2006年8月7日
オリンパス、米ビゼン社と日本での独占販売契約を締結
~近赤外蛍光イメージングシステム~
・ 蛍光分子トモグラフィー装置 ・in vivo近赤外蛍光試薬
オリンパス株式会社(代表取締役社長:菊川 剛)はVisEn Medical社(CEO: Kirtland G. Poss 以下ビゼン社 / 所在地:マサチューセッツ州 ウォバーン)の「蛍光分子トモグラフィー装置(FMT装置)」と「in vivo近赤外蛍光試薬」の日本における独占販売契約を締結し、2006年9月1日から販売を開始します。「FMT装置」と「in vivo近赤外蛍光試薬」は、今日の最高水準の分子イメージングを実現するために開発されました。ビゼン社の製品とオリンパスの分子イメージング装置「OV100」、「IV100」を組み合わせることで、近赤外試薬で細胞、組織から全身レベルまで、リアルタイムでの分子活動の定量化により、これまでにない広範なin vivo分子イメージングデータの生成が可能となります。また、分子イメージングの応用範囲も大幅に広がり、腫瘍、炎症、心臓血管系疾患、骨疾患などの様々な疾病に関するデータの質を高めることにより、疾病研究の推進、新薬開発のスピードアップに貢献します。
契約締結の背景
病気の発症、進行、回復を含むすべての生命現象は、体内の既知の分子の連鎖によって生じています。そこで、先端の生命科学の研究分野では、生体内の細胞やタンパク質、分子の動態を画像化して解析する「in vivoイメージング」が盛んに行われています。これらの動態を解析することで、早期がんの発見、がん発生・転移メカニズムや抗がん剤の効きやすさなどを解明することができます。光を用いた「分子イメージング」は大きく分けると、近赤外蛍光イメージング、蛍光タンパクを用いたイメージング、発光イメージングの3つの方法があります。その中でも、高性能で高感度な生体内イメージングが可能な近赤外蛍光イメージングは、疾病研究と薬剤開発において中心的な役割を果たしつつあります。
ビゼン社の蛍光試薬は、プロテアーゼ活性、血管形成、血管透過性、骨再生などの病気にまつわる様々な生体内の分子活動に焦点をあて、情報を読み取ることを目的に開発されています。ビゼン社のFMT装置は、生きた小動物内における確実な蛍光定量化を可能にします。これらを合わせて使用することにより、腫瘍、炎症、心臓血管系疾患、骨疾患など様々な病状における分子活動を含めた、生体内の広範な生物学的現象を観察し定量化することができます。オリンパスは、分子イメージング装置として、小動物の全体像から細胞レベルまでを広い範囲で観察できる生体観察システム「OV100」、および小動物の体内を直接観察できるin vivoレーザ走査型顕微鏡「IV100」を開発、販売してまいりました。今回、ビゼン社の日本での独占販売契約を締結したことにより、ビゼン社の製品とオリンパスの分子イメージング装置の組み合わせが可能となり、細胞、組織から全身に及ぶ生体内の観察とデータ生成に利用できる、今日の最先端蛍光テクノロジーをお客様にご提供できるようになります。
なお、ビゼン社の「FMT装置」と「in vivo近赤外蛍光試薬」は、2006年9月28日(木)~30日(土)にパシフィコ横浜で開かれる「第65回日本癌学会総会」(会長:垣添忠生 国立がんセンター)に展示いたします。
VisEn Medical社の会社概要
CEO | Kirtland G. Poss |
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所在地 | マサチューセッツ州ウォバーン |
設立 | 2000年 |
従業員 | 約25名 |
事業内容 | ビゼン社は、マサチューセッツ・ゼネラル・ホスピタルとハーバード大学医学部で開発された最先端テクノロジーをもとに設立されました。Flagship VenturesおよびThe Bollard Groupなどの主要ベンチャー企業出資ファンドから資金提供を受け、以下の事業を行っています。
・ 蛍光分子イメージング用のトモグラフィー装置と近赤外蛍光試薬などの開発・販売。 ・ 小動物イメージング用の製品販売と臨床用装置と試薬の開発。 ・ 腫瘍、骨成長、心臓血管系疾患、炎症などの疾病研究のソリューションの開発。 |
URL | www.visenmedical.com |
ビゼン社の装置と試薬のラインアップ(詳細は、参考資料をご参照ください)
蛍光分子トモグラフィー装置(FMT装置)
疾病のマウスモデルにおいて、高速で定量性に優れた高精度の3次元蛍光断層撮影(FMG)を提供します。
in vivo近赤外蛍光試薬
血管形成、プロテアーゼ活性、血管透過性、炎症、細胞転移と追跡、骨再生など、病気にまつわる生物学的な現象の画像化を目的として開発されたin vivo近赤外蛍光試薬です。
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