2012年7月2日
デッキ構造を採用し、システムの拡張性を追求した倒立型リサーチ顕微鏡
IX3(アイエックススリー)シリーズ 「IX83」「IX73」「IX53」を発売
デジタルコントロールによる快適な操作性と、新開発の対物レンズによる高度な観察を実現
オリンパス株式会社(社長:笹 宏行)は、生きたまま細胞を観察する"ライブセルイメージング"に適した顕微鏡の新製品として、倒立型リサーチ顕微鏡IX3シリーズ「IX83」「IX73」「IX53」と、新開発の対物レンズ5本を発売します。2012年7月2日から日本を含むアジア地域で販売を開始し、順次世界で販売を展開していきます。
対象物を下側から観察することで、生きた細胞から固定標本まで幅広い試料・標本に対応できる倒立型リサーチ顕微鏡は、「観る」という基本性能に加え、生きた細胞を培養しながら一定間隔で推移を検証するタイムラプス観察をはじめ、多様なニーズに応える拡張性を備えています。
今回発売するIX3シリーズ「IX83」「IX73」「IX53」は、前機種IX2シリーズ「IX81」「IX71」「IX51」のフルモデルチェンジをしたシリーズで、システムが自由に組み合わせ可能なデッキ構造を新たに採用し、さらに拡張性を高めました。当社のイメージングソフトウェア「cellSens®(セルセンス)」を活用することで、快適な操作性を実現すると共に、新たに開発した対物レンズとの組み合わせにより、さらに高度な観察を実現しました。
発売の概要
倒立型リサーチ顕微鏡IX3シリーズ
商品名 | 発売日 |
---|---|
倒立型リサーチ顕微鏡「IX83」 | 2012年7月2日 |
倒立型リサーチ顕微鏡「IX73」 | |
倒立型顕微鏡「IX53」 |
主な特長
- デッキ構造の採用により、システムの拡張性を追求
- イメージングソフトウェア「cellSens®」を活用することで、スピーディーで快適な操作性を実現
- 光学性能を追求し、高度な観察が可能な対物レンズ5本を同時発売
市場導入の背景
生命科学・医学の研究分野では、生きた細胞を用いてタンパク質や神経などの役割や機能を解明し、創薬や新しい領域への応用を目指す研究が盛んに行われています。この研究分野では、生きた細胞から固定標本まで、幅広い試料・標本の観察に適した倒立型顕微鏡が活躍しています。
研究目的に応じて顕微鏡を組み換えたり、構築・拡張するには、経験や高度な知識が必要であり、作業の効率化や操作性の向上などが、倒立型顕微鏡システムにしばしば求められてきました。
こうした研究者のニーズに応えるため、当社は容易に拡張ができる本体に加え、長年培ってきたデジタル技術による操作性の向上と、光学技術によるさらなる観察性能の向上を融合した倒立型リサーチ顕微鏡IX3シリーズを新たに市場に導入します。
主な特長の詳細
1. デッキ構造の採用により、システムの拡張性を追求
蛍光観察の追加やカメラの追加など、用途に応じた機能を搭載したユニットを、簡単に挿入できるデッキ構造を本体に採用しました。「IX83」「IX73」はデッキユニットを2台までセットすることが可能で、目的に応じてさまざまなシステムの構築が容易になります。
2. イメージングソフトウェア「cellSens®」を活用することで、スピーディーで快適な操作性を実現
画像の撮影から計測・解析・レポート作成まで一貫して行える当社のイメージングソフトウェア「cellSens®」で顕微鏡をデジタルコントロールすることで、高度で複雑な観察手順を簡素化できます。研究者のワークフローをスピーディーかつ快適にし、観察時の細胞へのダメージも低減します。
3. 光学性能を追求し、高度な観察が可能な対物レンズ5本を同時発売
タンパク質などの動きを個々の分子レベルで観察できる全反射蛍光※1に適した開口数NA※21.7の明るさを世界で初めて※3実現した対物レンズ「APON100XHOTIRF」をはじめ、近年研究が盛んに行われているiPS細胞※4などの細胞群の観察に適した「UCPLFLN20XPH」など、計5本の対物レンズを倒立型リサーチ顕微鏡3機種と同時に発売します。
※1 | 光の全反射により発生する局所的な照明領域を活用した蛍光観察法 |
