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2005年5月25日
肺がん早期発見の診断法の実用化に向けて
オリンパス、米キャンジェン社と共同開発契約を締結
オリンパス株式会社(代表取締役社長:菊川剛 以下オリンパス)はCangen Biotechnologies, Inc.(CEO: Dr. Chul So Moon、社長: Mr. Richard A. Silfen、以下キャンジェン社/ 所在地:メリーランド州ベセスダ)と肺がんの早期発見を目的とした分子診断法※1の実用化に向けて、4月20日に共同開発契約を締結しました。今回の共同開発は、オリンパスの遺伝子解析技術と、キャンジェン社のDNAおよびタンパク質を用いた分子診断技術を融合させ、特に肺がんの分子診断法の実用化に向けた研究開発を加速させるものです。
オリンパスは、2002年12月に先端バイオ技術の事業化を推進する国際交流組織「コスモス・アライアンス注1)(本部:米国ワシントン市、会長兼CEO:フランク・ヤング博士)」に参加し、革新的なバイオ技術を持つ同組織のベンチャー企業(技術メンバー、R&Dメンバー)との共同開発、技術提携、資本提携などを通じて、ゲノムやタンパク質解析システムなど、最先端バイオ製品の事業化を推進しています。その一環として、このたび、キャンジェン社との共同開発契約締結に至りました。
注1  コスモス・アライアンス
コスモス・アライアンス( www.cosmosalliance.com )は、2002年 8月、食品医薬品局( FDA )元長官のフランク・ヤング博士の呼びかけで設立されたクラブ組織です。同クラブは革新的なバイオ技術を持つベンチャー企業(技術メンバー)を資本力のある有力企業(企業メンバー)に紹介、両者の共同開発・技術提携・資本提携などを実現させることによって、最先端バイオ製品の事業化を促進します。投資利益を目的とする一般的なバイオベンチャー・キャピタルと異なり、コスモス・アライアンスは、メンバー間の協業を促進させることによって、バイオ産業そのものを発展させることを目的としているのが特長です。
共同開発契約締結の背景
近年肺がんは、胃がんを抜いて、国内のがん死亡原因のトップとなっています。肺がんは症状が表れにくく、検診でも初期のがんは見つけにくいとされているため、早期発見の重要性・必要性が高まっています。オリンパスは、がん臨床検査への実用化を目指し、種々の遺伝子解析技術の開発を進めてきました。一方、キャンジェン社は、主にがんの早期発見に向けた非侵襲診断法を研究開発しており、がん特異的DNAマーカー※2を用いた診断法の開発を進めています。このたびのキャンジェン社との共同開発は、肺がんの早期発見に向けて、がん特異的DNAマーカーの解析に、オリンパスの遺伝子解析技術を応用しようとするものです。これにより、がんの分子診断法実用化へ向けた研究開発を加速し、正確で優れた検査を実現することで、世界の人々の医療の向上に大きく貢献していきたいと考えています。
用語解説
※1  分子診断法:例えばがんで特徴的に増加したり、減少したりする生体分子(DNA,RNA,タンパク質など)をマーカー(指標)として、その分子マーカーの量的・質的な変化を計測することで、がんの早期発見・悪性度の評価等を実現する診断法です。
※2  がん特異的DNAマーカー:ヒトゲノム中には、各種のがん細胞で特異的に変異するDNA領域が存在することが分かってきています。例えば、がん細胞のみで変化するDNAの配列があれば、それががん細胞の存在を特定するマーカーとなります。
Cangen Biotechnologies, Inc. 会社概要
住所 :  One Democracy Plaza, Suite 700, 6701 Democracy Boulevard, Bethesda, MD 20817, USA
CEO :  Chul So Moon, M.D., Ph.D.
社長 :  Richard A. Silfen
設立 :  2000年11月
資本金 :  約1200万ドル(2004年12月末)
社員数 :  15名
事業内容 :  がんの早期発見を目的とした非侵襲診断法や、効果的な化学療法の選択法の研究開発および事業化。同社は膀胱がんの早期発見に向けて、膀胱がんで特異的に変化するDNAマーカーを用いた分子診断法を開発し、米国にて臨床試験を遂行中です。米国のベセスダに本社を置き、ロックビル、およびボルチモアに研究ラボを、また、ソウル(韓国)には、リエゾンオフィスを設置しています。
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