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2012年5月11日

内視鏡下でがんを切除する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)において
食道・大腸に最適な形状を追求したディスポーザブル高周波ナイフ

「ITknife nano(アイティーナイフナノ)」を発売

「ディスポーザブル高周波ナイフKD-612」(愛称:ITknife nanoTM)

「ディスポーザブル高周波ナイフKD-612」(愛称:ITknife nano)

オリンパスメディカルシステムズ株式会社(社長:田口 晶弘)は、胃や食道、大腸などの消化管の粘膜層にとどまる2cm以上の早期がんを通電をしながら切除する術式である内視鏡的粘膜下層剥離術(以下、「ESD」※1)において、粘膜層の薄い「食道」や「大腸」などの臓器で、より安全かつ効率的なESDを行うことを目指したディスポーザブル高周波ナイフ 「ITknife nano」※2を2012年6月中旬より国内で販売開始します。

「ITknife nano」は、電極の形状を改良することで、高周波のダメージを受けやすい粘膜層への放電を最小限に抑えました。また、先端部の小型化により、管状の臓器での操作性も向上し、安全で効率的な早期がんの切除に貢献します。

※1 「ESD」はEndoscopic Submucosal Dissectionの略。粘膜層にとどまる早期がんなどの治療のために、粘膜下層を切開・剥離する手技のこと。
※2 本製品の愛称。販売名は以下「発売の概要(国内)」を参照

本製品は5月12日~14日にグランドプリンスホテル新高輪で開催される「第83回日本消化器内視鏡学会総会(会長:福島県立医科大学附属病院内視鏡診療部 小原 勝敏 教授)」に出展されます。

発売の概要(国内)

販売名 発売時期
ディスポーザブル高周波ナイフ KD-612
(愛称:ITknife nano)
2012年6月中旬

主な特長の概要

  1. 先端絶縁チップの小型化により、より効率的な切除に貢献
  2. 先端部裏の電極の形状を改良し、より安全な切除に貢献

市場導入の背景

内視鏡による治療手技は、内視鏡と併せて使用するさまざまな処置具の開発により、診断技術の向上とともに、飛躍的に普及・発展しています。
2000年頃から、それまでは開腹手術が行われていた2cmを超える早期がんに対し、「内視鏡と処置具による治療できないか」という医学的ニーズが増し、より広範囲の早期がんを一括切除する「ESD」が行われるようになりました。
当社はこのニーズに対し2002年に世界初の「ESD」専用処置具「ITknife」を商品化しました。早期の胃がんの治療として普及が始まった「ESD」は2006年に「早期悪性腫瘍粘膜下層剥離術」(胃ESD)として診療報酬の手技料として保険点数化され、食道や大腸にもその適用が広がっていきました。2008年4月には「早期悪性腫瘍粘膜下層剥離術」(食道ESD)、また大腸の「ESD」も2009年の先進医療指定を経て、2012年4月より「早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術」が手技料として保険点数化され、内視鏡治療の対象病変の多くで「ESD」が行われるようになりました。
しかし、胃に比べて粘膜層が薄く、また管状の臓器である食道・大腸におけるESDは、技術的ハードルが高く、手技の標準化が困難でした。これらの臓器における「ESD」の普及に向け、当社は効率性と安全性を追求したデバイスの開発を進め、「ITknife nano」を製品化することになりました。

主な特長の詳細

1. 先端部の小型化により、より効率的な切除に貢献
管状の臓器における操作性を向上させるため、切開ナイフ先端部を小型化しました。これによって、狭い粘膜下層への潜り込みやすさをサポートします。

2. 先端部の電極の形状を改良し、より安全な切除に貢献
粘膜の薄い臓器に最適な形状を追求し、電極の形状を従来の3方向に伸びる放射状のものから円盤状にしました。これにより過度なスパーク(放電)を抑制しながら適切な切開操作をサポートします。

主な仕様

モデル名 KD-612L KD-612Q
適応チャンネル径 2.8mm以上
有効長 1650mm 1950mm
チップ外径 1.7mm
電極径 0.9mm
切開ナイフ長 3.5mm
滅菌済みディスポーザブル
ハンドル一体型
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