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法規制を遵守した安全な製品を届けたい。RA業務プロセスの標準化に挑むマネージャーの想い

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RA業務の完遂には現場との信頼関係が不可欠。相手の立場に立ったコミュニケーションを

所属する部署の仕事内容について教えてください。

RA(Regulatory Affairs)のRAインテリジェンスというグループに所属しています。医療機器を販売するためには、「法規制に準拠した社内業務プロセスのもとで、製品を開発製造し、世に送り出す」ことが必要です。RAは各国の要求事項を確認し、製品が準拠すべき要求を識別し、関連文書と連携して必要なレポートや書類を準備して各国行政に対して製品を登録します。これにより製品が販売できるようになります。

その中でもRAインテリジェンスの主なタスクは、ビジネスを推進する上で必要な法規制情報をインプットすること。各国行政から出される要求事項を把握・調査し、当社にとっての影響を分析した上で、インパクトがあると判断したものを社内展開し、期日までに必要な対応が実施されているかをモニタリングします。

例として、UDI(ユニーク・デバイス・アイデンティフィケーション)規制が発行された際の対応が挙げられます。販売される医療機器に製品識別のためのバーコード表示と製品情報のデータベース登録を義務づけるUDI規制というものが施行されるにあたり、その要求事項を開発担当や製造工場などに対してインプットし、製品本体にバーコードを印字するための新設備の導入などを含め新しい設計・製造プロセスの整備につなげました。

また、現在はRAプロセスのグローバル化にも携わっています。日本、アメリカ、ドイツ、英国の開発製造拠点が有するRAインテリジェンスプロセスを統合し、業務の重複をなくして効率化するとともに、オリンパスグローバルとしての法規制遵守に向けた活動の進捗状況を一元的に把握することをめざしています。

仕事をする上でどんなことを大切にしていますか?

RA業務は、開発担当や製造工場など現場の方たちに動いてもらえなければ完遂できません。信頼関係を築き、気持ちよく対応してもらうためにも、相手の立場に立ったコミュニケーションを心がけています。とくに、情報を提供するときに気をつけているのは、正確かつ明瞭に説明すること。万が一、相手に間違って伝わるようなことがあると、手戻りが発生して多大な迷惑をかけてしまうことになるからです。

また、開発や製造の部門から「こういう対応をしようと思うけど、問題ありませんか?」と質問を受けたときも、該当する英語の法規制をただ手渡して、「これを読んでください」と言うのではなく、相手が何を望んでいるのかを考えた上で、求める情報をできるだけわかりやすいかたちで渡すことを意識しています。

また、現在、私はグローバルとオリンパスメディカルシステムズ(以後、OMSC)両方のマネージャーを務めています。とくに、私が管轄するRAインテリジェンスメディカルでは、それぞれが高度に専門化された分野で仕事をしているため、一人ひとりの考えや解釈を尊重し、サポートするようなマネジメントを心がけてきました。

メンバーが目標を達成しやすい環境をつくることが、マネージャーである私の責務。困り事をひとりで抱え込まず、仕事を進めやすくするために私を活用してほしいと伝えています。

遠く離れた拠点のメンバーもいることから、グローバルで連携しながら業務を進めることも重視している点です。リージョンごとに食い違いが生じないよう、整合性を図りながら明確なひとつの方針を示せるように努めています。

グローバルな環境でプロセスの統合に取り組んだ経験が成長のきっかけに

入社から現在に至るまでどのような経験をしてきましたか?

入社以来、ずっとRAの部署に所属しています。初めはアメリカや中南米などの法規制の調査分析を担当し、育休取得を経てアジア担当も経験しました。

その後、部内異動してグローバルプロジェクトのPMO(プロジェクトマネジメントオフィス)業務に1年ほど携わってから、もとのグループへ戻り、今度は特定の国・地域ではなく世界各国の法規制を見る立場に。ほどなくしてマネジメントにも関わるようになり、2022年にグローバル組織としてRAインテリジェンスが発足するのにあわせてマネージャーに就任しました。

これまでのキャリアでとくに印象に残っているのは、育休が明けてすぐにグローバルプロジェクトのPMO業務を担当したときのことです。海外のメンバーとの会議が急に増えただけでなく、その場を取りまとめてタスクを割り当てる立場になるなど、業務の内容が大きく様変わりしました。

それまでも英語を使ってコミュニケーションする場面はありましたが、会議の取りまとめ役を任されたのはそのときが初めて。オンラインならではの難しさにも直面する中、上司が同席しないケースも多く、責任を持ってプロジェクトを進めていくことが求められました。当時は英会話の勉強に時間を割く余裕もなかったので、日々実践あるのみ。場数を踏むことで慣れていきましたね。

ターニングポイントになった出来事はありますか?

