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1000機種以上の製品に寄り添う──オリンパスの修理部隊の裏側

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サービス技術開発

日本リージョン修理マネジメントで、スコープや周辺機器の新製品の修理導入を推進しています。「医療現場を止めない」ために、新製品を上市するまでに営業部門や、修理現場と連携し、修理プロセスを構築します。お客様の声・クレームもいただくので、一つ一つ対応し、医療現場の期待にこたえ続けたいですね。

黒子的な存在として、国内修理拠点の円滑な業務をサポート

現在の部署、業務内容について教えてください。

日本リージョン修理マネジメントは、白河と長野の2カ所にある国内の修理拠点となるサービスオペレーションセンター(以後、SORC)を取りまとめる部署です。オリンパスでは、生産終了後も8年間にわたり製品の修理をサポートしていて、修理対象となるのは1000機種以上。その中でも私が所属するユニットでは、スコープやそのほかの周辺機器のうち新製品の修理導入を推進しています。

新製品を発売する際には、その発売にあわせて各修理拠点で修理対応ができるように体制を整えておく必要がありますが、修理導入には、オリンパスの内視鏡お客様相談センター(CIC)、集中購買センター(CPC)、そして各製造工場など、たくさんの部署が関わっています。それら関係部署をすべて見渡しながら修理導入のために必要なアクションを洗い出し、日程計画を立てた上で推進管理することが主な業務です。

いまのお仕事のやりがいをどんなところに感じますか?

私が最初に配属されたSORCで修理の立ち上げを担当していたとき、備品の点検や修理導入に遅れが出てしまい、営業部門の方々にたいへんな迷惑をかけてしまいました。当時は、修理導入にどのような部署が関わっていて、どのようなアクションが必要なのかを理解した上で進捗を管理する、PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)のような存在がいなかったことがその理由です。

SORCの上流にあたる現在の部署でいま私が担っているのは、まさにその推進管理の部分。PMOの役割を果たす部隊が新たに立ち上がり、SORCの方々がコア業務に集中できるようになったことで、現在は営業部門が想定するスケジュールで上市し、それと同時に点検・修理の体制を整えられるようになりました。修理現場や営業部門の方々の役に立っていると思うと、大きなやりがいを感じます。

また、円滑な修理体制を構築することは、「現場の医療を止めない」ということにもつながり、“世界の人々の健康と安心、心の豊かさの実現”に、黒子的な存在として陰ながら貢献できていることに、この会社で働く魅力を感じています。

新製品の修理導入を担当。選んだのはマネジメントの道

入社してから印象に残っている仕事はありますか?

大学で電気電子工学を学んだ後、地元白河を代表する企業で働きたいと考えていました。中でも白河オリンパスを選んだのは、中学生のときに手術した経験があり、オリンパスの硬性鏡を体内に入れたことがあったから。縁のようなものを感じていたのが理由です。

入社後はSORC白河の技術部門に配属されました。一から修理の工程を設計し導入する仕事に魅力を感じていたので、入社当初から上司には「新製品の修理立ち上げをやらせてほしい」と伝えていました。その希望を聞いていただき初年度から新製品の修理導入を担当しています。

よく覚えているのは、私が初めて担当した内視鏡用モニターの新製品修理導入です。導入自体はスムーズでしたが、修理に使用するビスがうまくかみ合わないトラブルが発生し、供給元のメーカーの方々と半年以上にわたりやりとりすることに。「ビスが合わない」「いや正しいはずだ」と両社間の議論は平行線をたどりました。最終的に、先方に白河まで足を運んでもらい、ビスが空回りするところを実際に見ていただくことでようやく落着。先方に規格値を変えていただき、無事に幕切れとなりました。

周囲の力を借りながらも、自分が中心となって不具合に対応したことで、検証の進め方、仮説の立て方など、問題発生時の解決能力が身についたと思っています。この時期、ほかにも、主力製品であるビデオシステムセンターや光源装置などの工程維持・新製品修理導入を担当しました。いまの自分があるのは、そうやって入社当時からいろいろな経験をさせてもらったおかげ。上司や先輩にはとても感謝しています。

