2010年9月15日
国連開発計画は反貧困のヒーローを称える
インド、パキスタン、ベトナム出身の写真家が最優秀作品賞を受賞
国連開発計画(UNDP)、オリンパス株式会社ならびにAFP財団によって開催された反貧困をテーマとした世界写真コンテストの結果が9月14日ニューヨークで発表されました。今年で第2回目となる「世界を写そう:私たちは貧困を終わらせる(Picture This: We Can End Poverty)」写真コンテストは、2010年上半期に開催したもので、途上国および先進国の双方で、自分たちのコミュニティのミレニアム開発目標(MDGs)達成に貢献している普通の人々の姿を紹介することを目的としています。
※ | 写真コンテスト、受賞者に関するさらに詳しい情報は以下のウエブサイト(英語)をご覧ください。
http://www.undp.org/picturethis/(コンテスト詳細など) http://www.undp.org/picturethis2010/(受賞作品) |
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【優秀作品】
プロ部門の最優秀賞は、インドの写真ジャーナリストPrakash Hatvalne氏(インドで通学中の少年の姿:写真左)、アマチュア部門はベトナムのビデオ撮影家のVinh Nghia氏(ベトナムで水揚げしたばかりの水産物を運ぶ漁師の姿:写真右)、一般市民のオンラインの投票による「人々の選択賞」は、パキスタンのAgha Rizwan Ali氏が選ばれました。3人の受賞者はニューヨークの国連本部に招待され、9月15日にヘレン・クラークUNDP総裁より、オリンパスからのデジタルカメラとその周辺機材やUNDPからの表彰状が手渡される予定です。
【プロ部門1位 Prakash Hatvalne インド】 | 【アマチュア部門1位 Tran Vinh Nghia ベトナム】 |
今回の写真コンテストには、プロ・アマチュア両部門あわせて約1,400名の参加者が3,000点以上の写真を応募し、各分野の上位3点が表彰されました。
審査員:UNDP親善大使のアントニオ・バンデラス氏のほかに審査員を務めたのは、ナショナル・ジオグラフィックの写真家で記者のアレクサンドラ アヴァキアン氏, オリンパス ビジョナリー・フォトグラファーのジョン・アイザック氏、国連写真部門チーフのマーク・ガーテン氏、AFPニューヨーク支局長のパオラ・マサーナ氏の4人のプロの写真家です。
【そのほかの受賞者と応募の状況】
プロ、アマチュア両部門の2位および3位の受賞者は、カナダ、ハンガリー、オランダ、スロベニア出身者で、それぞれオリンパスよりデジタルカメラが贈られます。すべての入賞作品は、スポンサー3社のウエブサイトで紹介されると同時に、日本、アメリカを含む世界各国で開催される写真展でも展示される予定です。今回の写真コンテストには上記受賞者の出身国以外に、アフガニスタン、ブラジル、中国、エジプト、ギリシャ、イラク、日本、ケニア、ミャンマー、ニジェール、ノルウェー、ペルー、フィリピン、ルーマニア、スーダン、米国、ウルグアイ、ウズベキスタンなど、多くの途上国と先進国から応募がありました。
【ミレニアム開発目標(MDGs)とは】
MDGsは国際社会で合意された8つの目標の2015年までの達成を目指しています。本写真コンテストは、9月20-22日にニューヨークで開催されるMDGsの進ちょく状況を確認する全世界からの首脳会合(MDGsレビューサミット)を前に、政府や一般の人々に、世界の貧困削減のための努力を倍増するように動機づけることも狙いとしています。
UNDPは、MDGs達成に向けた進ちょくを早めることも含む、MDGに基づく国家開発戦略や政策について、各国政府と協働しています。UNDPはさらにMDGsへの関心を高め、各国レベルでのMDGs達成の進ちょくを測るためにMDGsを提唱しています。
【関係者のコメント】
ヘレン・クラーク国連開発計画(UNDP)総裁は「世界中の人々が極度の貧困を撲滅するために行動していることを示すことにより、私たちはミレニアム開発目標(MDGs)が抽象的な目標ではなく、人々の生活に実際に変化を与えていることを見ることができます。こうした実際の積極的な取り組みを紹介することによって、もっと多くの人々がMDGs達成に貢献しようと動機づけられることを期待しています」と述べました。
アントニオ・バンデラス氏は「困難な環境の中で勉強に励む子どもや大人の姿や、女性の権利を主唱する地域の団体の数々、あるいは人々の健康改善のための強力なキャンペーン活動など、普通の人々が日々の生活において、MDGsの目標達成のために前向きに取り組んでいる人々の姿にはとても元気づけられます。こうした普通の人々の活動がうねりとなって、来週ニューヨークで開催されるMDGsサミットに出席する各国首脳らにも影響を与え、意味ある結果を生むことを望んでいます」と話しました。
