、輸血業務全体をトータルでサポートしています。これからも、検査装置の高機能化・高付加価値化を通じて全世界の輸血検査分野へ貢献してまいります。 |
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