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2010年10月28日

世界初※1、シリコーンオイルを用いた液浸観察を実現

シリコーン浸対物レンズ発売

~ 生きた細胞や組織を表層から深部まで、明るく高解像に長時間観察が可能 ~

シリコーンオイル浸対物レンズ「UPLSAPO30XS」(左)「UPLSAPO60XS」(右)

シリコーンオイル浸対物レンズ「UPLSAPO30XS」(左)「UPLSAPO60XS」(右)

オリンパス株式会社(社長:菊川 剛)は、「UIS2※2対物レンズ」シリーズから生物顕微鏡向けに、世界で初めてシリコーンオイルを用いた液浸観察を実現したライブイメージング用シリコーン浸対物レンズ「UPLSAPO30XS」「UPLSAPO60XS」を、2010年11月1日に発売します。

今回発売するシリコーン浸対物レンズは、シリコーンオイルを用いて液浸観察することに対応した世界初※1の対物レンズです。シリコーンオイルは、生体に近い37°C環境下でも乾燥や固着せず、長時間の観察に適しています。また生体との屈折率の差が小さいため生体の表層から深部まで高解像に観察できます。このためシリコーン浸対物レンズは生体の長時間タイムラプス観察などに威力を発揮します。

発売の概要

製品名 発売日
シリコーン浸対物レンズ「UPLSAPO30XS」 2010年11月1日
シリコーン浸対物レンズ「UPLSAPO60XS」

主な特長

  1. 生きた細胞を表層から深部まで明るく高解像に観察可能
  2. 長時間の安定したタイムラプス観察を実現
  3. クリアで忠実な色再現を実現する「UIS2対物レンズ」シリーズ

市場導入の背景

生命科学・医学の研究分野では細胞や組織を生きたまま観察することに注目が集まっています。特定の刺激に対する反応や変化の過程などを解明するため、生体を深部まで観察するニーズが高まっています。今回発売する対物レンズは、生体観察でこれまでよりも生体の深部まで明るく高解像で長時間観察することを実現し、最先端の研究に貢献します。

主な特長の詳細

1. 生きた細胞を表層から深部まで明るく高解像に観察可能
顕微鏡で特に微小なものを観察する場合には、容器と対物レンズの間に液体を満たして観察する「液浸観察」という方法を用います。使用するシリコーンオイル(ne ≒ 1.40)の屈折率は水(ne ≒ 1.33)よりも生体(ne ≒ 1.38)に近いので、屈折率の違いで起きる球面収差を抑えられます。また、シリコーン浸対物レンズは、水浸対物レンズよりも開口数(NA)を大きく設計することができるため、生体内のより深いところをより明るく高解像に観察できます。

2. 長時間の安定したタイムラプス観察を実現
シリコーンオイルは、常温(23°C)はもちろん生体の温度に近い37°C環境下でも、乾燥や固着することなく、屈折率も変わりません。そのため、長時間安定した生体のタイムラプス観察ができます。

3. クリアで忠実な色再現を実現する「UIS2対物レンズ」シリーズ
「UPLSAPO30XS」「UPLSAPO60XS」は、幅広い波長で高い透過率を有し、可視から近赤外域までの色収差を徹底的に補正した、スーパーアポクロマート対物レンズです。世界最高レベルの蛍光性能を発揮し、明視野、微分干渉観察においてもクリアで色ずれのない観察像が得られます。また、全てのUIS2対物レンズにはエコガラスを採用しています。

その他の特長

  • カバーガラス厚や温度変化に対応する補正環を搭載
  • レーザ走査型顕微鏡のズーム機能により、「UPLSAPO30XS」では低倍から高倍まで連続的な観察が可能

主な仕様

製品名 UPLSAPO30XS UPLSAPO60XS
倍率 30倍 60倍
開口数 1.05 1.30
作動距離 0.8mm 0.3mm
対応カバーガラス厚 0.13~0.19mm 0.15~0.19mm
対応温度 23~37°C
観察方法 蛍光、共焦点レーザ走査型顕微鏡、多光子励起レーザ走査型顕微鏡、明視野、微分干渉
※1 生物顕微鏡用対物レンズにおいて(2010年10月28日現在、当社調べ)
※2 「Universal Infinity System 2」の略。高解像度でシステムの拡張性に優れることが特長の、当社の無限遠補正光学系の総称
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