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チーム力を駆使して製品の魅力を訴求。“面で戦える”営業組織を目指して

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プロジェクトマネジメント

製品の魅力を知ってもらうだけでなく、社会貢献もセミナー開催の目的のひとつ

2022年12月現在の業務内容について教えてください。

首都圏企画ユニットに所属して、消化器内視鏡関連のイベントやセミナーの企画・運営を担当しています。2〜3カ月に1度のペースで実施する継続的なイベントがあるため、半年くらい前から企画案を練り、どの先生に司会や講演を依頼するかを決めて、当日に向けて準備を進めていきます。営業戦略に沿った単発のセミナーを実施することもあり、複数の企画を並行して走らせるのが通例です。

イベントやセミナーには大きくふたつの目的があります。ひとつはオリンパス製品の魅力を知ってもらうことです。新製品を著名な先生に使っていただき、その考えや学術についてのお話と共に、オリンパス製品の使用感や評価について語っていただきます。もうひとつは、学術情報の手技普及です。最新の学説や内視鏡検査の現状、治療の知識やノウハウをほかの先生方にも伝えていただくことで、医療メーカーとして社会に貢献できる部分があると思っています。

もちろん、内視鏡メーカーである以上、製品の魅力を広く先生方に知っていただき、イベントやセミナーをきっかけに、製品に関心を持ってもらうことを望んでいます。それと同時に、営業現場に対して企画側から貢献したいというモチベーションを持って業務に励んでいます。私たちがひとりよがりのイベントを企画するのではなく、先生方に製品の良さを知ってもらい、使ってみたいと興味を持っていただけるように、現場の営業メンバーとも連携しながらプログラムを構築していきたいと思っています。また、イベントやセミナーの企画運営以外にも、新製品の開発に先生方の意見を反映していくことを目的として、営業と開発のあいだのパイプ役を担うこともあります。

コロナ禍以降、イベントやセミナーのあり方が大きく変わったのではないでしょうか?

2020年の秋以降、先生方のあいだでWeb会議が浸透したことを受け、オンラインセミナーが少しずつ普及し、2021年にはスタンダードになりました。以前、第6波が落ち着いたときにオフラインとオンラインのハイブリッド形式でセミナーを実施したのですが、9割5分以上の参加者がオンラインでの参加でしたね。従来は平日19時からのセミナーを案内しても「診療があるため行けない」とおっしゃる先生方が多かったのですが、移動が不要になったことで新たな参加者が増えつつあります。

とはいえ、オンラインセミナーゆえの難しさもあります。1〜2時間、会場で講演を聞くことに比べ、PC越しの聴講では集中力を保ちづらいもの。開催形式をオンラインにするだけでなく、オンラインならではのプログラムや時間配分を意識する必要があると思っています。また、オンラインのイベントでは会場を手配する必要がなく手軽なため、医療機器メーカーや製薬メーカーによる開催数が増えており、先生方が参加するセミナーを取捨選択する傾向にあります。目が肥えた先生方に是非参加したいと思ってもらえるような、ユニークなプログラム作りを進めているところです。

市場全体を俯瞰する視点を養うため、自ら異動を希望して企画部へ

オリンパスには中途で入社されていますが、以前働いていたのも医療系の会社だったのですか?

前職はまったく畑違いで、事務や経理、コールセンターのオペレーターの方を派遣する人材派遣会社で営業をしていました。営業の仕事がとても好きだったので、さらに知識や技術を高めたいと考え、無形サービスの次はモノを売ることに挑戦したいと思うようになりました。中でも医療機器に興味をもった理由は、自分や家族にとって今後ますます身近になる領域であること。社会に貢献したいという想いもあり、当社に入社しました。

入社から約7年半は営業として、中野区、杉並区、新宿区の病院やクリニックを担当し、消化器内視鏡分野での内視鏡機器や処置具、オペ室での腹腔鏡手術機器や電気メスなどの販売をしていました。その過程で感じたのは、医療現場でモノを売ることのやりがいと責任感です。われわれは、製品販売後のフォロー活動の一環として、検査や手術の現場に立ち会う機会があります。機器のセッティングは間違いが許されないため緊張感がありますし、オペ着を着用して手術に立ち会った時に感じる責任の重さは想像以上でした。患者さんを救うことに自分が多少なりとも貢献できているのかと思うと、大きなやりがいを感じます。

企画部に異動希望を出されたのはどうしてですか?

