2007年1月17日
オリンパス、消化器内視鏡の特殊光観察第2弾
世界初、蛍光観察が可能な消化管ビデオスコープ2機種発売
「EVIS LUCERA上部消化管汎用ビデオスコープ OLYMPUS GIF TYPE FQ260Z」
「EVIS LUCERA大腸ビデオスコープ OLYMPUS CF TYPE FH260AZシリーズ」
「EVIS LUCERA上部消化管汎用ビデオスコープ OLYMPUS GIF TYPE FQ260Z」 |
「EVIS LUCERA大腸ビデオスコープ OLYMPUS CF TYPE FH260AZシリーズ」 |
オリンパスメディカルシステムズ株式会社(社長:森嶌治人)は、がんなど微細病変の早期発見を目的に、青色光を照射してコラーゲンなどの蛍光物質からの自家蛍光を捉え、腫瘍性病変と正常粘膜を異なる色調で強調表示する蛍光観察(AFI)※1が可能な世界初※2の消化管ビデオスコープ2機種を発売します。「EVIS LUCERA上部消化管汎用ビデオスコープ OLYMPUS GIF TYPE FQ260Z」(以下、「GIF- FQ260Z」)と「EVIS LUCERA大腸ビデオスコープ OLYMPUS CF TYPE FH260AZL/I」(以下、「CF-FH260AZL/I」)を2007年2月1日から国内で販売を開始し、順次欧州や中国、韓国、台湾、シンガポール等のアジア地域に販売を予定しています。
両スコープは、蛍光観察専用の超高感度CCDと通常光観察用のCCDを搭載し、蛍光観察に加え通常光によるハイビジョン画質での観察※3や拡大観察、さらにボタン1つの操作で狭帯域光観察(NBI)※4への切り替えも可能です。
※1 | 別紙参照。 |
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※2 | 2007年1月17日時点、消化器内視鏡の分野において。オリンパス調べ。 |
※3 | 「CF-FH260AZL/I」がハイビジョン対応。 |
※4 | NBIはNarrow Band Imagingの略。血液中のヘモグロビンに吸収されやすい狭帯域化された2つの波長(390~445nm/530~550nm)の光を照射することにより、粘膜表層の毛細血管や粘膜微細模様を強調表示する特殊光観察。 |
発売の概要(国内)
製品名 | 発売時期 |
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「EVIS LUCERA上部消化管汎用ビデオスコープ OLYMPUS GIF TYPE FQ260Z」※5 | 2007年2月1日 |
「EVIS LUCERA大腸ビデオスコープ OLYMPUS CF TYPE FH260AZシリーズ」※5 |
※5 | 「EVIS LUCERAビデオシステムセンター OLYMPUS CV-260SL 」「EVIS LUCERA高輝度光源装置 OLYMPUS CLV-260SL」との組み合わせで使用可能。 |
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主な特長の概要
- 世界初の蛍光観察が可能な消化管ビデオスコープを実現
- ハイビジョン画質での観察や拡大観察が可能
- 狭帯域光観察(NBI)が可能
市場導入の背景
近年国内では、人口の老齢化に伴いがんによる死亡率が増加傾向にあります。がんの中でも、大腸や食道などの消化器がんの死亡率は増加傾向にあり、内視鏡は、消化管のスクリーニング(病変発見のための検査)、精密検査、治療において欠かすことができない診断・治療機器として普及してきました。内視鏡診断技術は、主に粘膜表面の微妙な色調や凹凸を捉えるための高画質化により、2002年にはハイビジョン画質を実現しています。弊社は、これに加え新たな診断ツールとして、粘膜表面に現れない血管などの病変の特徴を色調として捉える特殊光観察技術を開発し、がんなど微細病変の早期発見や術前の病変範囲の精密診断などを目的とした内視鏡ビデオスコープシステム「EVIS LUCERA SPECTRUM(イーヴィスルセラ スペクトラム)」を2006年6月に発売しました。同システムは、粘膜表層の毛細血管や粘膜微細模様を強調表示する「狭帯域光観察(NBI)」、腫瘍性病変と正常粘膜を異なる色調で強調表示する「蛍光観察(AFI)」、粘膜深部の血管や血流情報を強調表示する「赤外光観察(IRI)」※8の3つの特殊光観察機能を搭載しています。「NBI」は弊社製の既存ビデオスコープ※9との接続により実現しており、「AFI」は、同年同月に発売した気管支ビデオスコープに引き続き、このたび世界で初めて消化器分野での実用化に成功しました。
※8 | 「IRI」はInfra Red Imagingの略。赤外光による特殊光観察。内外の論文によれば、赤外光が吸収されやすい赤外指標薬剤を静脈注射した上で、2つの赤外光(790~820nm/905~970nm)を照射することにより、通常光観察では視認が難しい粘膜深部の血管や血流情報を強調表示する特殊光観察。 |
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※9 | 「NBI」本来の機能を発揮させるために、高画質タイプのビデオスコープを推奨します。 |
主な特長
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世界初の蛍光観察が可能な消化管ビデオスコープを実現
