2006年9月25日
オリンパス、木材の三次元圧縮成形加工技術を開発
オリンパス株式会社(社長:菊川 剛)は、これまで培ってきた高度な金型加工技術を活かして、木材の三次元圧縮成形加工技術を開発しました。この技術により、木ならではの質感や木目を活かしつつ、ポリカーボネイト樹脂、ABS樹脂などのエンジニアプラスチックを超える硬度※1の飛躍的な向上を実現しました。この技術を電子機器の外装・筐体に適用することにより、商品の情緒的価値を高め、人々に持つ喜びを提供できるものと考えます。
※1 | ビッカース硬度試験法に基づく当社試験による(比較対象のポリカーボネイト樹脂とABS樹脂は、一般に電子機器の外装等に用いられる樹脂) |
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技術開発の背景
「効率・利便性・安価」を追求した画一的な大量生産・大量消費でモノの飽和状態が進む中、モノに対するこだわり、愛着が失われつつあります。
このような時代においてオリンパスは、人がモノに対して情緒的価値を持てるモノづくりとは何かを考えてきました。
その一つの回答が、今回開発した自然素材である「木」を使った三次元圧縮成形加工技術であり、この技術により本来「木」が持っている天然の色・つや・木目の美しさの表現、電子機器の外装・筐体に使うことができる薄さと硬さを両立しました。
この技術を通じて、多くの方々にモノを持つ喜びを味わって頂きたい――。それが今回の技術開発にかけたオリンパスの願いです。
主な技術の特長
- 木を素材としながらも、電子機器の外装・筐体に適用可能な薄さとエンジニアプラスチックを超える飛躍的な硬度を実現
今回開発された三次元圧縮成形加工技術により、比重約0.4~0.5のヒノキ材を比重約1.0超(約2.5倍超圧縮)まで変化させる事で、電子機器の外装・筐体に適用可能な薄さと一般に電子機器の外装・筐体に使われるポリカーボネイト樹脂、ABS樹脂を超える十分な硬度を達成しました。
この特殊加工技術により、三次元形状が求められる電子機器の外装・筐体への適用が可能となりました。 - 木の質感や木目を活かした、自然な光沢感を持つ美しい仕上がりを実現
当社のデジタルカメラ・顕微鏡・内視鏡などのレンズは、面精度の高い当社独自の金型を使って成型されています。この高度な金型加工技術を木材の圧縮成形用金型に活かすことによって、成形後の後加工を施すことなく、自然な光沢を持つ美しい仕上がりを実現しました。
ご参考
ヒノキ原木 立体切削加工品 圧縮成型加工後 加熱処理後 仕上げ加工後
当技術をデジタルカメラに適用した制作過程のパーツ(上)と試作品(下)
なお、当技術の展示、及びデジタルカメラに適用した試作品の参考出展を、2006年9月26日~10月1日までドイツ・ケルンで開催される「フォトキナ2006」にて行います。
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