2007年9月25日
細胞スクリーニングのニーズに対応した
細胞イメージ解析システム「CELAVIEW(セラビュー)RS100」新発売
創薬・疾病研究など幅広い細胞機能解析に貢献
オリンパス株式会社(社長:菊川 剛)は、細胞画像を元に蛍光定量解析や形態解析などによるスクリーニングができる細胞イメージ解析システム「CELAVIEW(セラビュー) RS100」の特別注文販売を2007年11月1日から国内で開始します。「CELAVIEW RS100」は、創薬や疾病研究などの基礎及び臨床研究向けに、幅広い細胞機能研究に対応可能な、高度に自動化されたハードウェアと高機能かつ汎用性の高い解析ソフトウェアを搭載しています。本製品の導入により、オリンパスは、最先端のライフサイエンス分野で盛んな細胞機能解析の促進に貢献します。
なお、「CELAVIEW RS100」は2007年10月3日(水)~5日(金)にパシフィコ横浜で開催される「第66回日本癌学会学術総会」(会長:鶴尾 隆 財団法人癌研究会 癌化学療法センター)、および同年12月11日(火)~15(土)にパシフィコ横浜で開催される「第30回日本分子生物学会年会・第80回日本生化学会大会 合同大会」(年会長:山本 雅 東京大学医科学研究所、会頭:清水 孝雄 東京大学大学院医学系研究科)に展示いたします。
発売の概要
製品名 | 受注開始日 |
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細胞イメージ解析システム
「CELAVIEW RS100」 |
2007年11月1日 |
主な特長の概要
- 細胞画像から得られるさまざまな情報を解析し、多彩なアプリケーションに応用可能
- サンプルをセットするだけで、全自動で多重染色蛍光画像、透過光画像を取得可能
- フィードバック制御された新開発のLED光源により、蛍光定量解析の精度が向上
- 幅広い波長のLED光源と高輝度キセノン光源により、さまざまな蛍光検出、細胞へのダメージが少ない透過光画像取得が可能
- 独自の構造により、蛍光フィルタや対物レンズにアクセス可能
開発の背景
ヒト・ドラフトゲノム配列の解読完了以来、生体に対する分子レベルでの理解は急速に深まりました。しかし、生命現象の解明までには未だ多くの謎が残されており、最先端のライフサイエンス研究では、個々の遺伝子やタンパク質などが細胞の中で実際にどう機能するのかを、生命機能全体の“システム”として大きく捉えることが重要とされています。つまり、生命の基盤とされるゲノム配列情報と、これまでに得られた膨大な生命科学の知見をデータベースとして、それを分子間、さらに細胞間の相互作用という観点から生命システムを再構築することが当面の課題です。こうした大きな潮流の中では、個々の生体分子の機能解析だけでなく、その有機的集合である細胞、そして、大量の細胞を解析した結果示される統計的なデータから、生命現象の新たな知見を見出す細胞スクリーニングという解析アプローチが盛んに行われています。そこで、例えば薬剤候補物質の効果や毒性を生きた細胞の中で定性的あるいは定量的に確認するなど、最近の創薬研究などでは画像解析をベースとした細胞スクリーニングのニーズが高まっています。本製品「CELAVIEW RS100」は、こうしたニーズに応えて開発され、当社の伝統的な光学技術によるイメージング技術と、独自に開発したソフトウェア、画像解析アルゴリズムとを組み合わせた細胞イメージ解析システムです。画像から目的の物質の形状、蛍光強度などの変化を定量化することができ、かつ多様化する解析対象に幅広く対応する汎用性の高さを実現しています。
オリンパスは、これまでに生細胞を三次元で観察することが可能な共焦点レーザ走査型顕微鏡「FV1000」や、小動物の胃や心臓などを生きたまま観察することができるin vivoレーザ走査型顕微鏡「IV100」、動物全体のマクロ観察から細胞レベルの極小部位の観察まで行える生体観察システム「OV110」、発光細胞イメージングによる遺伝子発現解析が可能な発光イメージングシステム「LUMINOVIEW (LV200)」などを開発してまいりました。今回、細胞イメージ解析システム「CELAVIEW RS100」を、当社の分子から細胞、個体までのイメージング装置のラインアップに加えることにより、細胞レベルからの生命現象の解明にさらに貢献していきます。
