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1997年10月20日
徹底して術者の視点で考えた
手術用顕微鏡 「OME-8000」シリーズ
手術用顕微鏡 OME8000シリーズ
手術用顕微鏡 「OME-8000」
手術用顕微鏡は、マイクロサージェリー ※1 を行うのに必要不可欠な機器で、脳神経外科・眼科・耳鼻科・整形外科・形成外科・産婦人科・一般外科等様々な臨床科の手術で使用されます。特に、近年の高齢化により、脳血管疾患等が増え、脳神経外科の手術件数も年率7%の割合で増え続けており、手術用顕微鏡の需要は拡大傾向にあります。

当社は、1975年に医療用硬性鏡 ※2 を開発して以来、様々な外科的な治療器 ※3、更には手術用顕微鏡(「OMEシリーズ」、「OME-5000シリーズ」)を開発し、外科系商品の充実化を図って参りました。この度発売しました「OME-8000シリーズ」は、顕微鏡を覗きながら内視鏡画像を同時観察できる ( OME-8013 ) 様な、内視鏡メーカーだからこそできる技術を採用し、長年にわたる先生方のご要望を多彩に盛り込み、遂に商品化となりました。

性能は、従来機種に比べ大幅に向上しており、(1) 世界初の側視鏡の完全立体視観察、(2) 深い術部でも無影で観察可能な完全同軸照明、(3) 無重力感覚で動き、片手操作が可能なカウンターバランスアーム、(4) 微妙な視野移動を実現する電動視野移動機構等、(5) さらには長時間にわたる手術を快適に行うために、操作性を大幅に改善させ、手術の邪魔になる突起を極力減らし、テレビカメラやケーブル、ライトガイド ※4 等を本体に内蔵することで、外観もスリムでスマートなデザインになっております。
主な特長
光学系

  1. 顕微鏡視野内で別の画像が観察可能 ( OME-8013 )

  2. 視野内モニター(視野内左上表示)により顕微鏡観察しながら同時に内視鏡画像、あるいは術前の透視画像 ※5 を観察でき手術をより確実なものにします。またモニターのイン・アウトはフットスイッチにより電動で行えます。

  3. 側視鏡により助手の立体観察が可能

  4. 新光学系の採用により助手が同軸、同倍率で主観察者と同じ立体観察ができます。しかも、助手側から術部に臨める立体観察のため、従来の介助作業がより安全に、正確に行えます。さらに、高倍観察時には助手のみを1ランク低倍にしてマクロ観察が行えます。

  5. 深い術部でも無影で観察可能

  6. 完全同軸照明の採用により、深い術部でも影になることなく観察できます。

操作性

  1. 新バランス機構の採用

  2. 新バランス機構の採用により、グリップスイッチで各関節を無重力感覚で自由自在に動かせます。これにより術中の疲労が大幅に軽減されます。

  3. 長時間手術に専念できるスタイルを追求

  4. 従来顕微鏡部に配置されていた撮影装置を、顕微鏡の支持アームに移動し、術具の操作を妨げません。また、側視鏡は着脱することなく術者の左右及び対向方向に移動でき、楽な姿勢で観察・介助が行え、様々な手術内容に対応します。

  5. 微妙な視野移動がより簡単に

  6. フットスイッチで8方向にコントロールできる電動視野移動機構の採用により、これまで難しかった微妙な視野移動を実現しています。

  7. 術者の好みに合わせたエントリー設定

  8. 各速度(変倍、フォーカス、視野移動)、対物レンズの焦点距離、フットスイッチコントロール等は、架台部のコントロールパネルで一括してワンタッチで設定できます。

  9. コンパクト設計

  10. 新バランス機構によりバランスをとるためのカウンターウェイトの突出がないため、手術室の占有度を非常に小さくすることができました。


拡張性

  1. ナビゲーション装置 ※6 との接続が可能

  2. 顕微鏡用ナビゲーションに必要な位置情報を出力できます。
    ※1 マイクロサージェリー: 顕微鏡を覗きながら直径 1mm の細い血管同士を縫い 合わせたり、微細な組織にメスを入れたりする手術。
    ※2 医療用硬性鏡 金属管の内部にレンズを組み込み、レンズで像を伝送する構造になった内視鏡のことで、外径 1.2 ~ 10mm 程度のものがあります。脳神経外科・耳鼻科・整形外科・泌尿器科・婦人科・外科等のあらゆる臨床科で使用されます。近年、特に内視鏡下外科手術が急速に普及し市場が拡大しています。
    ※3 様々な外科的な治療器: 医用レーザー装置、高周波焼灼電源装置、ハイパーサーミア装置、超音波メス、超音波凝固切開装置等の治療器。
    ※4 ライトガイド: 光を伝達するためのグラスファイバーケーブルのこと。
    ※5 透視画像: CT ( Computed Tomography ) :コンピューター断層診断装置や MRI ( Magnetic Resonanle Imaging ) :磁気共鳴画像装置等の機器で、体の内部の様子を画像化したもの。
    ※6 ナビゲーション装置: 患者の CT や MRI の画像データを事前にコンピュータに ストックし、術中に指摘した患部の位置情報を出力する装置。
主な仕様
顕微鏡部 変倍 倍率比 1:6 ( 4倍ズーム及び主副独立 1.5倍のターレット変倍 )
総合倍率 3x ~ 18x (対物レンズ焦点距離 300mm の場合)
変倍速度を 5段階に設定可能
フォーカス 対物焦点距離可変方式(電動)
フォーカス速度を 5段階に調整可能
双眼鏡筒 傾斜角範囲 前後 150° 左右 360°
( OME8013 は前後 120° 左右 60° )
接眼レンズ 同左
ただし、片側(右)ヘリコイドを採用
対物レンズ 広角、ハイアイポイント接眼レンズ 10x 視野数 21
側視鏡 焦点位置可変 ( 250mm ~ 380mm )
照明 完全同軸無影照明
撮影装置 3CCD 小型テレビカメラ、35mm スチルカメラ接続可能
視野内モニター
( OME-8013 )
視野内に高解像小型液晶モニター画像を表示
(内視鏡像との同時観察可能)
顕微鏡部の移動 カウンターバランス式電磁ロック機構
電動視野移動機構(フットスイッチによりコントロール)
架台部 アーム伸長 最大 1500mm
可動範囲 垂直 980mm、水平 990mm、アーム回転角 360°
重量 330kg
光源 高輝度キセノンランプ 300W 使用(ライトガイド式)
補助光源 ハロゲンランプ 150W 内蔵
オリンパス光学工業株式会社は、2003年10月1日をもってオリンパス株式会社と社名変更いたしました。
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