2007年7月6日
球面・非球面レンズを超えた新光学系「軸対称自由曲面レンズ」
の設計手法を開発
~ 全方位※1の動画像の撮影可能なカメラ、及び投影可能なプロジェクターの試作機へ応用し、新たなソリューションを提供 ~
オリンパス株式会社(社長:菊川 剛)の未来創造研究所(所長:遊佐 厚)は、従来の光学系(レンズ)にはない、新しい設計手法を確立しました。この手法は「自由曲面プリズム」※2を応用して、レンズの光学特性とレンズ表面を定義する曲線の関係を大幅に見直して開発されたもので、従来の球面・非球面レンズで用いられていた設計手法では定義できないような、はるかに自由度の高いレンズの設計も可能となりました。当社はこの手法を用いて、全方位(水平画角360°)に投影でき、また全方位を撮影できる「軸対称自由曲面レンズ」を開発すると同時に、このレンズを組み込んだプロジェクター、及びCCDカメラの試作品を開発しました。
今回当社が開発した「軸対称自由曲面レンズ」はプラスチック製で直径約6cmでコマ型の形状をしており、このレンズに入射した光線は内部で反射して全方位へ投影されます。この光学系を搭載したプロジェクターを用いて、例えばイベントなどのドーム状のパビリオンにおいて全方位ならではのコンテンツを楽しめます。また、この光学系を搭載したカメラを天井に設置すれば室内を全方位見渡せるセキュリティカメラとして使うことも可能です。
今後は、人びとに安らぎや臨場感を与える映像技術への応用に向けて、さらなる先進光学系の研究を進めていきます。
※1 | 半球状。水平画角360°、垂直画角45° |
---|---|
※2 | 2004年当社開発。回転対称でない自由形状のレンズ面とプリズムを融合させてレンズ作用を持たせた光学素子 |
オリンパス・未来創造研究所の概要
未来創造研究所は、2003年4月に設立され、オリンパスの経営理念「Social IN(ソーシャルイン)」に基づいて、未来を想像し「未来価値」を創出することを目的としています。
既存の研究開発センターが3~5年先の「将来」の事象を研究しているのに対し、未来創造研究所は5~10年先、あるいはその先の「未来」の事象を研究し、未来事業に向けたコアコンピタンスの探求をミッションにしています。未来創造研究所では、従来のように未来技術を予測して研究開発を進めるのではなく、未来創生という視点から人々の生活価値の創造・実現を目指しています。
当レンズを搭載したプロジェクター(左)とCCDカメラ(右)
(共に試作品) |
- 本リリースに掲載されている内容は、報道関係者向けに発表した情報です。
- 掲載内容は、発表日現在の情報であり、ご覧になっている時点で、予告なく情報が変更(生産・販売の終了、仕様、価格の変更等)されている場合があります。
- 掲載されている社名、製品名、技術名は各社の商標または登録商標です。
本文の終わりです