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医療機器の安全性を重視。品質保証の最後の砦

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品質保証

入社の動機

大学では情報電気電子工学科で学んでいたのですが、就職活動を始めてみると、メーカーの電気設計や機械設計といった同じような求人ばかりで、どれを選択したらいいのか迷ってしまいました。自分が何をしたいのかもわからない状態だったので、学生生活課に相談に行ったところ、たまたまオリンパスの説明会を紹介されました。そこで初めて、品質保証部という部門の存在を知りました。電気や機械の設計以外の分野で、技術的な知識、視野などが生かせる部門があることがわかって関心を抱いたのが、オリンパスを志望したきっかけです。

その説明会では、実際に内視鏡を見せてもらいながら、「患者さんにとってどうすれば安全な設計になるのか」という点を重視して仕事を進めているとうかがいました。そこで、医療機器の安全性を確保する仕事に携わることで、1つの社会貢献ができると感じたのです。「医療」「品質」「安全」と、3つのキーワードを軸として掲げ、入社を決めました。

仕事の内容

消化器内視鏡の品質問題の対応に携わっています。発生した品質問題について、不具合内容や原因の情報収集、さらに医療機器の設計自体に問題がないかを検討し、必要に応じて行政に報告をする業務です。行政といっても、製品は世界中で使われていますから、届け出先は日本だけに限りません。私が所属するグループは、日本の厚生労働省にあたるFDA(アメリカ食品医薬品局)という機関とのやりとりがメインとなります。

私自身の仕事としては、製品の不具合など、発生した問題に関してあがってきた顧客の声や主張を精査し、どういう意図や背景でこのような声や主張があがってくるのか、顧客接点部門への聞き込み、製品検証を行いながら一つひとつの主張を確認し、行政へ報告するための書類作成、報告までを行います。

例えば、患者さんへの処置中に製品の不具合が発生したと報告があった際に、製品自体に問題があったのか、それとも使用者の取り扱いに問題があったのか、医療現場で収集された情報を検証、考察していきます。また、不具合のリスクや顧客へ与える影響などを十分に検討し、これらの検討内容をわかりやすく報告書に展開していきます。

場合によってはリコールを行うこともあります。そのリコールのハンドリングも主な業務の1つとなります。その際は、開発、工場、サービス、営業など社内のさまざまな部門と関わり、それらをまとめ上げ、リコールを推進する役割を担います。さらに、部署としては、こうした問題に関して、開発など他部門との情報共有作業を行い、同じ問題を起こさないよう、次製品の開発プロジェクトへインプットするということも大切な業務の一環です。

やりがい

製品の不具合という、会社としてネガティブなことが起こった際に、患者さんやお客さまに影響を与えないように、もしくは最小限にするために、品質保証部門として、会社としての対応方針を決定しなければなりません。その重要な決定について検討するのはとても大変ですが、だからこそやりがいを感じます。方針決定後は、迅速な対応が必要となります。工場や開発、サービス、営業といった各部門をまとめて、いかに短時間で、どれだけ円滑に対応を進められるか、担当者の手腕も問われます。お客さまへの対応を第一に考えるのはもちろんですが、各部門の調整にも心配りが必要となります。そこをうまくやりくりし、対応が無事に完了した時は、達成感がありますね。

例えば、その不具合が起きることによって、患者さんやお客さまにどのような影響が生じるか、なぜこの対応が必要なのかを、営業部門やサービス部門の担当者すべてがすぐに理解、納得してくれるわけではありません。その際には、説明用の書面やツールを作成するなど工夫をして、よりわかりやすく、丁寧に伝えるように心がけています。お客さまに説明するためのツールを用意することもあります。顧客接点部門が納得し、少しでも負担がかからないよう、細かい配慮をすることも大切だと思っています。

苦心していること

やりがいにも通じることなのですが、品質保証の面において早急に対処しなければならないという時に、営業やサービスといった顧客接点部門と、意見の相違が生じることがあります。そのような際に、相手が納得できるようにわかりやすく説明、説得することが、最も苦心するところです。部署で決めた方針を、営業所の所長やグループリーダーの方にも理解していただけるよう、定期的に連絡を取って話し合う。とても根気のいる仕事だと思います。

また、海外とのやりとりが多く、英語での文書の作成にも苦労しているところです。海外の現地法人から送られてくる英語の文書やメールも、学校で習ってきたような文法ではなく、独特の表現が多く使われているため、理解するのに時間がかかってしまっています。英語で報告書を書く際にはまず、日本語の文章を整えてから、英訳するようにしています。メールを送る際にも、後々経緯を記録していかなければいけないので、日本語でしっかりと考えてから、英語にします。そして、誤解がないように、英語を専門とする方に確認をお願いしています。

職場の紹介

部署のメンバーには、工場や開発を経験してきた、社歴の長い人たちが多いですね。けれども、とてもコミュニケーションが取りやすい環境です。「教えるのも業務のうち」というチームリーダーの言葉に象徴されるように、何かわからないことが出てきても、詳しい人に尋ねれば、丁寧に教えてもらえるので助かっています。

また、メンバーの誰かに業務の負荷が集中してくると、自然とみんなで協力し合うような雰囲気になります。オンとオフの切り替えがしっかりしていて、飲み会の席になるときちんと羽目を外す。時には終電を逃し、ファミリーレストランや漫画喫茶にお世話になることもありますね(笑)。

学生の皆さまへ

就職活動をスタートさせても、進みたい方向性が見えず、悩むこともあるかもしれません。でも、わからないなりに悩みながらも活動を続けていると、小さなきっかけから何かに興味を持ったり、やりたいことが見つかったりすることもあります。

仕事の場においてはとくに、人の意見を聞く耳を持つことが大切です。思っていることを素直に話してコミュニケーションをとりながら、悪いところは直し、良いところは伸ばしていく。そんな姿勢のある人と一緒に成長しながら、仕事ができたらいいなと思っています。

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