オリンパス、韓国の消化器用メタリックステントメーカー
Taewoong Medical社を買収Taewoong Medical社の専門性や技術とのシナジーにより、消化器科処置具のポートフォリオを強化
2023年2月24日
オリンパス株式会社(以下、オリンパス)は、消化器科処置具のポートフォリオを強化し、包括的なソリューション提供を通じて患者さんの診療水準向上に貢献するため、消化器用メタリックステント※1などの消化器科処置具メーカーである韓国のTaewoong Medical社(Taewoong Medical Co., Ltd.、
本社:韓国、金浦市)を買収することに合意しました。Taewoong Medical社は、クロージング時の2億5,550万米ドルの他、マイルストーン達成時に最大1億1,450万米ドルの、合計3億7,000万米ドル(約483億円※2)の現金を受け取ります。なお本取引は、一般的な完了条件を満たした上で、2023年6月30日に完了する予定です。
消化器用メタリックステントのリーディングカンパニーであるTaewoong Medical社は、胆道や食道、大腸、十二指腸の治療に用いるメタリックステントなど、さまざまな消化器処置具を提供しています。※3メタリックステントは、がんやその他の疾患による管腔の閉塞、狭窄を解消するために使用する処置具で、病変の状態や患者さんの状況に応じてさまざまな種類のステントが必要とされています。Taewoong Medical社は、ステントの重要な性能とされる拡張性と柔軟性※4の双方を兼ね備えた、幅広いラインアップのメタリックステントを提供しています。これにより、胆道や食道などの形状に沿った留置をサポートし、屈曲した管腔内でもステントの形状を維持することができ、再狭窄のリスクを軽減します。独自の設計と技術により実現したTaewoong Medical社の高品質かつ幅広い製品ラインアップは、患者さん一人ひとりに適した低侵襲な治療に貢献します。
近年の高齢化※5に伴い、消化器用メタリックステントが治療に使用される胆道がんの症例数は増加傾向※6にあります。メタリックステントは、胆道がんなどが原因で胆道が閉塞、狭窄することにより発症する黄疸の治療で用いられます。これらの処置は低侵襲な治療※7とされており、患者さんの早期回復をサポートします。
オリンパスは、2021年12月に発表した医療分野における戦略的な方針において、「消化器科」を注力する診療領域として位置付けました。オリンパスは、Taewoong Medical社の消化器処置具を製品ポートフォリオに加えることで、消化器科領域における包括的なプロバイダーとして、幅広いソリューションを提供し、患者さんのアウトカム改善および対象疾患における診療水準の向上に貢献していきます。
オリンパスのセラピューティック・ソリューションズ・ディビジョンヘッドであるGabriela Kaynor(ガブリエラ・ケイナー)は、以下のように述べています。「オリンパスの消化器科処置具分野は、消化器疾患を患う患者さんへよりよい治療を提供するため、臨床的に差別化された包括的な製品ポートフォリオを提供することを目指しています。今回の買収は、オリンパスが注力する消化器科領域へのさらなる強化に貢献できると考えます。Taewoong Medical社は、消化器用メタリックステントの完全なポートフォリオを有しており、オリンパスが提供しているさまざまな消化器科処置具とのシナジーを強化することができます。Taewoong Medical社の技術や製品をオリンパスの消化器科処置具分野へ迎え入れられることを嬉しく思います。」
Taewoong Medical社の社長兼CEOであるKyong-min Shin(キョンミン・シン)は、以下のように述べています。「Taewoong Medical社は30年以上にわたり、消化器用メタリックステントのリーディングカンパニーとして革新的な技術と幅広い製品ラインアップを有しています。Taewoong Medical社は韓国、日本、ヨーロッパで確固たる地位を築いており、世界86カ国へ製品を提供しています。Taewoong Medical社は、オリンパスとともに、研究開発および製造技術への継続的な投資を通じ、医療従事者および患者さんへよりよい製品とサービスを提供することを目指します。」
オリンパスは今後も、投資機会の発掘と実行を継続するとともに、買収した企業とのシナジーにより、自社の製品、技術の強みを拡大させ、最大限の価値を提供できるよう努めてまいります。
Taewoong Medical社概要(2022年12月時点)
• 会社名: Taewoong Medical Co., Ltd. (テウンメディカル社)
• 本社所在: 韓国、金浦市
• 設立年: 1992年
• 社長兼CEO: Kyong-min Shin
• 売上: 約68億円※2 (2021年12月時点)
• 営業利益: 約13億円※2(2021年12月時点)
• 事業内容:消化器用メタリックステントの研究開発と製造
• 従業員数: 273名
• 製造拠点: 韓国、金浦市
• 海外拠点: 80以上の国と地域で販売
※1 金属でできた網目状の筒で、人体の狭窄した部位(胆管、食道、気管など)に留置して狭窄を解除する医療機器。
※2 100韓国ウォン=10.61円、1米ドル=130.47円(2023年1月末の為替レート)で換算。
※3 日本および⼀部地域における医療機器法規制未承認、未発売の技術を含む製品、デバイス情報が含まれています。
※4 Isayama H, Nakai Y, Hamada T, et al. : Understanding the Mechanical forces of Self-Expandable Metal Stents in the Biliary Ducts. Curr Gastroenterol Rep 18 : 64, 2016.
※5 https://ourworldindata.org/grapher/historic-and-un-pop-projections-by-age
※6 Guoqing Ouyang MM et al., “The global, regional, and national burden of gallbladder and biliary tract cancer and its attributable risk factors in 195 countries and territories, 1990 to 2017: A systematic analysis for the Global Burden of Disease Study 2017”
※7 Jin-Seok Park, Seok Jeon, Don Haeng Lee “Recent Advances in Gastrointestinal Stent Development”
Taewoong Medical 社について
Taewoong Medical 社は30年以上にわたり、高品質かつ革新的な低侵襲医療機器の製造と提供を通じて、医療技術の進歩と患者さんの生活の質の向上に取り組んでいます。Taewoong Medical 社の主力製品である「Niti-S™大腸用ステント」は、革新的なソリューションとして、世界中の医療従事者のニーズにお応えしています。事業の拡大に伴い、内視鏡機器、インターベンショナル・ラジオロジー、神経科、肺動脈弁などの新しい分野にも進出し、患者さんのアウトカム改善を目指します。詳細については、www.taewoongmedical.com をご覧ください。
オリンパスについて
オリンパスの医療分野は、リーディング・メドテックカンパニーとして、革新的な技術と製造技術で医療従事者のみなさまとともに歩んでまいりました。診断そして低侵襲治療において、より良い臨床結果を生み、医療経済にベネフィットをもたらし、世界の人々の健康やQOL向上に貢献してまいります。
医療分野の製品ポートフォリオは、軟性内視鏡、硬性鏡、ビデオイメージングシステムから、外科用デバイス、システムインテグレーション、修理サービス、そして診断・治療用処置具のラインアップに至るまで、幅広い製品・サービスを提供しています。詳しくは www.olympus.co.jp/をご覧ください。またオリンパスの公式 Twitter もよろしければフォローください。
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