マネジメントに関わるようになった背景を教えてください。

3、4年目に入り新製品の修理導入をひとりで対応できるようになってきたころから、マネジメントに興味があることを上司に伝えていました。中学の部活動で部長を任されるなど、それまでの人生で人の輪の中心にいることが多かった自分に向いていると考えたからです。

その意欲を高めるに至った出来事がありました。内視鏡用モニターの修理部品が枯渇したことを受けて、在庫製品からかき集めて対応しました。その際、私がリーダーとして関係部署に声をかけ、作業指導を行いながら工程を管理することになり、プロジェクトは無事に成功。メンバーを動かして物事を進めていくことに確かなやりがいを感じ、マネジメントの道を進む意志を固めました。メンバーとやりとりする際には、人格を否定したりしないよう、言葉づかいや接し方、表情などに気をつけています。その上で、個人の特性やキャリア志向を理解し、それぞれに最適な指導・育成方法を考えることがマネージャーの責務だと思っています。そのためにはやはりコミュニケーションが大事だと感じますし、その人の個性を理解した上で丁寧にコミュニケーションしていくことが必要だと思っています。また、仕事を教えるだけでなく、人間性も含めて育てていくのがリーダーの務めだと思いますが、いまはいろいろ試行錯誤しながら答えを探しているところですね。

国内の修理導入のための新しいプロセスを構築。異動して1年で感じた手ごたえ

現在の部署に異動した経緯、その後の取り組みについて教えてください。

国内の新製品の修理導入を円滑にするための組織が立ち上がるとは聞いていましたが、SVに任命されることはもちろん、そこに自分が移ることになるとは思いませんでした。異動を知ったときは驚きましたが、マネジメントを担う人材としての経験が積めることは、自分にとってプラス。キャリアアップにつながるチャンスだと前向きに受け止めました。

異動後にまず取り組んだのは、情報収集。より最適な修理体制を構築するにあたって、そもそもどのような関係部署があり、修理導入するためにはどのようなアクションが必要なのかを知るためです。各部署を訪問しては、それぞれどのような仕事をしていて、次はどこにバトンを渡すのかを聞いてまわり、全体的なフローを把握していきました。

また、当時はどの部署の人も前後の工程とのつながりがわかっておらず、他部署と連携する意識をあまりもっていませんでした。そこで、関係者に修理導入するまでに必要な全体工程を説明したり、それぞれの工程で作業日程を短縮することで生まれるメリットを伝えたりしながら、時間をかけて理解を求めていく必要もありました。

国内の修理導入のための新しいプロセスが構築できたと実感できたのは、それから約1年後のこと。内視鏡システム“EVIS X1”がリリースされた際、営業部門が思い描く日程に合わせて修理導入できたときに、大きな手ごたえを感じたのを覚えています。

体制ができあがって、周囲からの反響はいかがでしたか。

SORCの方々からは、「本来やるべき業務に工数をかけられている」という声をいただいています。営業部門の方々からも、「日程通りに導入できた。ありがとう」と感謝の言葉をもらったりしています。

サプライチェーンのプロセスにおいて、私たち修理サービスの部門は最も後方で仕事をしているため、お客様との距離は近く、クレームをいただくこともあります。ただ、そのようなクレームにも一つ一つ丁寧に対応し改善をしていくことが医療現場への貢献につながると思っています。

一人ひとりが日々の業務の中で“Our Core Values”を実践できる組織に

今後に向けて、社内に対して伝えたいことはありますか?

仕事をしていく上では、社内の連携がとても大事だと思っています。前後工程を含め、いろいろな人との関わる必要があり、ひとりだけ、単一部署だけで仕事を進めていくことはできません。オリンパスが“Our Core Values”のひとつとして“結束/Unity”を掲げているように、同僚や後輩、先輩、上司、同じミッションの実現を目指すビジネスパートナーとして、いろいろなことを共有しながら仕事を進めていけるといいですね。

これからの展望についてお聞かせください。

本来、修理の現場には、全体像を把握してインからアウトまでの流れを管理する存在が必要ですが、SORC白河にはそのプロセスを推進する部隊が不在で、技術者たちが担っているのが現状です。将来、また白河オリンパスに戻った際には、技術者としてではなく、新たな組織を立ち上げ、SORC白河の修理全体を管理する存在になれたらと考えています。

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