2007年8月6日
輸血関連記録の一元管理で輸血リスクマネジメントと病院経営の効率化に貢献する
「OLCOS(オルコス)輸血システムII」新発売
~厚生労働省の輸血療法に関する改定指針に対応~
オリンパス株式会社(社長:菊川 剛)は、患者さんの血液型や感染症の有無を調べる輸血検査の結果や輸血歴、また輸血製剤の在庫や保存検体を一元管理でき、さらに輸血関係記録の集計・統計までを行う輸血管理システム「OLCOS輸血システムII」を2007年8月8日に国内で発売いたします。本システムの導入により、輸血前後の感染症検査結果や保存検体を、2005年9月に改定された厚生労働省の「輸血療法の実施に関する指針」及び「血液製剤の使用指針」に沿って適切に管理でき、また2006年度診療報酬改定により新設された「輸血管理料」の取得作業が効率化されます。オリンパスは、本システムの販売により輸血リスクマネジメントと病院経営の効率化に貢献してまいります。
発売の概要
製品(システム)名 | 発売日 |
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「OLCOS輸血システムII」 | 2007年8月8日 |
主な特長の概要
- 輸血前後の感染症検査結果や血液製剤・保存検体の一元管理を実現し、改定された厚生労働省の指針に対応
- 血漿分画製剤*の管理機能の搭載や各種統計機能の充実により、新診療報酬の「輸血管理料」の取得を支援
- 電子カルテ、検査や投薬などのオーダリングシステムとの接続も柔軟に対応
※ | 血液製剤は全血製剤、成分血液製剤、血漿分画製剤に大別されます。血漿分画製剤は、血漿に含まれるさまざまなタンパク質を成分ごとに分画・精製した「タンパク質」製剤のことです。 |
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「OLCOS輸血システムII」操作画面
導入の背景
2005年9月に厚生労働省が「輸血療法の実施に関する指針」及び「血液製剤の使用指針」を改定し、輸血前後の患者さんの感染症検査結果と血液検体の保管が義務づけられました。これは輸血を受けた患者さんが後に感染症にかかった場合、それが輸血による副作用かどうかを輸血前後の感染症検査の比較によって究明できるようにし、また輸血用血液製剤による感染と疑われた場合には、その製剤献血者の過去の献血歴にまでさかのぼって調査することによって、感染症の拡大防止、感染者の早期救済に役立てることを目的としています。本改定により、輸血療法を行う医療機関では、輸血検査結果や製剤・検体の管理を新指針に沿って適切に行うことが求められるようになりました。一方、輸血療法の診療報酬は、これまで血液製剤の種類ごとに「薬価」として定められた金額を輸血投与量に応じて支払われていたため、それに伴う患者情報や輸血歴情報の管理、製剤管理などにかかる費用は考慮されていませんでした。しかし本改定後の流れを受け、2006年度の診療報酬改定の中で「輸血管理料」が新設され、一定基準を満たす医療機関は輸血にかかわる管理費用を診療報酬として請求できるようになりました。「OLCOS輸血システムII」は改定された厚生労働省の指針にも新たに対応し、輸血関連記録の一元管理と輸血管理料獲得支援のニーズに応えて開発されました。
主な特長の詳細
- 輸血前後の感染症検査結果や血液製剤・保存検体の一元管理を実現し、改定された厚生労働省の指針に対応
「OLCOS輸血システムII」では、これまで患者さんごとにしか記録できなかった感染症の検査結果を、輸血ごとに確認できる機能を搭載しています。これにより、厚生労働省の「輸血療法の実施に関する指針」改定に沿った形で輸血前後の感染症検査結果を管理することが可能です。また、新指針により一定期間の保管が義務づけられた患者さんの輸血前後の血液検体は、本システムにより、患者、輸血依頼、使用製剤のいずれからも検索可能です。また、フリーザー番号や検体ボックス番号など検体保管場所情報の登録も可能となったことにより、保存検体の効率的な管理を実現しています。 - 血漿分画製剤の管理機能の搭載や各種統計機能の充実により、新診療報酬の「輸血管理料」の取得を支援
「輸血管理料」としての診療報酬請求には、輸血にかかわる副作用の監視体制を構築し、また限られた資源である輸血製剤の有効利用のためにこれまで管理義務の無かった血漿分画製剤まで血液製剤と共に一元管理することが条件となりました。「OLCOS輸血システムII」では赤血球、血漿、血小板などの血液成分製剤以外の血漿分画製剤までを管理できます。また、輸血量や検査数の集計、廃棄血の集計などのほか、各種統計処理も可能な上、輸血管理料取得基準についての使用状況を簡単な手順で出力する統計機能も搭載しており、さまざまな輸血管理料獲得支援機能により病院経営の効率化が図れます。 - 電子カルテ、検査や投薬などのオーダリングシステムとの接続も柔軟に対応
「OLCOS輸血システムII」は、電子カルテシステムなどと柔軟に接続して通信を行うことができ、輸血依頼・実施情報の受信、血液製剤の出庫情報の送信が可能です。輸血依頼・実施情報は手入力せずに自動的に電子カルテシステムから輸血システムに登録され、また血液製剤出庫情報を輸血システムから送信することにより、電子カルテシステムへの記載、照合システムとの連動などが可能になります。
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