品質保証は、将来的な品質リスクを抽出する仕事です。PD5.0によって開発の上流フェーズからプロジェクトに参加するようになり、開発部(R&D)が作成するドキュメントを安全性・有効性や国内外の法規制といった多角的な観点からレビューして品質を支えています。品質を担保するために大事になる手法が統計学です。開発にまつわる各種データが適切にとらえられているか、統計学的観点を取り入れることで品質が可視化されます。
製品をサンプリングしてその品質を調べますが、開発段階で数十個作って試験を行い合格だったのに、実は1%の故障率になっていて、開発段階では気づけないまま生産段階で10,000個作ると100個の不良品が出てしまうといったケースも考えられます。私たちの製品は医療機器で人の命にかかわるので、その100個の不良品も簡単に見逃すことはできません。統計学を用いて開発段階で故障率を推測し、目標とする保証率の範囲に収まるようにする、それが品質保証における統計活用です。また、他社製品と比較して自社製品の優位性を証明するためにも統計学を活用します。法規制への対応という面ももちろんありますが、製品が真に優れていることを根拠を持って言えるようになる。その根拠を導き出すのも私たちの役割です。冷静な目で課題や問題点を探して改善する、第三者的な存在かもしれませんね。