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工学系から化学系に転身し、入社以来、樹脂の研究に専心

  • 生産技術開発
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マテリアルエンジニア

入社の動機

大学では機械系の分野を専攻していました。具体的には人工心臓の研究をしていましたが、ヤギで行う動物実験を通し、大きく開腹する手術は回復に時間を要し、患者さんへの負担が非常に大きいことを痛感しました。それをきっかけに、患者さんに少ない負担で検査も治療もできる内視鏡に興味を持ち始め、内視鏡分野に強みを持つオリンパスを就職先として考えるようになりました。

就職先に対しては職場の雰囲気も重視していましたが、OBの方の話から「オリンパスは自由な社風だ」とうかがい、入社試験の担当面接官も話しやすかったので好印象を持ちました。会社説明会で知った「チャレンジシステム」の存在も、決め手の一つになりました。これは、一定の条件を満たせば、希望の部署への異動を志願できる制度のことで、そんなふうに社員の意志を尊重してくれる環境があれば、仮に入社当初に希望が叶わなかったとしても、前向きに仕事を続けていけるだろうと考えたのです。ちなみに、私の入社直後の配属先は、材料技術部で、入社当初は内視鏡の設計に携わりたいと思っていたので希望の部署とは異なりましたが、次第に配属先の業務が楽しくなり、チャレンジシステムを利用することなく、現在も同じ部署で働いています。

仕事の内容

材料技術部の主な業務は、各製品の開発部門から提案された仕様を実現する材料や加工法などの技術を開発すること。その後、完成した技術を工場へ移管し、工場部門では受け取った技術をもとに製品化していきます。つまり、材料技術部は開発部門と工場の橋渡し役と言えます。時には開発部門に仕様の改善を提案したり、正確な物性に仕上がるよう工場部門と一緒に製造条件を最適化したりするのも職務の一環です。

材料技術部の中でも、私は医療製品を受け持つグループに所属し、入社以来、樹脂を扱っています。3年前までは内視鏡用の樹脂の開発を手掛けていましたが、現在は内視鏡とともに使われる処置具用の樹脂開発を担当しています。

医療機器メーカーで樹脂の開発・製造までを行っている例は多くありません。しかし当社では、樹脂は安全性と機能に密接に結びつく製品の要と考え、メーカーや大学、研究機関などとタッグを組んで各医療製品に適したものを開発・製造しています。

やりがい

一般的に、開発部門は理系学生からの人気が高い分野ですが、技術を突きつめたいと考える人なら、材料技術部のような生産部門や製造部門の仕事にもやりがいを感じられると思います。

とくに、オリンパスの生産部門にはオリジナル樹脂という強みがあります。新素材を誕生させるまでには長い年月を要しますが、完成すれば、それがさまざまな製品に展開されます。実際、入社後に私が完成をみた樹脂は1つだけですが、すでに約10製品に活用されており、今後の新製品にも組み込まれる予定です。数多くの製品に貢献できるのは、この業務ならではの醍醐味であり、誇らしく感じています。

内視鏡は、各要素の担当者の技術を結集してつくる複雑な構造の製品です。一見して各パーツの存在を把握しづらいのですが、「劣化しにくい良い樹脂だね」と開発部門の担当者から言われた時にはうれしく思いました。一方で、現在担当している処置具の構造は比較的単純で、その分、樹脂の特性が製品そのものの特性になることも多い。自分が手がけた樹脂が製品の質を大きく左右するため、仕事にも熱が入ります。

苦心していること

医療製品は、人体の安全を保証することが絶対条件。劣化への耐性だけでなく、“安全な壊れ方”にも万全を期す必要があり、製品試験には途方もない労力を費やします。例えば、併用する薬液に実際に浸漬される何倍もの時間をかけて浸したり、実際の使用状態以上の負荷をかけたりと、想定し得るあらゆる角度からテストを行い、安全性と性能を確認していきます。まさに根気との勝負ですが、試験を無事にパスした時や製品が市場に出た時は感慨深いものがあります。

職場の紹介

材料技術部は幅広い年齢層で構成されています。年齢や性別を問わず自由闊達な意見交換ができる雰囲気があり、居心地の良さを感じています。また、プライベートでも、同期や年齢の近い他部署の社員たちとバーベキューやたこ焼きパーティーなどをして楽しんでいます。

学生の皆さまへ

企業を見定める際には、仕事内容はもちろん、職場の雰囲気も重要なポイントです。それを肌で感じるためにも、就職活動中は会社説明会だけでなく、社員との懇親会にも参加してみるといいでしょう。また、社会人になると、さまざまな人と接する機会が増えるので、学生のうちから活発に行動して視野を広げ、コミュニケーション力や柔軟性のある考え方を培っておくことをおすすめします。

入社後、私は大学での専攻とは畑違いの化学系の職種に就くことになりましたが、学生時代に2~3年携わっただけの専門知識に固執するより、新しいことに挑戦してみることにしました。その結果、現在では、化学系の知識もかなり深まったと自負しています。一方、機械系の経験も役立っており、両者の知識を持っていることで業務効率が増しています。

材料技術の仕事では、自発的、かつ理論立てて物事を考えることが大切です。正確にデータを測定し、理論を構築・検証するための緻密さや行動力がある人と、ぜひ一緒に働きたいと思っています。

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