業界最高レベルの解像度を誇る超音波フェーズドアレイ探傷器 「OmniScan(オムニスキャン)X3」を発売領域全体に焦点が合うTFM※1機能で欠陥を鮮明に捉えて効率的な検査を実現
2019年10月30日
オリンパス株式会社(社長:竹内 康雄)は、対象物を破壊することなく業界最高レベルの解像度で内部状態を鮮明に画像化できる超音波フェーズドアレイ探傷器「OmniScan X3」を2019年10月30日から世界各地で順次発売します(国内は2019年11月1日から発売)。検査領域全体に焦点を合わせるTFM機能により、これまで難しかった検査への適用や、より忠実な画像化による検査効率の向上を実現します。
超音波フェーズドアレイ探傷は、検査対象物に入射した超音波が空隙や割れなどの欠陥部位で反射して戻ってくる時間と強さから、対象物の欠陥の位置や大きさを推定する検査手法です。自動車・航空機などの素材や部品の製造時の品質検査、石油化学プラントや橋梁などインフラのメンテナンス検査に用いられています。
今回発売する「OmniScan X3」は、超音波フェーズドアレイ探傷器の最上位機種です。検査領域全体に焦点を合わせるTFM機能を当社製品として初めて採用し、業界最高レベルの解像度で欠陥を視認できます。これにより縦方向の割れの全体像の検出などこれまで難しかった検査の実現や、対象内部の忠実な画像化によって経験が浅い検査者でも内部状態を推定することが可能となりました。他にも検査領域を3Dシミュレートできる機能や、事前準備を簡単に設定できる機能で検査をサポートします。さらに本製品はOlympus Scientific Cloud※2に対応しており、ソフトウェアのアップデートをクラウド経由で行うことが可能。ユーザーの使いやすさを追求しつつ、防じん・防滴性能はIP65※3に準拠し、従来同様に過酷な環境下でも安心してお使いいただくことができます。
※1 Total Focusing Method(トータルフォーカシングメソッド)の略。
※2 オリンパスが提供するクラウドサービス。
※3 防じん・防水性能を示す保護等級指標。十の位が防じん等級、一の位が防水等級を表す。
主な特長
- 検査領域全体に焦点が合うTFM機能で業界最高レベルの解像度を実現
- 検査者をサポートする「3Dスキャンプラン機能」などにより使いやすさを向上
- オリンパスのクラウドサービス Olympus Scientific Cloudに対応
主な特長の詳細
1.検査領域全体に焦点が合うTFM機能で業界最高レベルの解像度を実現
当社超音波フェーズドアレイ探傷器として初めてTFM機能を採用し、業界最高レベルの解像度を実現。検査対象部の全領域に焦点が合ったクリアな画像により、内部状態を推定することが容易になりました。従来は検出が難しかった金属溶接時に発生する垂直方向の割れや密集した欠陥も視認することができます。検査対象物の形状や内部状態を忠実に再現することで、欠陥の位置や大きさなどを、より正確かつ容易に把握することが可能になりました。
2.検査者をサポートする「3Dスキャンプラン機能」などにより使いやすさを向上
本製品は熟練者の作業効率向上、および、検査者の作業をサポートする機能を充実させています。今まで時間のかかっていた検査前の下準備(感度校正作業)も従来比約10分の1の5秒程度で設定可能。準備時間の短縮により検査効率向上に貢献します。また検査に合わせて適切な設定を確実に行うために、検査対象部への超音波の当たり方を3Dでシミュレートする「3Dスキャンプラン機能」や、欠陥の種類に応じた最適なモード設定をサポートする「AIM機能※4」を搭載しています。超音波の入射方法や想定する欠陥の情報などを入力すると、検査の様子を事前に確認できるため、検査のやり直し防止や、新しい検査マニュアル作成の効率化が期待できます。その他にユーザーインターフェースの改良により、直感的で快適な操作を実現しています。
※4 Acoustic Influence Map(アコースティックインフルエンスマップ)の略。オリンパス独自の特許機能。TFM機能使用時、超音波の当て方を9パターンの中から、傷の角度などから最適なモード設定を特定できる。
3. オリンパスのクラウドサービス Olympus Scientific Cloudに対応
本製品は当社が提供するOlympus Scientific Cloudに対応しています。クラウド経由で装置本体のソフトウェアを常に最新にアップデートしておくことが可能となりました。また今後開発予定のクラウド機能では、検査現場での人手不足や効率改善に有用な機能を随時追加していきます。
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