2010年5月12日
胃の内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)の簡易化を目指した、新発想の内視鏡用処置具
ディスポーザブル把持鉗子LA「EndoLifter TM」※1 発売
~早期の胃がんにも適用可能な高度な手技をサポート~
オリンパスメディカルシステムズ株式会社(社長:森嶌 治人)は、早期の胃がんにも適用可能な胃の内視鏡的粘膜下層剥離術(以下、「ESD」)※2の簡易化を目指して開発した内視鏡用処置具「EndoLifter TM」を、2010年5月下旬より国内で販売を開始します。また、北米、欧州、アジアでも各国の法規制対応後に販売を予定しています。
「EndoLifter TM」は、ESDにより病変を切除する際に内視鏡の管の先端から出すナイフ類と併せて使用するもので、切除する病変の周囲を掴んで、切除しやすくするための処置具です。例えると紙を切るときの紙を押さえる手のようなもので、ナイフだけで切ることに比べ、よりスムーズな切除をサポートします。高度な内視鏡操作技術が必要とされるESDでは "より簡便な病変切除"が課題とされていますが、本製品は、その解決策のひとつとして当社が導入する新しい発想の製品です。
※1 | 「EndoLifter TM」は、販売名:「ディスポーザブル把持鉗子LA」の愛称です。 |
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※2 | 「ESD」はEndoscopic Submucosal Dissectionの略。食道・胃・大腸の粘膜層にとどまる早期がんなどの治療のために、粘膜下層を切開・剥離する手技のこと。 |
なお、本製品は、5月13日~15日までグランドプリンスホテル新高輪ほかで開催される 「第79回日本消化器内視鏡学会総会(会長:東京慈恵会医科大学 消化器・肝臓内科/内視鏡科 教授 田尻 久雄 院長)」に出展されます。
発売の概要(国内)
販売名 | 発売時期 |
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ディスポーザブル把持鉗子LA | 2010年5月下旬 |
市場導入の背景
粘膜層にとどまる早期がんの内2cmを超えるがん組織でも切除可能な内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)は、2000年頃に登場し、2006年4月に「胃」のESDが診療報酬の手技料として保険点数化されてから国内で約25,000症例が実施され※3、開腹することなく行える患者さんに負担の少ない治療法として急速に普及が進んでいます。一方でESDはその適応範囲の広がりから困難な症例に直面することも増え、且つ高度な内視鏡操作技術が必要とされることから、簡便化の要望が高まっていました。
当社は2002年に世界初のESD専用処置具である「IT knife(アイティーナイフ)」※4を商品化して以来、内視鏡総合メーカーとしてESDの普及に貢献してきました。今回はESDの簡便化の課題を解決する策のひとつとして、本製品の開発に取り組みました。
なおESDは2006年4月に「胃」のESDが診療報酬の手技料として保険点数化されたのを初めに対象の臓器が拡がり、2008年4月に「食道」のESDが保険点数化され、今後の更なる手技普及が期待されています。
※3 | 自社調べ |
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※4 | 販売名:「ディスポーザブル高周波ナイフ KD-610L」 |
主な特長
- 内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)の簡易化に貢献
胃の内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)施術時に、本製品で粘膜を持ち上げることにより、内視鏡の操作性が向上し、剥離時に粘膜の下に内視鏡を潜り込ませ切除を行う操作をサポートします。 - 内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)の手技時間短縮化に貢献
本製品で粘膜を持ち上げることにより、病変を切除しやすくするために行う局注(病変を膨らますこと)の回数削減と手技時間の短縮化が期待出来ます。 - 内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)のリスク軽減に貢献
本製品で粘膜を持ち上げることにより内視鏡による広い視野が確保できるため、血管が視認しやすくなり、予防止血や出血時の対応が容易になることが期待できます。高度な内視鏡操作技術が必要とされる内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)のリスク軽減に貢献します。
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