2006年12月8日
RFIDによる洗浄履歴が記録できる内視鏡洗滌消毒装置「OER-3」発売
~わずか18分でスコープの2本同時自動洗浄・消毒が可能~
オリンパスメディカルシステムズ株式会社(社長:森嶌 治人)は、症例間の内視鏡の洗浄消毒をより効率良く、より安全に行える内視鏡洗滌消毒装置「OER-3」を12月12日から国内で発売します。同装置は、水と酸素、酢酸に分解される過酢酸消毒液を使用し、わずか18分※1でスコープを2本同時に自動洗浄・消毒※2することが可能です。また、RFID※3を搭載し、いつ、誰が、どのスコープを、どの装置で洗浄・消毒したかといった履歴を残すことが可能です。2007年秋には弊社製の内視鏡業務支援システム「SolemioENDO」との連携を予定し、内視鏡検査から洗浄・消毒まで一連のトレーサビリティの実現を目指します。
※1 | 施設の給水条件による。 |
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※2 | スコープの種類よっては2本同時洗浄・消毒が行えない組み合わせもあります。 |
※3 | Radio Frequency Identificationの略。微小な無線チップにより人やモノを識別・管理する仕組みのこと。数cm程度の大きさのタグにデータを記憶し、電波や電磁波により非接触で読み取り器と交信する。 |
発売の概要
製品名 | 発売日 |
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内視鏡洗滌消毒装置OER-3 | 2006年12月12日 |
主な特長の概要
- わずか18分の洗浄・消毒工程でスコープの2本同時消毒が可能
- 医療リスクマネジメントをサポートする洗浄履歴機能を搭載
- 優れた消毒力と環境にやさしい過酢酸消毒液を使用
- 内視鏡の構造を考えた多彩な洗浄・消毒機能
市場導入の背景
近年、内視鏡医療における症例間の洗浄消毒の重要性が高まる中、医師・看護師・患者さんにとって、より安心・安全で効率的な自動洗浄消毒装置が求められています。当社は内視鏡のトップメーカーとして、医療現場でより安全・快適に内視鏡検査を行なって頂くために1980年から業界に先駆けて内視鏡の自動洗浄消毒装置を市場導入し、信頼に応えてきました。また、薬液交換作業者の安全確保と環境にもやさしい内視鏡専用の消毒液を実現するために、当社内視鏡の耐性に対応し、短時間で消毒効果が得られる過酢酸製剤「アセサイド6%消毒液」をサラヤ株式会社(大阪市東住吉区)と共同開発し、2001年に内視鏡洗滌消毒装置「OER-2」の専用カセットボトル方式として採用しました。このたび開発した内視鏡洗滌消毒装置「OER-3」は、医療機関における内視鏡検査の増加に対応するために、過酢酸消毒液を使ったスコープの2本同時自動洗浄・消毒を実現しました。また、近年内視鏡の症例間洗浄・消毒の質を保証する機運の高まりを受けて、RFIDを使った洗浄履歴機能を搭載しました。
主な特長の詳細
- わずか18分の洗浄・消毒工程でスコープの2本同時消毒が可能
1本処理仕様である現行機種「OER-2」の17分の洗浄・消毒工程に対し、わずか18分でスコープを2本同時に消毒することが可能です。これにより、内視鏡検査数の多い医療機関でも効率良く症例間の洗浄・消毒を行うことが可能です。また、「OER-2」とほぼ同等の設置面積で省スペース化を実現し、スペースを確保しづらい内視鏡室でも設置できるように設計しました。 - 医療リスクマネジメントをサポートする洗浄履歴機能を搭載
スコープのユニバーサルコードに取り付けた「スコープIDタグ」と洗浄作業者が身に付けた「IDシール」のRFIDを読み取り、いつ、誰が、どのスコープを、どの装置で洗浄・消毒したかといった履歴を「OER-3」内蔵のプリンターで出力することが可能です。なお、2007年秋には「OER-3」と弊社製の内視鏡業務支援システム「SolemioENDO」との連携を予定し、内視鏡検査から洗浄・消毒まで一連のトレーサビリティの実現を目指します。 - 優れた消毒力と環境にやさしい過酢酸消毒液を使用
