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2006年6月16日

オリンパスのマイクロイメージング技術とサンヨーのインキュベーション技術を融合

オリンパス、インキュベーションイメージングシステム「LCV100」を発売

細胞本来の活性を維持し、長期間に渡る経過観察を実現

インキュベーションイメージングシステム「LCV100」

インキュベーションイメージングシステム「LCV100」

オリンパス株式会社(社長:菊川 剛)は、三洋電機株式会社(社長:井植 敏雅、以下サンヨー)と共同開発したインキュベーションイメージングシステム「LCV100」を6月16日から発売します。「LCV100」は当社のマイクロイメージング技術とサンヨーのインキュベーション技術を融合することで、細胞本来の活性を維持した観察や画像取得、数日から数週間に渡る長期の経過観察が可能になりました。当社は、本システムの販売のみならず、バイオ分野における様々な装置、アプリケーションを提供することで、生命科学の解明、創薬研究、そして再生医療の研究など、次世代医療に向けた最先端研究へ貢献していきます。

なお、「LCV100」は2006年6月18日(日)~23日(金)に国立京都国際会館で開催される「第20回国際生化学・分子生物学会議/第11回アジア・オセアニア生化学者・分子生物学者連合会議」(事務局長:谷口直之 大阪大学大学院医学系研究科生体制御医学専攻生化学分子生物学講座・教授)に展示します。

製品名 発売日
インキュベーションイメージングシステム「LCV100」 2006年6月16日

「LCV100」の主な特長の概要

  1. 細胞本来の姿、本来の活性を維持した観察が可能
  2. 複数のサンプルを並行して観察できるので、効率・精度の良い実験が可能
  3. パソコン操作を採用し、顕微鏡初心者でも安心して操作が可能
  4. 長時間に渡る経過観察においても、劣化の少ない画像取得を実現

開発の背景

ヒトゲノムプロジェクトの成果により、多くの遺伝子についての解明が進みつつあります。それに伴い、タンパク質の機能解析が盛んになり、生細胞を経過観察したい、シビアな培養環境が必要である初代培養細胞で実験を行いたいというニーズが高まっています。また、これまで顕微鏡を使用しない実験が多かった生化学、分子生物学の研究者の間でも細胞の経過観察は注目され始めています。従来の蛍光イメージングシステムでは、インキュベーション環境を整えることが難しく、細胞によっては細胞本来の活性が低下してしまうという例もありましたが、本装置では当社のマイクロイメージング技術とサンヨーのインキュベーション技術を融合させることにより、培養環境に左右されやすい細胞でも、細胞本来の活性を保ったまま、数日から数週間に渡って経過観察することができる「インキュベーションイメージング」を実現しました。

これまでもオリンパスは、生細胞を三次元で観察することが可能な共焦点レーザー走査型顕微鏡「FV1000」や、小動物の胃や心臓などを生きたまま観察することができるin vivoレーザー走査型顕微鏡「IV100」、小動物を全体のマクロ観察から細胞レベルの極小部位の観察まで行える生体観察システム「OV100」、個々の細胞の発光量変動を画像とともに捉えることができる発光イメージングシステム「LUMINOVIEW (LV100)」などをライフサイエンス分野向けに開発してまいりました。このたびインキュベーションイメージングシステム「LCV100」の発売により、イメージング装置のラインナップを更に拡充します。また、装置の販売のみならず、様々なアプリケーションを提供することで、顧客の多様なニーズへ対応し、生命科学の解明、創薬研究、そして再生医療の研究など、次世代医療に向けた最先端研究へ貢献していきます。

「LCV100」の主な特長の詳細

  1. 細胞本来の姿、本来の活性を維持した観察が可能
    生体内に最も近い環境であるインキュベーターの中で観察ができるので、細胞活性の低下による実験の失敗がなく、正確な実験データが取得できます。数週間に渡る経過観察を実現することはもちろん、これまで観ることができなかったインキュベーター内の細胞本来の姿を捉えることができます。培養環境に厳しく、これまで難しいとされてきた初代培養細胞、ES細胞などのイメージングも可能になりました。また、安定した培養条件を確保できるので、実験の再現性にも優れています。
  2. 複数のサンプルを並行して観察できるので、効率・精度の良い実験が可能
    サンプルを8個まで同時にセットできるので、実験条件(培地組成、蛍光試薬濃度、コーティング、照明光の明るさ、間隔など)を決めるための予備実験が効率よく行えます。また、1個のサンプルの中でも複数の位置を観察できるので、実験のサンプル数が増え、精度の高いデータが得られます。
  3. パソコン操作を採用し、顕微鏡初心者でも安心して操作が可能
    実験の設定は全てパソコンで操作できるので、顕微鏡に不慣れな方でも簡単に操作が行えます。また、インキュベーター内は外光が入らないため、暗室がない実験室にも設置することができます。
  4. 長時間に渡る経過観察においても、劣化の少ない画像取得を実現
    対物レンズや駆動部は常にインキュベーター内部と同じ温度にコントロールされているため膨張や歪みなどによるピントずれが起こらず、長期間の経過観察においても安心です。

