2005年 8月 4日 | ||
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オリンパス株式会社とテルモ株式会社は、このほど業務提携の強化に合意しましたのでお知らせいたします。 |
両社は、2001年に医療機器開発に関する包括的業務提携契約を締結し、これまでに共同開発による製品3点を市場化してまいりました。今回の業務提携の強化は、これまでに培ってきた両社のパートナーシップをさらに強固なものとし、協業領域を拡大して日本発の画期的な医療機器開発を目指すとともに、製造から知的財産、物流、ユーザー支援等まで、経営資源と市場優位性を相互に活用することにより、グローバル市場における両社の世界的競争力を高めることを目的とするものです。 |
また、この業務提携強化を経営レベルで推進するため、その裏付けとして両社間の資本提携を行うことといたしました。 |
なお、本提携は前記の通り、両社のパートナーシップを強化することが目的であり、将来の合併や持株会社の設立等を念頭に置いたものではありません。 |
業務提携強化に至った背景 |
世界の医療機器市場は、先進諸国における高齢化の進行や、途上国における医療水準の向上などにより、将来にわたっての拡大が見込まれております。その一方で、医療ニーズの多様化や医療費の増大への懸念などから、患者様への身体的負担が少なく(低侵襲)、医療費が抑制できる新しい医療技術の開発が期待されています。 |
また同市場では、欧米、特に米国企業が高い成長力によって企業規模を拡大し、各専門領域における強い開発力と競争力でシェアを高めつつあります。約2兆円といわれる日本の医療機器市場においても、ここ数年、輸入超過の状態が固定化しつつあり、日本の誇る技術力による新しい医療機器の開発と日本の医療機器メーカーの競争力強化が強く求められております。 |
このような市場環境や社会ニーズなど、中長期的な経営環境の変化に柔軟に対応するため、2001年から進めてまいりました業務提携をより強化すべく、今春より両社に合同のタスクフォースチームを組織して、既存事業の枠を超えた協業機会拡大の可能性を検討してまいりました。その結果、日本における消化器分野の診断・治療系医療機器リーダーであるオリンパスと、循環器分野の診断・治療系医療機器リーダーであるテルモが、「低侵襲医療の実現」という両社共通の目的に向かって、それぞれのコア技術や幅広いノウハウを持ち寄ることは、両社の国際競争力を大きく強化するものとの認識で一致し、今回の業務提携強化に至ったものです。 |
なお、資本提携に当たっては、オリンパス株式会社は第三者割当増資により6,811,000株をテルモに、テルモ株式会社においては自己株式の処分(金庫株の放出)により4,715,400株をオリンパスにそれぞれ8月22日に譲渡いたします。 |
今後の展開 |
今回の提携強化による具体的な協業内容および計画については、現在両社間でさらに協議を行っておりますが、患者様の視点ないしは疾患マネジメントの観点で広範囲にリサーチを行い、低侵襲と医療経済性の両面からどのような新しい価値を社会に提供し、貢献できるかを見極めて行く予定です。たとえば、循環器疾患、がん、骨疾患(整形外科)領域などで、新しい医療機器の開発を進めてまいります。 |
具体的には、高周波やレーザーなどのエネルギーを使った内視鏡下での心臓疾患の治療器具、大腸がん等の消化器系疾患に対する診断・治療機器、肝がんなどの低侵襲治療、新しい人工骨材とそれを体内に補填するシステムなどが挙げられます。 |
これら新規開拓分野の潜在市場の規模は、それぞれ将来400~1,000億円規模と見込まれます。 |
さらに、海外新市場の共同開拓、既存商品の新市場への展開などについても検討を行っております。 |
また、この提携による成果を確実なものとするため、両社の経営レベルでの「提携推進委員会(仮称)」を設置して、新たな事業機会の追求に努めるとともに、定期的にその進捗状況の確認を行います。 |
オリンパス株式会社の概要 |
所在地: | 東京都新宿区西新宿2-3-1 新宿モノリス |
設立: | 1919年 |
資本金: | 408億円 |
代表者: | 代表取締役社長 菊川 剛 |
売上高: | 8,135億円(連結、05年3月末) |
社員数: | 30,339名(連結、05年3月末) |
事業内容: | 医療・健康、映像・情報、工業関連、情報通信分野等の機器製造販売
医療用内視鏡、顕微鏡、血液分析装置、検査用試薬、デジタルカメラ、フィルムカメラ、録音機、光磁気ディスクドライブ、プリンタ、バーコードスキャナ、工業用内視鏡、測定器他 |
オリンパスは1950年、日本で初めて胃カメラを実用化し、以来ファイバースコープ、ビデオスコープ、直接体内を観察しながら患部の治療を行う内視鏡用処置具等を開発してきました。そして、現在では内視鏡技術においては世界一の技術とシェアを誇り、がん等の各種疾患の早期発見・治療に貢献しています。 |
テルモ株式会社の概要 |
所在地: | 東京都渋谷区幡ヶ谷2-44-1 |
設立: | 1921年 |
資本金: | 387億円 |
代表者: | 代表取締役会長兼最高経営責任者 和地 孝 |
売上高: | 2,300億円(連結、05年3月末) |
社員数: | 9,624名(連結、05年3月末) |
事業内容: | 医薬品、栄養食品、血液バッグ、各種ディスポーザブル医療器具、人工心肺システム、カテーテルシステム、腹膜透析関連、血糖測定システム、ME機器、電子体温計等の医療用機器の製造・販売 |
テルモは、注射器や輸液セットなどの使い切り医療機器のトップメーカーであり、血管造影用ガイドワイヤーや人工心肺システムでは世界のトップシェアを占めています、また、血管治療用カテーテル、ステント、さらに補助人工心臓(開発中)など、先進的な治療用医療機器で高い開発力を有しています。 |
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