2006年1月6日 | ||
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オリンパス株式会社(代表取締役社長:菊川剛 以下オリンパス)はCangen Biotechnologies, Inc.(CEO: Dr. Chul So Moon、社長: Mr. Richard A. Silfen、以下キャンジェン社/ 所在地:メリーランド州ベセスダ)と肺がんの早期発見を目的とした分子診断法*1の実用化に向けて、この4月からアジアでの臨床研究を本格的に展開します。2005年4月から始まったこの共同開発は、オリンパスの遺伝子解析技術と、キャンジェン社のDNAおよびタンパク質を用いた分子診断技術を融合させ、特に肺がんの分子診断法の実用化に向けた研究開発を加速させるものです。 | |||||||||
本共同開発では、血液を用いる低侵襲検査の確立を目標とし、早期の肺がんに特異的なDNAマーカー*2の共同開発を推進しています。現時点で、早期がんを含む凍結保存組織検体において、70-80%の確率で変化するDNAマーカー候補に目処が付いてきました。更なるDNAマーカーに関するデータ蓄積とともに、次の段階としてこの4月からは、DNAマーカーの検証と診断法の評価に向けたアジアでの臨床研究を本格的に展開します。約2年後のFDA*3(米国食品医薬品局)からの承認を目標とし、今後も共同開発を推進していきます。 | |||||||||
オリンパスは、2002年12月に先端バイオ技術の事業化を推進する国際交流組織「コスモス・アライアンス注1)(本部:米国ワシントンDC、会長兼CEO:フランク・ヤング博士)」に参加し、革新的なバイオ技術を持つ同組織のベンチャー企業(技術メンバー、R&Dメンバー)との共同開発、技術提携、資本提携などを通じて、ゲノムやタンパク質解析システムなど、最先端バイオ製品の事業化を推進しています。キャンジェン社との取組みはその一環で始められました。 | |||||||||
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共同開発の背景 |
近年肺がんは、胃がんを抜いて、国内のがん死亡原因のトップとなっています。肺がんは症状が表れにくく、検診でも初期のがんは見つけにくいと言われているだけでなく、がんの進行が極めて早いため、早期発見の重要性・必要性が高まっています。オリンパスは、がん臨床検査への実用化を目指し、種々の遺伝子解析技術の開発を進めてきました。一方、キャンジェン社は、主にがんの早期発見に向けた非侵襲診断法を研究開発しており、がん特異的DNAマーカーを用いた診断法の開発を進めています。オリンパスは、2005年4月から肺がんの早期発見に向け、キャンジェン社と共同開発を進めてまいりました。がんの分子診断法実用化へ向けた研究開発を加速し、正確で優れた検査を実現するための次のステップとして、この度、キャンジェン社との臨床研究をアジアで展開いたします。 |
用語解説 |
*1 分子診断法: |
例えばがんで特徴的に増加したり、減少したりする生体分子(DNA、RNA、タンパク質など)をマーカー(指標)として、その分子マーカーの量的・質的な変化を計測することで、がんの早期発見・悪性度の評価等を実現する診断法です。 |
*2 がん特異的DNAマーカー: |
ヒトゲノム中には、各種のがん細胞で特異的に変化するDNA領域が存在することが分かってきています。例えば、がん細胞のみで変化するDNAの配列があれば、それががん細胞の存在を特定するマーカーとなります。 |
*3: FDA: |
Food and Drug Administration of the United States Department of Health and Human Service(米国食品医薬品局)の略称です。日本の厚生労働省にあたる米国厚生省(DHHS:Department of Health and Human Services)に属しています。 |
Cangen Biotechnologies, Inc. 会社概要 | ||||||||||||||||||
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