自家蛍光は、極めて微弱な光であるため、通常の小型CCDで検出することは困難であり、従来はファイバースコープによる観察が主流でした。このたび、通常光観察用のCCDに加え、新開発の蛍光観察専用の超高感度CCDを搭載した、世界初の蛍光観察が可能な消化管ビデオスコープを実現しました。 -
ハイビジョン画質での観察や拡大観察が可能
ボタン1つの操作で通常光観察への切り替えが可能です。「CF-FH260AZL/I」は、通常光観察用にハイビジョン対応CCDを搭載し高画質化を実現しています。また、両スコープに搭載している光学ズーム機能(「GIF- FQ260Z」:倍率85倍※10/「CF-FH260AZL/I」:75倍※10)により精度の高い診断をサポートします。※10 弊社条件による。 -
狭帯域光観察(NBI)が可能
ボタン1つの操作で狭帯域光観察(NBI)への切り替えが可能です。これにより、がんなど微細病変の早期発見を支援する蛍光観察、術前の病変範囲の精密診断を支援する狭帯域光観察(NBI)と光学ズーム機能の組み合わせにより精度の高い診断をサポートします。 -
※1<蛍光観察(Auto Fluorescence Imaging = AFI)の技術説明>
「AFI」は、コラーゲンなどの蛍光物質からの自家蛍光を観察するために励起光(390~470nm)と血液中のヘモグロビンに吸収される波長(540~560nm)の光を照射することにより、腫瘍性病変と正常粘膜を異なる色調で強調表示し、がんなど微細病変の早期発見を支援する技術です。これは、腫瘍組織が正常組織に比べ、青色励起光を照射すると自家蛍光(粘膜に存在するコラーゲン等の蛍光物質が発する蛍光)が減弱するという特性を利用しています。この自家蛍光の減弱は、腫瘍組織の(1)粘膜上皮の肥厚によって光が吸収・散乱される、(2)血液中のヘモグロビンによって光が吸収される、ことによるものです。一方、従来の自家蛍光観察装置では炎症性病変でも自家蛍光が減弱するために、腫瘍であると判別されるという課題がありました。「AFI」では、粘膜の肥厚には影響をされず、ヘモグロビンの変化だけに影響を受ける緑色の反射光を組み合わせることにより、正常組織は淡い緑色、腫瘍組織はマゼンダ、深部血管は濃い緑色に容易に識別が可能です。 -
通常光による早期胃癌の観察像例 色素散布をした早期胃癌の通常光による観察像例 AFIによる早期胃癌の観察像例 写真提供: 大阪府立成人病センター 消化器内科 上堂文也先生
「AFI」の期待される適用分野と応用例
食道、胃、大腸などの消化管分野では、これまでに多くの論文や学会発表でその応用例が報告されています。期待される適用分野 | 期待されている応用例 |
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食道 | 早期食道がん、バレット食道における前がん病変の発見 |
胃 | 胃がん副病変※11の発見、病変の拡がり診断 |
大腸 | 大腸腫瘍性病変の拾い上げ |
※11 | 胃がんの10%程度に周囲にも同時性多発癌が存在するといわれている。 |
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「EVIS LUCERA上部消化管汎用ビデオスコープ OLYMPUS GIF TYPE FQ260Z」の主な仕様
光学系 | 視野角 | 通常光観察時:WIDE140°/TELE60°(直視)
AFI観察時:140°(直視) |
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観察深度 | 通常光観察時:WIDE7~100mm/TELE2~3.5mm
AFI観察時:5~100mm |
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照明方式 | ライトガイド方式 | |
先端部 | 外径 | 11.0mm |
湾曲部 | 湾曲角 | UP:210°/DOWN:90°/RIGHT:100°/LEFT:100° |
軟性部 | 外径 | 10.5mm |
有効長 | 1030mm | |
全長 | 1345mm | |
鉗子 | チャンネル内径 | 2.8mm |
最小可視距離 | 通常光観察時:3mm、AFI観察時:4mm |
「EVIS LUCERA大腸ビデオスコープ OLYMPUS CF TYPE FH260AZシリーズ」の主な仕様
光学系 | 視野角 | 通常光観察時:WIDE140°/TELE80°(直視)
AFI観察時:140°(直視) |
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観察深度 | 通常光観察時:WIDE7~100mm/TELE2~3mm
AFI観察時:5~100mm |
|
照明方式 | ライトガイド方式 | |
先端部 | 外径 | 14.8mm |
湾曲部 | 湾曲角 | UP:180°/DOWN:180°/RIGHT:160°/LEFT:160° |
軟性部 | 外径 | 13.2mm |
有効長 | L:1680mm、I:1330mm | |
全長 | L:2010mm、I:1660mm | |
鉗子 | チャンネル内径 | 3.2mm |
最小可視距離 | 通常光観察時:5mm、AFI観察時:7mm |
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