2009年4月8日
レンズ生産ラインにおける品質検査の数値化が可能
小型レーザ干渉計システム「KIF-20-DW」新発売
干渉縞数値化ソフト「KIF-FIA」を搭載したパソコンを標準装備
オリンパス株式会社(社長:菊川 剛)は、デジタルカメラ等に搭載される高精度レンズなど光学部品の品質検査の“数値化”を可能にする小型レーザ干渉計システム「KIF-20-DW」を、2009年6月1日から日本とアジア地域で発売します。
レーザ干渉計による光学部品の品質検査は、参照レンズ(品質の基準となる高精度なレンズ)と検査対象の光学部品にレーザを当てることで発生する干渉縞により行います(以下の参考資料を参照)。新製品の「KIF-20-DW」は、デジタル一眼レフカメラ用のレンズなど高精度な光学部品の品質検査が目視検査から数値評価に移行しつつあることを受けて開発した新システムで、干渉縞数値化ソフト「KIF-FIA」を搭載したパソコンを標準装備することにより“数値”による品質検査を実現しました。また、参照レンズを本体に取り付けるためのマウント機構を新たに開発することにより、操作を簡易化し、耐久性を向上させています。
発売の概要
製品名 | 発売日(国内) |
---|---|
小型レーザ干渉計システム
「KIF-20-DW」 |
2009年6月1日 |
主な特長の概要
- 干渉縞数値化ソフト「KIF-FIA」を搭載したパソコンを標準装備
- 新マウント機構を採用した参照レンズ
- 干渉計本体への防塵、防振対策により耐環境性能を向上
市場導入の背景
デジタル一眼レフカメラなどに搭載される高精度レンズの精度検査を行う方法は、これまでの目視検査から数値評価に移行しつつあり、大手光学メーカーを中心としたレンズの生産(研磨)現場では数値化ニーズが高まっています。
これを受けオリンパスでは、レンズの面形状精度検査のできるレーザ干渉計に、収差数値評価・管理をするための干渉縞数値化ソフト「KIF-FIA」を搭載したパソコンを標準装備した小型レーザ干渉計システム「KIF-20-DW」を導入します。
当社は、1994年から小型レーザ干渉計の販売を開始し、生産現場向けの小型機から品質部門向けの多機能・高精度機までラインアップを拡充してきました。今後は、数値化・自動化・多様化ニーズに対応したレーザ干渉計KIFシリーズの更なる充実を図っていきます。
主な特長の詳細
1.レンズ面形状を数値評価・管理するための干渉縞数値化ソフト「KIF-FIA」を標準装備
「KIF-20-DW」には、干渉縞数値化ソフト「KIF-FIA」を搭載したパソコンを標準装備することで、従来の目視による干渉縞観察に加え、干渉縞から収差を数値化して表示することを可能にしました。規格設定値入力による測定結果合否判定機能に加え、数値データや画面データのパソコンへの保存、印刷が可能なため、製造工程内での迅速かつ簡易的な品質管理に便利です。
2.新マウント機構を採用した参照レンズ
オリンパスの光学技術を駆使した面精度λ/20の高精度な参照レンズに、アリミゾ式の新マウント機構を採用しました。アリミゾ式のマウントは従来のネジ式マウントに比べ、本体への着脱が簡単で、落下による破損を防ぐことも可能としました。
3.干渉計本体への防塵、防振対策により耐環境性能を向上
レンズの研磨には、生産現場に必ず発生してしまうホコリや振動が大敵です。そこで、「KIF-20-DW」には、防塵対策と防振対策を施すことで、高い耐環境性能を実現しました。また、消耗部品の耐久性向上を考慮した設計も行い、研磨現場での安定した測定を可能にしました。
参考資料:レーザ干渉計の仕組み
レーザ干渉計とは、レーザを参照レンズ(左図1)と検査対象の光学部品(左図2)に当て、反射または透過させた光の波形を干渉させることで現れる干渉縞(左図3)で対象物の面形状精度を測るシステムです。 |
主な仕様
測定方法 | フィゾー型干渉計 | |
---|---|---|
口径 | φ60(オプション使用時φ6~φ60)mm | |
参照レンズ面精度 | λ/20(球面及び平面) | |
光源 | He-Neレーザ(632.8nm)レーザクラス2 | |
映像出力 | USB2.0デジタル出力 | |
フォーカス | 有り | |
アライメント | 有り(スポット光合致法) | |
倍率 | デジタルズーム(1~3倍) | |
本体外形寸法 | 干渉計 | 370(W)×240(D)×845(H)mm (PCを除く) |
光源ユニット | 195(W)×365(D)×98(H)mm (突起物含まず) | |
本体重量 | 干渉計 | 約20Kg (PCを除く) |
光源ユニット | 約5.0Kg (光源ケーブルユニット含む) | |
電源電圧 | AC100-120V / AC200-240V、50-60Hz | |
ワークディスタンス | 最大300mm(参照レンズ、被検物により異なります) | |
干渉縞観察 | パソコンをモニタとして使用 | |
位相算出方式 | 干渉縞の形状(縞2値化方式) | |
干渉縞数値化ソフトの
主な機能 |
・干渉縞全画面表示
・干渉縞目視確認チャート表示機能 ・アライメント画像表示 ・P-V、RMS、Pwr、AS、Coma、Sa3の表示機能 (±の判別および角度の判別不可) ・規格値設定及び合否判定機能 ・マスク設定機能 ・シングル測定、連続測定機能 |
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干渉縞測定時の再現性 | PV値0.1λ以下 ※弊社測定条件による。 | |
オプション | ・測長ユニット
・アリアダプタ(ネジマウント参照レンズ用) ・干渉縞解析装置(KIF-FU60/KIF-FSA) ・参照レンズ(RF60、F0.6、F0.7、F1.0、F1.5、F2.0、F3.0、F4.0、F6.0、 C150、C300、C490、V520、V670、V750、AF60、APC60-15) *一部の参照レンズはアリアダプタでの使用となります。 |
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