2005年 9月30日 | |
|
|
オリンパス株式会社(社長:菊川 剛 / 以下、オリンパス)は、欧州最大の科学技術研究機関である英国QinetiQ Limited(Chief Executive:Sir John Chisholm / 所在:Farnborough Hampshire U.K. / 以下キネティック社)に、水素燃料電池に使用する次世代の水素エネルギー技術に関する研究を委託します。本技術により、将来のユビキタス環境で必須となる民生携帯機器用の小型、高出力、長時間駆動を可能にする水素燃料電池の実用化を目指します。まず、本研究委託によりキネティック社が、水素含有率が20%と高く、エネルギー効率の良いアンモニアボラン*1(固形材料)を使った小型水素発生器*2の試作機を2008年に完成させる計画です。その後、オリンパスは同社未来創造研究所が目指すセンサネットワークシステム*3やユビキタスシステムをはじめ、その他様々な民生携帯機器への適用に向けた水素燃料電池の研究を行ってまいります。 | |||||||||||||||||||||||||||
|
今後、携帯機器は様々な機能追加や高速化により消費電力が飛躍的に増大し、携帯電話、パソコン、デジタルカメラなど民生携帯機器に使われる燃料電池の市場規模は、2013年までに110億USドル(約1兆2,000億円)*4に上ると予測されています。一方、現状では携帯機器に使われている電池の駆動時間には限界があり、普及の障壁になるとも考えられています。その対策として、世界的には主にダイレクト・メタノール型燃料電池*5の開発が進められていますが、現在一般的に使われているリチウムイオン電池に比べ実用化には多くの課題があります。アンモニアボランを燃料とする燃料電池は、小型、高出力(10W以内)を実現し、4G次世代携帯電話等のピーク電力変動の大きい機器でも安定して長時間駆動することが期待できます。 | |||||||||||||||
|
キネティック社の技術は、約20%を水素で構成するアンモニアボランという固形材料を使います。原理としてはまず、この材料を小粒に加工したものを加熱することで水素が放出されます。次に、その水素が水素燃料電池に供給されて電力を発生します。この小粒燃料を交換式カートリッジに入れておけば、そのカートリッジを差し替えるだけで瞬時に『燃料補給』されます。 |
各社の概要 |
オリンパスの概要 |
1919年創業。伝統的な光学技術と、最新のデジタル技術、微細加工技術の融合「オプト・デジタルテクノロジー」をコアコンピタンスとして、医療・健康、映像・情報、工業関連機器を製造・販売する精密機器メーカー。 |
未来創造研究所は、2003年4月に設立され、オリンパスの経営理念「Social IN(ソーシャルイン)」に基づいて、未来を想像し「未来価値」を創出することを目的としています。 |
既存の研究開発センターが3~5年先の「将来」の事象を研究しているのに対し、未来創造研究所は5~10年先、あるいはその先の「未来」の事象を研究し、未来事業に向けたコアコンピタンスの探求をミッションにしています。 |
従来のように未来技術を予測して研究開発を進めるのではなく、未来創生という視点から人々の生活価値の創造・実現を目指しています。 |
私たちが目指す研究は、1.ヒューマンウェア 2.バイオサイエンス 3.光・ナノテクノロジー 4.ユビキタスエネルギーの4つの領域です。 |
ユビキタスエネルギーでは、未来の生活で必須となる携帯機器をいつでも、どこでも電池切れがなく使用するための方法を研究し、その1つの方法として燃料電池を位置付けています。 |
キネティック社の概要 |
ヨーロッパ最大の科学技術研究機関で、約10,000名のスタッフを擁しており、その中には英国の第一線の科学者や国際的に高く評価されている専門家も含まれます。エネルギー、通信、自動車、鉄道、電気電子、宇宙、健康、石油ガス、航空、情報技術、防衛等の様々な分野で幅広く研究開発活動を行っています。 |
キネティック社はこれまでに液晶ディスプレイ、炭素繊維、平面スピーカー、赤外線センサーと超音波レーダー、胎児の心臓モニタリングシステム、ヘルスケア分野での重要な技術、乗客の安全と輸送に関わる技術等の様々な技術を先駆者として研究開発し、全世界の人々に貢献してきています。 |
- 本リリースに掲載されている内容は、報道関係者向けに発表した情報です。
- 掲載内容は、発表日現在の情報であり、ご覧になっている時点で、予告なく情報が変更(生産・販売の終了、仕様、価格の変更等)されている場合があります。
- 掲載されている社名、製品名、技術名は各社の商標または登録商標です。
本文の終わりです