営業として管理職を目指すキャリアプランを描いた時、営業とは違った側面から製品をPRする経験をしておいたほうが良いと思ったからです。営業時代は自分で足を使って1件ずつ訪問して製品紹介プロモーションを行っていました。最近ではタブレットやPCで動画等も見せながら製品説明ができますが、以前は製品カタログを持って先生にお見せしながら機能の特徴を説明して、ようやく試しに使ってもらうという流れでした。企画部門に異動して、イベントという一つの機会を使ったプロモーションを経験し、著名な先生方と一緒にこれまでとは違った関係が築けました。さらに市場全体を俯瞰して見られるようにもなってきたなと感じています。この経験を積んだ上で、また営業現場に戻って、両方の側面からエリア戦略や営業戦略を考えられるようなスキルを養えたらいいですね。

異動希望を出した際は、当時の営業部長が「営業にずっといてほしいというのが本音だが、良い経験になると思う」と背中を押してくれました。本当に感謝していますね。

イベント成功の鍵は周囲との連携。「全員でひとつの仕事をしている」という意識を胸に

企画部で働く魅力、やりがいはどんなところにあると感じますか?

イベントやセミナーを活用した情報提供や手技の普及など、著名な先生と一緒に仕事をしたりすることで、内視鏡の市場全体を俯瞰して見られるところです。営業時代は、担当しているお客様の対応に追われがちで、なかなかまとまった勉強時間を確保することができませんでした。自社製品については詳しいものの、学術的なことや市場の最新動向についての知識が不足していると思っていました。今は著名な先生方と一緒にお仕事をしながら、最新の学説や医療に触れたり、内視鏡市場の最新トレンドに触れたり、臓器や疾患についても学び直すことで、視野が大きく広がったと感じます。

また、大学病院では教授陣らエキスパートが若手の先生方に指導したり、情報を共有したりする文化がある一方、開業してクリニックを運営する先生方は、能動的に情報を取りにいかない限り、最新情報を入手しづらい環境にあります。そうした先生方に対して、情報提供のきっかけを届けられているという点で、医療に貢献できていると感じ、やりがいを覚えます。

仕事をする上でどんなことを大切にしていますか?

周囲との連携です。司会や講演を務めていただく先生方と意見交換をしながら企画を作り上げていくのですが、企画ユニットとして初めて顔を合わせる先生方も少なくありません。そのため、その先生を担当する営業メンバーと連携し、自身のリサーチではつかみ切れなかった情報を参考にすることもあります。

また、集客のフェーズでも営業メンバーとの連携が欠かせません。われわれ企画部の独りよがりなプログラムであれば、彼らにとって案内の優先順位が下がってしまうことになるはず。現場視点に立ち、「売上にも貢献する内容だ」と思ってもらえるような内容にすることが大切です。また、「企画部の力になりたい」と思ってもらえるような関係性を築くことも心がけています。

営業メンバーだけでなく、会場の手配や映像会社とのやりとり、社内申請などをサポートしてくれる企画部内のスタッフにも日々支えられています。イベントを成立させるには、皆で作り上げ、皆で集客することが欠かせません。「全員でひとつの仕事をしている」と意識することが大切ですし、関わる相手同士が互いになんらかのメリットを与え合えるような関係性でありたいと思っています。

企画業務のノウハウを共有することで、営業の組織力の底上げを

今後の組織としての目標を教えてください。

2021年10月にオリンパスマーケティング株式会社となり、所属部署が企画部から首都圏営業部 企画ユニットになりました。こちらでは、従来のように自分たちがセミナーを企画・運営するだけでなく、セミナー運営のスキルやノウハウを営業メンバーへ移管するという新たなミッションが与えられています。その背景の一つとして、他社競争激化により製品の差別化が難しくなってきたことが挙げられます。営業が、製品の提案だけでなくイベントプロモーションも行えるようになることで、先生方との関係性をさらに強化し、市場を“面で攻める”活動ができる組織づくりを目指しています。私もかつて営業をしていたので、イベント運営の業務も手がけるとなると、営業メンバーの負担がとても大きくなることは想像に難くありません。営業戦略の引き出しが増えることにつながると信じて、営業と協同でレクチャーを進めています。

私個人としては、企画業務で培った経験を活かし、いずれまた営業に戻りたいと思っています。自分が所属する部署やチーム内でイベントプロモーションのノウハウを共有するなどして組織力の底上げに貢献し、社内に還元していきたいです。

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