過酢酸消毒液は、一般細菌、抗酸菌、ウイルスなどを5分で殺滅するため、短時間で高水準消毒※4が可能です。また、最終的に過酸化水素(酸素と水)と酢酸に分解されるため、環境中に排出しても影響が少ないとされています。さらに、薬液交換時の作業者の安全を確保するために、薬液に触れずに交換できる「カセットボトル」方式を採用しています。※4 大量の芽胞菌の場合を除いて、全ての微生物が殺滅できるレベルの消毒のこと。日本消化器内視鏡学会技師研究会が消化器内視鏡の消毒レベルとしてガイドラインに定めている。 - 内視鏡の構造を考えた多彩な洗浄・消毒機能
過酢酸消毒液の優れた消毒力を最大限に発揮するために、スコープ表面に付着した微細な汚れをきれいに落とす「超音波洗浄」機能を搭載し、短時間で汚れを分解する「アルカリ洗剤」との併用により、ハイレベルな洗浄が可能です。また、スコープの管路への高圧送水やボタンの洗浄など、内視鏡メーカーとして内視鏡の構造を考えた設計により、スコープにダメージを与えずに高い洗浄・消毒効果が期待されます。
主な仕様
内視鏡洗滌消毒装置「OER-3」適用内視鏡 | 当社軟性内視鏡 |
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適用本数 | 2本 |
洗浄方式 | 外表面:超音波洗浄、流液洗浄(後半洗剤付加)
チャンネル内:送液洗浄(後半洗剤付加) ボタン類:超音波洗浄、流液洗浄(後半洗剤付加) |
消毒方式 | 外表面:消毒液浸漬
チャンネル内:消毒液送液および充満 ボタン類:消毒液浸漬 |
洗浄時間設定 | 洗浄時間:1~10分(1分毎設定) |
消毒時間設定 | 5分および10分 |
消毒液温度設定 | 20℃/設定せず |
消毒液加温方式 | 洗浄槽内蔵ヒーターによる加温 |
実用液消毒液量 | 17.5L |
洗浄消毒工程プログラム | プログラム1は固定(洗浄1分、消毒5分)
プログラム2~5までは独自プログラムを設定可能(4パターン) |
漏水検知方式 | 液中での気泡確認(目視) |
洗剤注入方式 | 洗剤タンク内の洗剤をポンプにより自動注入 |
アルコール送液方式 | アルコールタンク内のアルコールを送液ポンプにより自動送液、
その後エアーポンプによる自動除液 |
フィルター | 水フィルター:0.2μmメンブレンフィルター
エアーフィルター:0.2μmメンブレンフィルター ガスフィルター:多孔質の特殊吸着剤による消毒液毒性成分/臭いの除去 |
ID認識 | 内蔵アンテナにより指定のRFID方式ICチップから非接触で内視鏡や操作者のID情報を認識 |
プリンター | 装置の洗浄履歴(洗浄消毒工程の動作記録、設定内容、装置個体ナンバーなど)および認識した内視鏡と操作者のID情報を内蔵プリンターからプリントアウト可能 |
定期メンテナンス表示 | 2500回、または2年使用すると定期メンテナンス表示が点滅 |
外形寸法 | 450mm(W)×765mm(D)×977mm(H)※突起部含まず |
重量 | 120kg(乾燥状態) |
電源 | 電圧:100V、電圧変動:±10%以内、入力電流:7A、周波数:50/60共用 |
適合規格 | IEC61010-1に適合 |
供給形態 | 2液混合タイプ(主剤および緩衝化剤)
875mL×2の濃縮液カセットボトルにて供給 |
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包装単位 | 6セット/箱 |
供給形態 | 980mLパック
OER-3洗剤タンクに付属のノズルを付けて注入 |
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包装単位 | 6パック/箱 |
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