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個々の組織に寄り添い、グループ全体のQMSの改善に貢献

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品質保証

入社の動機

大学院での研究経験から実験機器に興味を持っていたので、就職活動では、顕微鏡や試薬など実験で使用する機器メーカーを中心に回りました。機器の性能や品質は研究結果を左右するほど重要なものです。私は機器の不具合などから実験に失敗してしまったことがあり、身をもってそのことを学んでいました。そこで、実験機器の性能を向上させるような仕事であれば、あらゆる研究に貢献できるだろうと思ったのです。

特に関心のあった顕微鏡関連の企業研究を進めるうちに、生物顕微鏡でシェア1位のオリンパスにたどり着きました。さらに、国内有数の研究所を見学した際にオリンパス製の顕微鏡が使用されていたこともあり、最先端の研究に貢献するには、オリンパスに入社することが一番の近道だと考えました。

最終的な入社の決め手は面接です。私の大学時代の研究は自分では地味だと思っていた内容でした。その意義を面接でうまく伝えられないことを歯がゆく感じていたのですが、オリンパスでは面接官の方が質問を交えてとても熱心に聞いてくれ、気づいたときには研究の将来性まで語っている自分がいました。会社の雰囲気の良さが伝わってくるような面接で、このような方たちと一緒に働きたいと思い、入社を決意しました。

仕事の内容

私が所属する部署では、オリンパスグループ全社の品質マネジメントシステム(Quality Management System=QMS)を統括しています。QMSとは、簡単に言うと、お客様が求めている製品を安定して提供するための体制・仕組みです。お客様が期待する製品を使用していただくために、営業や開発、品質、製造、物流など、様々な部門が関わっています。また、これらの部門を維持するために、人事や総務といったコーポレート部門が関わっています。このように、様々な部門の関わりあいがお客様の期待する製品の供給に繋がっているため、それぞれの部門が質の高い業務をすることが、製品の質に繋がります。ただし、それぞれの部門が質の高い業務を行っていても、異なる目標を立てていると、部門間の関わりが難しくなってしまいます。そのため、オリンパスグループでは、グループ全体の方針を定め、それぞれの部門が方針に沿った具体的な目標を立てて達成し続けることで、全ての組織が同じ方針に基づいて質の高い業務をし続ける仕組み(QMS)を構築しています。
私の部では、グループ全社のQMSがうまく機能しているか監査をしたり、QMSをより良くしていくためにガバナンスの仕組みを改善しています。

また、オリンパスグループ内の各組織の品質改善の支援も行っています。例えば、各組織にグループ全社のQMSを説明したり、全社のQMSに対して各組織の中でどのようにしくみを作ればいいか支援することも業務のひとつです。各組織の現状を把握して、QMSへの取り組みを支援する仕事は、いわゆるコンサルティングという立場に近いかもしれません。現状を聞き取るために、いつも丁寧なコミュニケーションを心がけています。

現在私が担当している組織は、製品を販売している各事業やIT部門、営業部門、コーポレート部門、グループ会社と多種多様。当然、組織によって扱う製品も規模も違ってくるので、それぞれに合った仕組みを作っていく必要があります。さまざまな組織の立場に立って最善の方法を提案できるよう、ISO9001、ISO13485といったQMSの国際標準から、医療機器・医薬品に関わる国内外の法規制など、常に知識をアップデートしながら業務に取り組んでいます。

やりがい

特にやりがいを感じるのは、グループ会社の現場や業務内容を勉強できる点です。例えば、私が担当するグループ会社は骨に埋め込む人工骨を扱っています。グループ会社の担当者から人工骨についてレクチャーを受けたことで、医療に関する知識の幅を広げることができましたし、監査等で現場を直接見る機会もありました。オリンパスといえば内視鏡のイメージだったので、内視鏡以外の製品について学べたことはとても新鮮でした。
同じオリンパスグループ内とはいえ、別会社の業務内容や現場を見る機会は非常に限られています。様々なグループ会社独自の製品や業務に関われるのは、今の部署にいるからこそなので、所属する会社の垣根を越えて知識を得られることにとてもやりがいを感じています。この機会を活かして、オリンパスグループのすべてを知るぐらいの意気込みでやっていきたいと思っています。

苦労していること

実は、今の職種のことは入社するまで知りませんでした。入社後、QMSを勉強するために、まずは国際規格であるISO9001を読むことになったのですが、「そもそもISOってなに?」というところからのスタートだったので、かなり戸惑ってしまいました。どこから手をつけていいかわからない状況でしたが、先輩に教えてもらいながら知識を深め、今ではISO13485やQSRといった医療機器に関するQMSの規格や法律の勉強も進めることができています。

また、組織の品質改善の支援をするときも、担当者に失礼のないように、かつわかりやすくグループQMSを説明し、組織の現状に最適なQMSを構築すればいいか考えることは入社1年目の私にはとても難しく感じました。組織の現状をヒアリングする際には、何を質問していいかわからなくなってしまい、先輩のフォローが必要だったこともあります。当時はメール一つ送るのも不安になっていたので、「先方に送る前に送ってくれれば、事前に確認します」という先輩の言葉が本当にありがたかったです。
わからないところは先輩に質問してクリアにし、勉強を続ける中で徐々に業務に慣れていくことができました。この仕事を通して、相手の言葉を傾聴する力や態度が非常に重要であると学んだことも、成長につながったと思っています。

職場の紹介

オリンパスグループ全体を統括している部署だけあり、内視鏡や顕微鏡など様々な製品に関わったことがあるメンバーが集まっています。製品やそれぞれの事業についてわからないことがあったときに、部署の中に質問できる方がいるので、とても心強いです。
また、社内外の研修やOJTで学べる体制が整っているので、積み重ねで力をつけていける職場です。例えば、入社から英文ビジネスメールの通信教育を受講しています。英語でメールを書いた経験がなく、題名のつけ方や署名の書き方から学んだので苦労したこともありましたが、今では海外のグループ会社に英語でメールを書くことができるまでになりました。
また、職場には、時短勤務や在宅勤務、フレックスタイム制度を利用しながらもチームリーダーを務めている女性の先輩方がいます。ワークライフバランスがとりやすい職場だと実感しているため、これからも長く働いていきたいと考えています。

学生の皆さまへ

就職活動をしていた当時は、「研究」「営業」「総務」くらいしか職種の選択肢がないように感じていました。しかし、実際はかなり幅広く、技術系でも「品質保証」という職種があり、なかには私が所属する「グループ品質統括」のような実験をしない仕事もあります。自身の専攻にこだわりすぎず、視野を広くしてインターンシップや説明会にのぞめば、自分に合った仕事に出会えるのではと思います。

正直に言うと、今の職場は大学で学んだ生物の学術的な知識を活用できる場ではなく、もともと希望していた顕微鏡の品質保証とも違います。しかし、大学時代に研究で培った計画立案、現状把握から目標達成への思考プロセスの力などが、存分に発揮できています。学生時代には思いもよらなかった職種で、これまでに得た力を活かせていることに新鮮な驚きを感じています。そして、この新たな分野へのチャレンジは、自身をより成長させてくれました。皆さんにも未知の職種であっても、ぜひ挑戦してほしいと思います。

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