菊川剛・オリンパス株式会社社長は「世界の貧困を2015年までに半減を目指すミレニアム開発目標(MDGs)の試みは、非常に挑戦的な取り組みであり、国際社会が約束したものです。グローバルに事業を展開する我々は、経済活動を行うなかで、地球とそこに暮らす人々の生活や自然を守らなければなりません。グローバル化する世界が目指すべき姿を具現化したものがMDGsです。世界各地での前向きで、真剣な取り組みをフォトコンテストでお伝えする機会を提供できたことは、国連グローバル・コンパクト参画企業として光栄です。今後も、MDGs達成に向けての取り組みを積極的に応援します」と話しました。
AFP財団のロバート・ホロウェイ理事長は「AFP財団は、UNDPとオリンパスとともに昨年に引き続き2回目の写真コンテストを共催することができることを大変光栄に思います。多くの応募者が、世界中の人々がMDGs達成のために努力する大切さを示してくれました。AFP財団は、独立した責任あるメディアは、世界の人々が十分な情報に基づいて生活に関する意思決定を行えるよう手助けすることにより、貧困撲滅や人権促進を図れると信じており、そのために私たち自身もMDGs達成のために貢献していきます」と語りました。
【国連開発計画(UNDP) 及びAFP財団の概要】国連開発計画(UNDP) :UNDPは、国連システムのグローバルな開発ネットワークとして、変革への啓蒙や啓発を行い、人々がよりよい生活を築けるよう、各国が知識や経験や資金にアクセスできるよう支援しています。われわれは、166カ国で活動を行い、各国の人々とともに、グローバルな課題や国内の課題に対し、それぞれの国に合った解決策が見出せるよう取り組んでいます。それぞれの国の能力強化にあたっては、UNDPのスタッフの知識や幅広い分野のパートナーシップが役立っています。
AFP財団 :AFP財団は、主に途上国出身の若手の写真家と記者を育成するため、2007年にフランス通信社(AFP)によって設立されました。AFP財団は、『自由で独立した責任あるメディアは、人々が情報を得たうえで生活に関する意思決定を行えるよう支援するものであり、そうすることが開発を推進し、人権を守ることができる』という信念に基づいて活動を行っています。AFP財団は、行動規範に基づいたジャーナリストの専門性の向上および報道の自由を推進しています。AFP財団は、ジャーナリストの職場環境を改善する取り組みや、紛争地域や危険地域に勤務するジャーナリスト、特にフリーランス記者と写真家の保護を支援しています。さらに、報道メディアにおける女性の地位向上に向けた取り組みを支えています。
【MDGs カテゴリーごとの受賞者】
参考:ミレニアム開発目標(MDGs)の8つの目標
ゴール 1. 極度の貧困と飢餓の撲滅
ゴール 2. 普遍的初等教育の達成
ゴール 3. ジェンダーの平等の推進と女性の地位向上
ゴール 4. 乳幼児死亡率の削減
ゴール 5. 妊産婦の健康の改善
ゴール 6. HIV/エイズ、マラリア、その他の疾病の蔓延防止
ゴール 7. 環境の持続可能性の確保
ゴール 8. 開発のためのグローバル・パートナーシップの推進
【アマチュア部門】
ゴール 1:Tran Vinh Nghia, ベトナム.アマチュア部門第1位
ゴール 2:Partha Pratim Saha, インド
ゴール 3:Joydeep Mukherjee, インド
ゴール 4:Oliver Belarga, フィリピン
ゴール 5:Maria Cierna, スロバキア共和国.アマチュア部門3位
ゴール 6:Joydeep Mukherjee, インド
ゴール 7:Rudolf Kozsak, ハンガリー. アマチュア部門2位
ゴール 8:Saikat Mukherjee, インド
名誉賞
ゴール 2:Jared Katz, 米国
ゴール 3:Quoc Nguyen, ベトナム
【プロ部門】
ゴール 1:Victor Diaz Kintanar, フィリピン
ゴール 2:Prakash Hatvalne, インド.プロ部門第1位
ゴール 3:Fatima Elkadi, ノルウエイ
ゴール 4:Piyal Adhikary, インド
ゴール 5:Allan Gichigi,ケニア
ゴール 6:Victor Diaz Kintanar,フィリピン
ゴール 7:Marielle van Uitert, オランダ.プロ部門2位
ゴール 8:Pablo la Rosa, ウルグアイ
名誉賞
ゴール 1:Thanh Hai, ベトナム
ゴール 2:Larry Louie, カナダ:プロ部門3位
ゴール 4:Sai Kham Lynn, ミャンマー
【人々の選択賞】
Agha Rizwan Ali, パキスタン
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