グローバルでプロセスを統合する活動に携われたことが転機になったと思います。アメリカやドイツといった大きな拠点だけでなく、シンガポールや中国などのメンバーとも議論しながら業務プロセスを組み立てたことで、知識やスキルの幅が一気に広がりました。現在も取り組むRAプロセスのグローバル化にアサインされたのも、そのときの経験があったからこそ。その後の私のキャリアを方向づける、重要なポイントになったと思います。

それぞれのリージョンの意見や考えを擦り合わせていく上で学んだのは、相手に対して完璧を求めないことの大切さです。日本では最初から細かいところを詰めようとする傾向がありますが、その進め方がグローバルでもうまくいくとは限りません。とくにアメリカやドイツの場合、細かくリクエストしてもその通りに対応してくれないケースが少なくありませんでした。

重要なのは、目的と課題の大枠を伝えた上で、How(対応の内容)をある程度相手に委ねる柔軟さ。サステナブルな業務プロセスを構築していくためには、まず相手が受け入れられる程度のゴールを設定し、必要に応じて細かいところへと落とし込んでいけばいいと、今は考えています。

とは言え、グローバル組織になってまだ日が浅いこともあり、グローバル共通で最適な業務の進め方というのは、正直誰にもわかりません。だからこそ、各地域それぞれのメンバーから意見を聞きながら、コミュニケーション自体を活性化させておくことが、今後の業務の進め方を統合し、浸透させていくためにも必要なのだと感じています。

グローバル拠点の法規制対応をリード。安全な製品を届けるために「Patient safety」にこだわる。

RAという仕事のおもしろさややりがいをどんなところに感じますか?また、オリンパスのRAとして大切にしていることは?

RAは、各部署に対して要求事項に準拠した製品をつくるための最初の働きかけをする立場にあります。大きな方針のもと、情報を発信する側に立つことに大きなやりがいを感じます。

また、法規制が要求する基準にしたがって製品が開発・製造されるようにするのもRAの役割。その結果として、安全性や有効性が保証されたものを患者さんに提供することを大前提とする「Patient safety」にこだわり続けたいと考えています。

製品は何十年もの間世に出され続けることが少なくありませんが、販売中の製品モデルも新しい法規制の対象になって、製品を変更して対応しないといけない場合があります。つまり、たくさん製品を売るほど法規制対応を徹底するのが難しくなり、対応が行き届かないために当局から注意を受けることにもなりかねません。オリンパスのすべての製品が法規制を遵守し、安全性を保証するためのサステナブルな体制づくりが必要だと個人的には考えています。

オリンパスで働く魅力について教えてください。

医療機器メーカーとして国内に開発製造機能を持つだけでなく、海外の開発製造拠点や販売拠点も多くあるため、RAの規模が大きいのがオリンパスの特徴だと思います。日本はもちろん海外の法規制にも幅広く関われる環境は希少ですし、各拠点に対して日本がリードできる立場にあるところにも魅力を感じています。

また、在宅勤務など自由度の高い働き方が可能なので、出産後も無理なく育児と仕事を両立できています。もちろん夫の協力あってこそですし、お互いの仕事や忙しさを理解・尊重し合うことが大事ですが、在宅だと仕事と家事・育児のバランスが取りやすいので助かりますね。

さらに、性別や年齢に関係なくキャリアアップのチャンスがあり、管理職に挑戦できるのもオリンパスの魅力。育休中に仕事を離れたことでキャリア継続への不安を感じたこともありましたが、杞憂でした。復職後も重要な仕事を任せてもらえたおかげで、これまでやりがいを感じながら働き続けることができています。

関心の向く先は個人の力からチームの力へ。業務プロセスと組織のグローバル化に向けて

今後の展望を教えてください。

法規制要求は日々刻々と変化しています。現在は業務プロセスを構築する活動の方が中心になっていますが、海外で開催されるオンラインセミナーなどにも積極的に参加しながら知識の幅を広げ、遅れを取らないよう継続して学び続けていきたいですね。

また、入社して約10年間は、RAのエキスパートとして個人の能力を高めることをめざしてきましたが、PMO業務などに携わったことで、チームで成果を出すことの価値や大切さに気づきました。優秀なメンバーがどうすれば力を発揮できるかを考え、それがうまくいったときは大きな達成感を得られますし、まだ誰も経験したことのない、グローバルでのチームワークのあり方を考えるのもとても刺激的です。

プレーヤーとマネージャー双方の業務におもしろさを感じていますが、どちらかというと今関心があるのは、後者。個人の力では決して到達し得ない、より大きな成果をめざしてマネジメントに力を入れていけたらと考えています。

グローバルRAプロセス統合活動への意気込みもお願いします。

RAインテリジェンス自体がグローバルの新しい組織なので、過渡期にある業務プロセスと組織の変革を両輪で回しながら進めていくことが、マネージャーである私の目標です。

業務プロセスも組織も、課題が出てくるのはこれからですが、メンバー全員で一丸となって取り組んでいきたいと思っています。マネージャーとして、それぞれのメンバーの意見を尊重しながらうまく改善につなげるサポート役になれたらと考えているところです。

グローバル組織の中でメンバー同士の距離感がなかなか縮まらないことをもどかしく感じることもありますが、それはリージョンごとの業務プロセスが違うからにほかなりません。業務プロセスが標準化されれば、おのずとコミュニケーションが活発になり、それにともなってチームワークも強化されるはず。ボーダレスに一つのチームとなって、誰もが同じチームのメンバーだと認識し合えるような組織へと導いていけるように、力を尽くしていくつもりです。

記載内容は2023年7月時点のものです

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