オリンパス、胃・大腸がん検診と内視鏡検査に関する意識調査を実施「胃・大腸がんの早期発見・早期治療による治癒率は90%以上」、しかし認識率は3割未満
早期発見によるメリットは、未だ多くの方に認識されていない実態が明らかに

2024年7月10日


胃・大腸がん検診と内視鏡検査に関する意識調査白書2024


オリンパス株式会社(以下、オリンパス)は、全都道府県別の40~60代男女計14,100人を対象とした、「胃・大腸がん検診と内視鏡検査に関する意識調査白書2024」を発行しました。本調査は、「世界の人々の健康と安心、心の豊かさの実現」を目指すオリンパスが、社会貢献活動の一環として、がん検診および内視鏡検査について、一般市民のみなさまに理解を深めていただくことを目的としております。白書内では、がん検診受診状況や、受診・非受診理由、内視鏡検査への意識などをまとめています。

主な調査結果

1.「胃・大腸がんの早期発見・早期治療による治癒率は90%以上」の認識率は3割未満
2.がん検診、受ける人・受けない人で二極化
3.胃・大腸がん検診非受診者のうち、約30%が非受診理由として 「自覚症状がないから」と回答

調査の背景

日本では近年、1年間に約100万人※1の方が新たにがんと診断され、男性では3人に2人、女性では2人に1人が生涯でがんに罹患し、2022年には約38万人※1の方が、がんで亡くなっています。この死亡率低減のためには、がんの早期発見の手段として国が推奨する5つのがん種(胃がん・大腸がん・肺がん・乳がん・子宮頸がん※2)の検診受診が重要となりますが、検診受診率は5割に満たないものが多く、国が目標とする60%に届いていません。特に、胃がん・大腸がんは、早期発見・早期治療により98%以上が治るにも関わらず、検診および精密検査ともに国が目標とする受診率に届いていないのが現状であり、死亡率が低減しない一つの要因になっています。オリンパスは、一般市民のみなさまに定期的ながん検診による早期発見・早期治療の重要性をお伝えすることで、胃・大腸がんの検診受診率向上と早期発見・早期治療によるがん死亡数の低減に貢献することを目指します。

1 出典 国立研究開発法人国立がん研究センターがん情報サービス

2 5つのがん種に対する検診:長い年月をかけ臨床試験を行った結果、そのがん検診を受けることで死亡リスクが減るというメリットが、デメリットを上回ることが科学的に証明されている検診

主な調査結果の詳細

1.「胃・大腸がんの早期発見・早期治療による治癒率は90%以上」の認識率は3割未満

胃がん・大腸がんは、早期のうちに発見し、治療をすれば、治る可能性がとても高く、治癒率は98%以上※1です。しかし意識調査の結果、このことを認識しているのは3割未満にとどまりました。また、治癒率60%未満と回答した人の割合は約3割と、事実と乖離した認識を持つ人も多数見られ、早期発見・治療によるメリットは、未だ多くの方に認識されていない実態が明らかになりました。

1 全国がんセンター協議会 全がん協部位別臨床病期別5年相対生存率(2011-2013年診断症例)による


胃がん・大腸がんの早期発見・早期治療による治癒率の理解度

2.がん検診、受ける人・受けない人で二極化

対象年齢全体での胃がん・大腸がん検診受診率は、4割未満となりました。検診受診/非受診者別に受診意識を見ると、検診受診者は「自覚症状がなくとも決められた受診間隔で受けるべき」と回答した人がいずれの検診でも約7割だったのに対し、非受診者は約2割にとどまりました。自覚症状の無い段階で定期的にがん検診を受診することが重要であるとの認識がまだ浸透していない実態が分かりました。


がん検診を受けた人・受けなかった人ごとの検診への受診意識

3.胃・大腸がん検診非受診者のうち、約30%が非受診理由として 「自覚症状がないから」と回答

非受診者のうち、がん検診を受けない最多の理由として約30%が「特に自覚症状もないから」と回答しました。一般的に早期がんでは自覚症状が現れることは少ないと言われており、自覚症状がない段階で定期的にがん検診を受診することが重要とされています。検診は「自覚症状がない人」が受診対象ですが、今回の調査から、その考え方そのものを理解していない人が多いことが明らかになりました。


左:胃がん検診「受けなかった人」の非受診理由
右:大腸がん検診「受けなかった人」の非受診理由

監修医師 小林望先生(国立がん研究センター中央病院 検診センター長)のコメント

今回の調査により、がん検診は「受ける人/受けない人」で二極化が進んでいる実態が分かりました(5つのがん種※1全て)。検診受診者は、「自覚症状がなくても決められた受診間隔で受けるべき」と回答した人が約7割だったのに対し、非受診者は約2割と大きな差になりました。がんは早期の段階では自覚症状がほとんどないため、自覚症状のない方が検診を受診する必要がありますが、まだ検診の考え方そのものを誤解している方も多いことが伺えます。また今回、早期発見・早期治療による死亡率減少効果も、未だ十分認識されていないことが分かりました。特に、胃・大腸がんについては早期発見・治療で98%以上が治ります。※2対象年齢で自覚症状の無い方は、早期発見の手段としてぜひ検診を受けるようにしましょう。

1 国が推奨する対策型がん検診の対象となっている、胃がん・大腸がん・肺がん・乳がん・子宮頸がんの5つ

2 全国がんセンター協議会 全がん協部位別臨床病期別5年相対生存率(2011-2013年診断症例)による

調査結果のウェブ掲載(全調査結果)

全調査結果は、当社HP「胃・大腸がん検診と内視鏡に関する意識調査白書2024」をご覧ください。

調査概要

・実施時期:2024年3月8日(金)~3月21日(木)
・調査手法:インターネット調査
・調査対象:全国の40~60代の男女14,100人(各都道府県 男女性年代別各50人)
・監修医師:小林望先生 / 国立がん研究センター中央病院 検診センター長
※スコアの構成比(%)は小数点第2位以下を四捨五入しているため、必ずしも合計が100%にならない場合があります。

オリンパスについて

オリンパスは「私たちの存在意義」として掲げる、世界の人々の健康と安心、心の豊かさの実現を目指しています。世界をリードするメドテックカンパニーとして、私たちは医療従事者の方々と共に、病変の早期発⾒、診断、そして低侵襲治療に役立つ最適なソリューション・サービスの提供を通じて対象疾患における医療⽔準の向上に貢献してまいります。創業から100余年、オリンパスはこれからも世界中のお客様に最適な価値をもたらす製品を提供することで、社会への貢献を目指します。詳しくはオリンパスの公式サイト(www.olympus.co.jp)ならびにX(@Olympus_Corp_JP)をご覧ください。


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