主な特長の詳細
1.細胞画像から得られるさまざまな情報を解析し、多彩なアプリケーションに応用可能全自動で取得した蛍光顕微鏡画像から、「蛍光輝度情報」や「細胞形態情報」などを解析して数値化することにより、統計的なデータが得られます。これにより、フローサイトメータではできなかった細胞内の局在解析や形態解析を行うことが可能となり、多彩なアプリケーションに応用可能です。また、抽出した複数のパラメータの相関を解析するなど、これまでにできなかった多様な解析にも適応できます。
アプリケーション例: | ・分子トランスロケーション解析
・細胞形態解析(神経細胞解析等) ・蛍光定量解析 ・細胞数自動カウント ・アポトーシス 他 |
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マイクロプレート上をスキャンして全自動で蛍光画像、透過光画像を取得できます。アダプタの装着によりスライドガラスサンプルにも対応しています。蛍光画像は最大3枚まで重ねて表示できるため、3重染色画像も簡単に取得できます。透過照明はコントラストの良い透過光画像を取得するための偏射照明機能を備えています。また、蛍光画像と透過光画像を重ねて表示することも可能です。
3.フィードバック制御された新開発のLED光源により、蛍光定量解析の精度が向上通常の光源は時間と共に光量が減少するため、細胞の蛍光測光に影響が出てしまうという問題点がありました。そこで、光量を一定に保つためにフィードバック制御されたLED光源を新たに開発し、蛍光定量解析の精度を大幅に向上させました。
4.幅広い波長のLED光源と高輝度キセノン光源により、さまざまな蛍光検出、細胞へのダメージが少ない透過光画像取得が可能蛍光画像取得用LED光源はUV(波長365nm)、ブルー(波長470nm)、グリーン(波長530nm)、レッド(波長627nm)の波長特性をもつ4種類のLEDからなっており、さらに高輝度キセノン光源も組み合わせ可能ですので、さまざまな蛍光タンパク標識サンプルにも対応できます。 また、細胞への負荷がかかる透過光画像用の照明光源としては、ダメージが少ない近赤外LED(波長680nm)を採用しているため、細胞状態のチェックを行うために透過光照明でイメージングを行っても、蛍光の退色や細胞へのダメージを最小限に抑えることができます。
5.独自の構造により、蛍光フィルタや対物レンズにアクセス可能暗室不要の一体型システムでありながら、蛍光フィルタの交換が可能なため、ユーザーのニーズに応じたさまざまなアプリケーションに対応できます。また、対物レンズの補正環をユーザー自身で操作することができるので、常に最良の画像を取得できます。さらに将来のCCDカメラの進化に備えて、着脱可能な構造となっています。
主な仕様
使用可能プレート | 6、12、24、48、96、384ウェルプレート | |
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観察モード | 落射蛍光モード | 波長域:350~700nm |
光源:LED光源ボックス、キセノン光源ボックスを選択、又は同時接続可能 | ||
標準励起フィルタ:4種類(UV、B、G、R) | ||
(キセノン又はキセノン水銀光源を使用の場合はオプションフィルタ使用可能、 最大6フィルタまで装着可能) | ||
透過光モード | 波長680nm(LED)偏射照明可能 | |
CCDカメラ | 冷却CCD 12ビット | |
対物レンズ | 標準 | 10×、20× |
オプション | 4×、40× | |
オートフォーカス | 高速レーザオートフォーカス | |
本体 | 寸法 | 540(W)×440(D)×654(H)mm |
質量 | 56kg | |
電源 | 100V:800VA(キセノン光源使用時) |
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