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2010年12月7日

新会社「オリンパスバイオテック社」の設立、ならびに、
同社による米国ストライカーバイオテック社の
骨形成タンパク質「OP-1(osteogenic protein-1)」の
資産購入について

オリンパス株式会社(社長:菊川剛、以下オリンパス)は、このたび、米国に新会社「オリンパスバイオテック社」(CEO:水野均)を新たに設立しました。また、米国ストライカーバイオテック社が保有する骨形成タンパク質「OP-1(osteogenic protein-1)」注1)に関わる開発・製造・販売のうち骨領域に関わる資産をオリンパスバイオテック社が購入することを、米国ストライカー社と合意しました。

オリンパスは従来より、様々な再生医療の研究開発やビジネスに取り組んでいます。関連する分野として、科研製薬株式会社と欧米におけるbFGF(塩基性線維芽細胞成長因子;basic fibroblast growth factor )注2)の創傷治癒分野での開発、製造、販売に関しライセンス契約を締結し、欧米におけるbFGF製品の商品化を目指しており、また、子会社のオリンパステルモバイオマテリアル社では、生体材料を中心に再生医療ビジネスを展開し、骨補填材「オスフェリオン」や「ボーンセラム」、人工皮膚「テルダーミス真皮欠損用グラフト」などを既に整形外科市場に提供するなどしています。
今回の新会社の設立および「OP-1」の資産購入は、こうした従来からの再生医療ビジネスへの取り組みを、より本格的に、グローバルに展開するものです。

ストライカーバイオテック社は、骨形成タンパク質BMPの一つであり、BMP-7とも呼ばれる骨形成因子「OP-1」を開発し、グローバルに事業を展開しています。米国においては、FDAよりHDE注3)を取得し、長間骨骨折用ならびに腰椎固定用に「OP-1」が使用されています注4)。また、欧州、豪州やカナダでも、販売承認を得て販売を行っています。「OP-1」は、自家骨と同様の「骨誘導能」と「骨伝導能」の機能を備えており、整形外科分野における骨補填材市場を大きく成長させていくと期待されています。

今回、設立するオリンパスバイオテック社では、ストライカーバイオテック社が保有する骨領域の「OP-1」関連の資産を取得し、オリンパスグループが既に所有する生体材料や再生医療関連技術との組み合わせによる最適化を行い、「OP-1」関連製品の販売拡大と適用拡大を目指します。
さらに、欧米におけるbFGFビジネスや、既に生体材料ビジネスを展開するオリンパステルモバイオマテリアル社とのシナジーを追求しながら、更なる整形外科および再生医療の発展に貢献していきます。

注1  OP-1(Osteogenic Protein 1):BMP-7とも言われる骨形成タンパク質(BMP:Bone Morphogenetic Protein)の一つで、骨伝導能と骨誘導能を有する。全世界で4万例を越す症例の実績と20年以上の開発の歴史、これらをサポートする数多くの臨床文献と学術文献がある。骨伝導能とは、骨内に埋入し骨が結合して一体となる機能で、人工骨にも備わっている機能。骨誘導能とは骨がない部位、例えば筋肉内に埋入したとき、骨が形成される機能。生体の骨には備わっているが、人工骨には備わっていない機能。
注2  bFGF(Basic Fibroblast Growth Factor):塩基性線維芽細胞成長因子で、細胞の増殖や分化の調節を行っているタンパク質の一種。皮膚、血管、骨、軟骨といった様々な組織の形成に強く関与している細胞成長因子のひとつであり、再生医療の分野でもっとも期待されるもののひとつ。
注3  HDE(Humanitarian Device Exemption):FDAによる承認の一種で、人道主義的使用のために認可されるもの。
注4  FDA (Food and Drug Administration :アメリカ食品医薬品局)から、「OP-1 Implant」および「OP-1 Putty」のHDE承認を得ている。「OP-1 Implant」は、自家骨移植や代替治療ができない難治性の擬関節を呈する長間骨骨折の患者に使用される。「OP-1 Putty」は、自家骨採取や骨髄採取ができない患者に対して、腰椎後側方固定術の再手術に使用される。
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