新薬の評価手法の開発や、薬効評価試験を技術的にサポート 米PhenoVista Biosciences社と3次元細胞解析における協業を開始高精度解析とワークフローの改善により、新薬開発の効率向上に貢献
2020年6月1日
オリンパス株式会社(社長:竹内 康雄)の米国現地法人Olympus Corporation of the Americas(オリンパスコーポレーションオブジアメリカズ、社長:Julien Sauvagnargues)は、新薬開発のコストの効率化および精度向上が課題となっている創薬研究に貢献するため、細胞を用いた評価受託サービスを提供するPhenoVista Biosciences(フェノビスタバイオサイエンス、以降PhenoVista、社長:JAMES G. EVANS)社と、製薬会社に向けた3次元細胞解析における協業を2020年6月1日から開始します。PhenoVista社には3次元細胞解析ソフトウェア「NoviSight」および技術的サポートを提供します。顕微鏡画像を「NoviSight」で解析することで、新薬開発上重要な候補化合物の検討段階において、細胞をより生体に近い状態で、より詳細に薬効を評価することを可能とし、新薬開発の効率向上に貢献します。
従来創薬研究では新薬の薬効評価に2次元細胞解析が用いられていますが、臨床治験段階での失敗が問題となっています。それに対して3次元細胞モデルを用いた評価手法では候補化合物の効果や毒性を生体に近い状態で解析・評価することができ、臨床治験以前の段階で精度の高い結果を得ること、および新薬開発における効率化が期待できるため注目が集まっています。ただし、3次元細胞の構造の複雑さゆえに評価手法の開発に長い時間と労力を要するという課題があります。
今回の協業では、オリンパスが3次元細胞解析ソフトウェア「NoviSight」および技術的サポートをPhenoVista社に提供していきます。薬効評価手法の開発に強みを持つPhenoVista社では目的に応じた細胞モデルの選択から、評価手法の開発、実際の薬効評価を実施し、顧客へ新薬開発の効率向上の機会を提供します。オリンパスではこの協業から得るPhenoVista社や顧客のニーズに応じて「NoviSight」の機能強化に取り組んでいきます。
3次元細胞解析ソフトウェア「NoviSight」について
3次元細胞解析ソフトウェア「NoviSight」は、薬効によるスフェロイド※1全体の変化から、スフェロイド内の局所的な個々の細胞の変化まで、同時に3次元情報として測定できます。そして取得した様々なパラメータを用いて細胞の挙動および薬効を解析することが可能です。スフェロイドの全体画像に加えて、個別の細胞の生死情報やそれらの統計情報、ヒートマップといった解析結果をまとめて表示できるため、知りたい情報を見やすい形で取得できます。これにより、ユーザーの効率的な薬効評価を可能にします。なお、「NoviSight」は米国でのみ販売しています。
※1 複数の細胞が凝縮して塊状になっている、人工の3次元細胞組織。
PhenoVista Biosciences社について
設立年 | 2014年 |
CEO | JAMES G. EVANS Ph.D. |
事業内容 | 顕微鏡画像に基づく細胞を用いた薬効評価サービスの提供 |
本社所在地 | 米国カリフォルニア州サンディエゴ |
URL | www.PhenoVista.com |
独自の科学的アプローチにより、3次元を含む、生体に近い細胞モデルを用いた顕微鏡画像解析を通じて創薬研究で求められる結果を提供してきた実績を有しています。経験豊富な科学者のノウハウを生かし、複雑な生理機能を持つ多様な生物学的システムと定量的なイメージングを組み合わせることにより、実用的なデータを提供しています。
オリンパスのライフサイエンス分野について
オリンパスは1919年の会社創立以来、顕微鏡を製造してまいりました。現在、ライフサイエンス分野の顕微鏡システムは、臨床研究、教育、最先端研究などの用途で使用されており、お客さまの様々なニーズに応えています。詳しくは、www.olympus-lifescience.com/ja/ をご覧ください。
3次元細胞解析受託サービスの詳細・お問い合わせについては、https://www.olympus-lifescience.com/landing/3d-cell-based-assay/ をご覧ください。(言語は英語になります)
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