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2008年9月30日

早期大腸がんにも適用可能な内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)用処置具
「デュアルナイフ」「フックナイフ」「コアグラスパー」の3種を発売
内視鏡治療の効率化に貢献する大腸ビデオスコープも同時発売

オリンパスメディカルシステムズ株式会社(社長:森嶌 治人)は、患者さんに負担の少ない早期大腸がんにも適用可能な内視鏡的粘膜下層剥離術(以下、「ESD」)※1用処置具として、組織の切開・剥離を目的とした「デュアルナイフ」※2と「フックナイフ」※3、およびピンポイントの止血を目的とした「コアグラスパー」※4を2008年10月中旬より順次国内で販売を開始し、欧州、韓国・台湾でも各国の法規制対応後に販売を予定しています。 また、内視鏡治療をより効率的に行うために、先端外径10.5mmの細径ながら処置性能を高めた大腸ビデオスコープ「EVIS LUCERA大腸ビデオスコープ OLYMPUS PCF TYPE Q260Jシリーズ」も国内で発売します。

※1 「ESD」はEndoscopic Submucosal Dissectionの略。食道・胃・大腸の粘膜層にとどまる早期がんなどの治療のために、粘膜下層を切開・剥離する手技のこと。
※2、※3、※4は各商品の愛称。販売名は、以下「発売の概要(国内)」を参照。

これら新製品は、10月1日~4日までグランドプリンスホテル新高輪ほかで開催される「第76回日本消化器内視鏡学会総会(学会長:京都第二赤十字病院 中島 正継 院長)」に出展されます。

発売の概要(国内)

販売名 発売時期
「ディスポーザブル高周波ナイフKD-650」
<KD-650L/Q>(愛称:デュアルナイフ)
2008年
11月上旬
「ディスポーザブル高周波ナイフKD」
<KD-620QR>(愛称:フックナイフ)
2008年
10月14日
「ディスポーザブル高周波止血鉗子」
<FD-411QR>(愛称:コアグラスパー)
「EVIS LUCERA大腸ビデオスコープ
OLYMPUS PCF TYPE Q260Jシリーズ」
2008年
11月上旬

「デュアルナイフ」の主な特長

  1. 簡単な手元操作で2段階にナイフ長の調整が可能。
  2. ナイフ先端に突起を設け、切開の操作性を向上。
  3. シースの細径化により、内視鏡の鉗子挿通用管路への挿入時も粘液の吸引性が高く、手技の効率化に貢献。

「ディスポーザブル高周波ナイフKD-650」<KD-650L/Q>(愛称:デュアルナイフ)
「ディスポーザブル高周波ナイフKD-650」<KD-650L/Q>(愛称:デュアルナイフ)

「フックナイフ」の主な特長

  1. 先端L字型フックに粘膜を引っ掛けて切開することで、深部方向への侵襲を抑えながら切開・剥離操作が可能。
  2. 先端フックの回転機能により、狙った切開方向にフックを向けることが可能。

「ディスポーザブル高周波ナイフKD」<KD-620QR>(愛称:フックナイフ)
「ディスポーザブル高周波ナイフKD」<KD-620QR>(愛称:フックナイフ)

「コアグラスパー」の主な特長

  1. 把持部表面の滑り止め構造により、効率的なピンポイント止血が可能。
  2. 深部への侵襲を考慮し、把持部を小型化。
  3. 把持部回転機能により、出血点に対してアプローチ性が向上。

「ディスポーザブル高周波止血鉗子」<FD-411QR>(愛称:コアグラスパー)
「ディスポーザブル高周波止血鉗子」<FD-411QR>(愛称:コアグラスパー)

「PCF TYPE Q260Jシリーズ」の主な特長

  1. 先端外径10.5mmの細径ながら内径3.2mmの鉗子挿通用管路を有し、幅広い処置に対応可能。
  2. ウォータージェット(前方送水機能)搭載により、出血部位や残渣除去の簡便性が向上。
  3. 先端湾曲を上下方向190°に向上、また先端硬質部長の短縮化により、小回りを効かせた操作が可能。

「EVIS LUCERA大腸ビデオスコープ OLYMPUS PCF TYPE Q260Jシリーズ」
「EVIS LUCERA大腸ビデオスコープ OLYMPUS PCF TYPE Q260Jシリーズ」

市場導入の背景

内視鏡は観察と同時に処置、治療も行える医療機器です。診断技術の向上とともに様々な処置具の開発により、内視鏡治療手技が普及・発展しています。

1980年代に内視鏡的粘膜切除術(EMR)が登場し、内視鏡による早期がんの治療が盛んに行われ、患者さんに負担の少ない手技として現在も普及しています。一方で、内視鏡的粘膜切除術(EMR)は使用する処置具の制約上、2cm以下の粘膜層にとどまる早期がん組織の切除が対象※5です。これに対して、2cmを超える早期胃がんを治療できないか、という医学的ニーズにより2000年頃から、より広範囲の早期胃がんを一括切除する「ESD」が行われるようになり、当社が2002年に「ESD」専用処置具「IT knife(アイティーナイフ)」※6を商品化することで市場が拡大しました。

また、2006年4月に「早期悪性腫瘍粘膜下層剥離術」(胃ESD)が、2008年4月には「早期悪性腫瘍粘膜下層剥離術」(食道ESD)が診療報酬の手技料として保険点数化され、今後の更なる手技普及が期待されています。

※5 日本胃癌学会「胃癌治療ガイドライン2004年度版」による。
※6 販売名:「ディスポーザブル高周波ナイフ KD-610L」

主な仕様

1.ESD用処置具

モデル名 KD-650L KD-650Q KD-620QR FD-411QR
適用チャンネル径 2.8mm以上 2.8mm以上 2.8mm以上 3.2mm以上
有効長 1,650mm 1,950mm 1,950mm 1,950mm
切開ナイフ長 2.0mm(突出時)
0.3mm(格納時)
1.5mm(突出時)
0.3mm(格納時)
4.5mm
フック部長 1.3mm
鉗子最大開き幅 4mm
滅菌済みディスポーザブル
ハンドル一体型

2.「EVIS LUCERA大腸ビデオスコープ OLYMPUS PCF TYPE Q260Jシリーズ」

光学系 視野角 140°(直視)
観察深度 5~100mm
照明方式 ライトガイド方式
先端部 外径 10.5mm
湾曲部 湾曲角 UP190°/DOWN190°/RIGHT160°/LEFT160°
軟性部 外径 10.5mm
有効長 L:1680mm/I:1330mm
全長 L:2005mm/I:1655mm
鉗子 チャンネル内径 3.2mm
最小可視距離 4mm
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