それぞれの役割

オリンパス株式会社

本製品のイメージングシステムの開発と本製品の販売を担当

三洋電機株式会社

本製品のインキュベーターの開発を担当

「LCV100」を使った主なアプリケーション

  • 発生・分化研究分野
  • 脳・神経研究分野
  • 薬効研究分野

三洋電機株式会社 会社概要

住所: 〒570-8677 大阪府守口市京阪本通2丁目5番5号
社長: 井植 敏雅
設立: 1950年4月
事業内容: 音響・映像・情報通信機器、電化機器、産業機器、バイオメディカル機器、電子デバイス等の製造・販売・保守・サービスなど

「LCV100」仕様

対物レンズ UIS対物レンズ UAPO40X/340(NA0.9 WD 0.2mm)
中間変倍 0.5x/1x/2x、電動ターレット切り換え
形態観察(透過照明) 光源 1W LED(620nm)
観察方法 明視野、微分干渉(DIC)
コンデンサ NA0.55、FS固定、照野Φ0.55mm、DICプリズムが装着済み
蛍光観察(落射照明) 光源 1W LED (455nm、470nm、505nm、530nm、590nm、620nmのうち2種を選択)
光源切換 LEDのOn/Off (2種類の波長のLED光合成はダイクロイックミラーによる)
FS 固定
励起切換 電動6段切り換え(UISミラーユニット)、ただし1箇所は透過DICで使用
電動XYステージ 分解能 X:0.1μm、Y:0.5μm
ストローク 10mmx10mm (Ø35ディッシュ1個あたり)
積載可能標本 Ø35ガラスボトムディッシュ、8個まで
標本トレイ 着脱式 (オートクレーブ滅菌可能)
Zフォーカス 対物上下動式電動フォーカス、分解能0.01μm、ストローク上1mm/下3mm (ガラスボトムディッシュへの合焦位置を基準として)
ZハンドルユニットまたはGUIのボタン操作 (GUIは可変ステップ移動)
CCDカメラ オリンパス製CマウントCCDカメラ「DP30BW」
2/3インチ 140万画素 1360x1024(1ピクセル=6.45μm) 階調12bit
イメージングソフトウエア 顕微鏡操作、タイムラプス実験パラメータ設定は、オリンパス専用アプリケーションソフト(LCV100 Controller)
CCD制御、画像解析はMetaMorph (MetaMorph Basic版&多次元データ取得表示機能)
設定可能パラメータ:ディッシュ番号、ステージXY位置、中間変倍、ミラーユニット、LED色、LED明るさ、フォーカス位置、Zスタックピッチ、タイムラプス間隔、タイムラプス撮影枚数、CCD撮影条件
PC CPU:Intel Pentium4 プロセッサ 540J(3.2GHz)、
メモリ:1GB(512MBx2枚)、
HDD:120G(システム用)1基、400G(データ用)1基、
FDD:3.5インチ1基内蔵、
CD/DVD:DVD±R/RW (ライティングソフト、DVD再生ソフト付き)
モニタ 17インチ液晶モニタ
CO2インキュベータ 内装:銅合金ステンレス製、凹凸が少ないクリーニングし易い形状、内扉、外扉の2重構造
  温度 設定可能温度:37℃(室温15℃~28℃時)、表示付き
温度変動幅:±0.1℃ (周囲温度:25℃、設定37℃、CO25%、無負荷)
湿度 95%±5%R.H.
CO2 設定可能CO2濃度:5%(表示付き)、内部循環方式:ファン循環式、
CO2濃度変動幅:±0.15% (周囲温度25℃、設定37℃、CO25%、無負荷)
ご注文時に、「標準40×対物レンズ/他の倍率」、「微分干渉(標準)/位相差」、「LED光源(標準)/キセノンランプのファイバ導入」、「蛍光ミラーユニットの種類」などの選択をすることができます。
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