BOLDプログラムは2021年の1月からスタートし、これまで3つのフェーズに分けて進めていきました。
フェーズ1として、各拠点で実施されているベストプラクティスを集め、理想のプロセスを構築することで標準化を可能にするガイドラインの策定を進めました。プロセスごとにチームを作り、そこに全世界の修理拠点から代表者が参加し討議を繰り返し、全世界共通で適用できる最適なプロセスを検討していったんです。
たとえば、修理期間を短縮するには、修理プロセスを変えるという方法もありますが、「最も効率的なプロセス」は拠点の規模などによって異なります。修理プロセスが1から10まであるとして、大規模拠点であれば製造工場のようなライン生産方式のように1が終わったら2に渡す、という方法が最適です。一方で、作業者数名で動かしている小規模拠点であれば、すべてのプロセスを一人の作業者が完了させる方が効率的かつスムーズです。
しかしこれまでは各拠点の判断で「ウチにはこのプロセスが最適だろう」と決め、グローバルで統一された判断基準がない状況でした。そこで「作業者が〇〇人以上いる拠点であれば、こういうプロセスが最適」「この規模の拠点であれば、このレイアウトにすると効率的」という明確な判断基準を定義することからはじめました。
次にフェーズ2として、フェーズ1で定義したプロセスをインド・カナダの修理拠点に試験導入しました。この試験導入の中でガイドラインの導入効果を見極めると共に、プロセスの検証・改善を行い、ガイドラインを本当に使えるレベルへ更新しました。
そして現在は、フェーズ3として全世界の修理拠点への本格導入を進めています。昨年、白河の修理拠点への導入を完了させ中国へも導入展開中です。今年からアジア全域、欧州、米国とグローバル展開を進め、2025年3月での完了を予定しています。