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2007年1月29日

オリンパス(株)未来創造研究所と中央大学
「インスパイア型ユビキタスサービス」実用化に向けて研究を加速

~TPO情報に加え、個人の嗜好・心身の状態を連動させた「気付き情報」を
タイムリーに提供するシステムを開発~

オリンパス株式会社(社長:菊川 剛、以下オリンパス)は、中央大学理工学部経営システム工学科 加藤 俊一教授(東京都文京区、以下中央大学)と協業し、オリンパスが提唱するインスパイア型ユビキタスサービスのモバイル基盤システム「IUS- M (プロトタイプ)」を開発しました。
利用者が身につけたセンサを利用してTPO(時間・場所・機会)や心身の状態を推定し、多様な生活情報を個々人の興味・嗜好も加味して、利用者のモチベーション高揚につながるよう、タイムリーに提供することを目指したシステムで、当社が主査して研究・開発してきたウェアラブルセンサや小型HMD※※(ハードウェア)に、中央大学が得意とする感性工学エンジン(ソフトウェア)を統合して開発しました。
昨年10月に東京・お台場で、当社と中央大学は、本システムを利用して、利用者の好みに応じた店舗情報やイベント情報を場所や時間と連動してタイムリーにHMDへ自動提示することで、休日の散策をより充実したものにするサービスの実証実験を行いました。この結果は日本感性工学会(3月16~17日、於筑波大学)にて発表する予定です。
今後はこの開発を契機として関連するシステムの早期構築を目指し、5年後の2012年を目処に実用化を目指します。

インスパイア型ユビキタスサービス:
個人に気付きを与える(インスパイア)など、内面に働きかけることにより、自己の成長を促す新しいコンセプトのユビキタスシステムを活用したサービス。
※※ HMD(Head Mounted Display):
ゴーグルやヘルメットのような形状をした表示装置。当社のHMDは眼鏡に装着できるウェアラブルディスプレイ「モバイルEye-Trek〔アイトレック〕」。
インスパイア型ユビキタスサービスのモバイル基盤システム「IUS-M」(プロトタイプ)のフローと担当

インスパイア型ユビキタスサービスのモバイル基盤システム「IUS-M」(プロトタイプ)のフローと担当

開発の経緯

近年、いつでもどこでも、情報が欲しい時にすぐ、外部から個人に回答するような利便性提供型ユビキタスシステムが開発され、一部サービスが始まっています。
当社の未来創造研究所は2005年4月に東京大学大学院新領域創成科学研究科環境学専攻・保坂 寛教授とインスパイア型ユビキタスサービスの研究を開始。その第一弾として、昨年10月にいくつかのウェアラブルセンサが捉えた情報に基づいて個人の生活行動を推定し、TPOに合わせて適切な情報をウェアラブルディスプレイ「モバイルEye-Trek」に表示する実験システムを共同開発しました。
今回は、この実験システムを発展させるべく、さらに研究ネットワークを広げて中央大学と協業し、行動の様子から嗜好や心身の状態を推定する技術やコンテンツ生成技術の研究を進め、その成果を応用して、心身の状態を連動させた「気付き情報」をTPOに合わせてタイムリーに提供するシステムを開発しました。

オリンパス・未来創造研究所の概要

未来創造研究所は、2003年4月に設立され、オリンパスの経営理念「Social IN(ソーシャルイン)」に基づいて、未来を想像し「未来価値」を創出することを目的としています。
既存の研究開発センターが3~5年先の「将来」の事象を研究しているのに対し、未来創造研究所は5~10年先、あるいはその先の「未来」の事象を研究し、未来事業に向けたコアコンピタンスの探求をミッションにしています。未来創造研究所では、従来のように未来技術を予測して研究開発を進めるのではなく、未来創生という視点から人々の生活価値の創造・実現を目指しています。

中央大学理工学部経営システム工学科・加藤研究室の概要

中央大学理工学部経営システム工学科・加藤研究室(ヒューマンメディア研究室)では、「人にやさしい情報環境」の実現を目指した先進的な研究開発を積極的に進めています。
(1)若者や高齢者、男性や女性、日本人や外国人など、一人一人の人間の多様な感性を計測して、コンピュータや機器が人間の感性を理解し、気心が通じるようにする技術(感性メディア技術)。
(2)専門家や素人、大人や子供など、一人一人の知識の違いをコンピュータや機器が理解し、一人一人に適した内容の情報を選び出す技術(知識メディア技術)
(3)コンピュータや情報機器の難しい操作を覚えなくても、直感的にこれらを使いこなせるようにするための技術(インタラクションメディア技術)
 これらの技術を、インターネット・モバイル・ユビキタスの複合的な情報通信基盤の上に展開し、誰もが、いつでも、どこでも、日々の自然な振る舞いを通して、情報環境から適切なサービスが受けられるような情報環境の実現を目指しています。

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