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※2 | 対物レンズの性能を判断するための指標で、数値が大きいほど明るく、高解像で観察が可能 |
※3 | 2012年3月31日時点、当社調べ |
※4 | 人工的に初期化された万能細胞、神経や筋肉、臓器など、さまざまな組織を形成することが期待されている |
「IX83」の主な仕様
本体
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UIS2光学システム |
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2デッキ構造(IX83P2ZF)
1デッキ構造(IX83P1ZF) |
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透過光源
|
・100Wハロゲンランプハウス |
・LEDランプハウス | |
鏡筒
|
・ティルティング双眼鏡筒 |
・双眼鏡筒90 | |
・三眼鏡筒 | |
ステージ
|
・超音波ステージ |
・右奥ロングハンドルステージ | |
・右手前ハンドルステージ | |
・グライディングステージ | |
・プレーンステージ | |
コンデンサ | ・電動長作動距離コンデンサ |
デッキユニット
|
・電動蛍光ミラーユニットカセット |
・コード蛍光ミラーユニットカセット | |
・Cマウント付き右サイドポート | |
・コード中間変倍装置 | |
蛍光投光管
|
・L字型フライアイ落射蛍光投光管 |
・L字型落射蛍光投光管 | |
・落射蛍光投光管 |
「IX73」の主な仕様
本体
|
UIS2光学システム |
---|---|
2デッキ構造(IX73P2F)
1デッキ構造(IX73P1F) |
|
透過光源
|
・100Wハロゲンランプハウス |
・LEDランプハウス | |
鏡筒
|
・ティルティング双眼鏡筒 |
・双眼鏡筒90 | |
・三眼鏡筒 | |
ステージ
|
・超音波ステージ |
・右奥ロングハンドルステージ | |
・右手前ハンドルステージ | |
・フレキシブル右下ハンドルステージ | |
・グライディングステージ | |
・プレーンステージ | |
コンデンサ
|
・電動長作動距離コンデンサ |
・長作動距離ユニバーサルコンデンサ | |
・ユニバーサルコンデンサ | |
・中作動距離コンデンサ | |
・超長作動距離コンデンサ | |
デッキユニット
|
・電動蛍光ミラーユニットカセット |
・コード蛍光ミラーユニットカセット | |
・Cマウント付き右サイドポート | |
・コード中間変倍装置 | |
蛍光投光管
|
・L字型フライアイ落射蛍光投光管 |
・L字型落射蛍光投光管 | |
・落射蛍光投光管 |
「IX53」の主な仕様
本体 | UIS2光学システム |
---|---|
透過ランプハウス | ・30Wハロゲンランプハウス |
・100Wハロゲンランプハウス | |
鏡筒 広視野(FN22) | ・ティルティング双眼鏡筒 ・双眼鏡筒90 |
ステージ
|
・右奥ロングハンドルステージ |
・グライディングステージ | |
・プレーンステージ | |
コンデンサ
|
・長作動距離ユニバーサルコンデンサ |
・ユニバーサルコンデンサ | |
・中作動距離コンデンサ | |
・超長作動距離コンデンサ | |
デッキユニット | ・蛍光ミラーユニットカセット |
蛍光投光管 | ・落射蛍光投光管 |
新規対物レンズ
商品名 | 倍率 | 開口数(NA) | 作動距離 |
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APON100XHOTIRF | 100倍 | 1.70 | 0.08 |
UCPLFLN20XPH | 20倍 | 0.7 | 0.8~1.8 |
UCPLFLN20X | 20倍 | 0.7 | 0.8~1.8 |
UPLAPON100XOPH | 100倍 | 1.40 | 0.13 |
PLAPON60XOPH | 60倍 | 1.42 | 0.15 |
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