2012年10月2日
観察性能、操作性・挿入性、業務効率のさらなる向上を目指した
国内向け内視鏡ビデオスコープシステムの最上位機種
「EVIS LUCERA ELITE(イーヴィス ルセラ エリート)」を発売
オリンパスメディカルシステムズ株式会社(社長:田口 晶弘)は、国内向け内視鏡ビデオスコープシステム「EVIS LUCERA ELITE」を2012年11月から順次発売します。より先進的で安全な内視鏡を提供するため、観察性能、大腸内視鏡検査での操作性、内視鏡検査室の業務効率向上を追求しました。
本システムは「EVIS LUCERA」から約10年ぶりに導入される国内向けシステムで、2012年4月から欧米で発売を開始した「EVIS EXERA III」とともに、当社の最上位機種に位置付けています。本システムの「上部消化管汎用ビデオスコープOLYMPUS GIF-HQ290」と「大腸ビデオスコープ OLYMPUS CF-HQ290シリーズ」は、従来のハイビジョン画質を大幅に上回る高精細画像を実現するとともに、国内向け製品初となる2段階フォーカス切り替えの機能が搭載されます。がんなどの微細病変の早期発見に貢献する狭帯域光観察(NBI)※1も進化させ、観察性能が一段と向上しました。
なお、10月10日~13日、神戸国際展示場で開催される「第20回日本消化器関連学会週間(運営委員長:岩手医科大学 消化器・肝臓内科分野 鈴木 一幸 教授)」で本システムの展示を行います。
※1 | 狭帯域光観察(Narrow Band Imaging=NBI)…粘膜表面の微細な血管や模様を観察するために、血液中のヘモグロビンに吸収されやすい2つの狭帯域の光を照射し、組織の強調表示を行う観察方法。 |
---|
「EVIS LUCERA ELITE」の製品構成および発売の概要(国内)
販売名 | 発売時期 |
---|---|
EVIS LUCERA ELITE ビデオシステムセンター OLYMPUS CV-290 | 2012年11月予定 |
EVIS LUCERA ELITE 高輝度光源装置 OLYMPUS CLV-290SL
EVIS LUCERA ELITE 高輝度光源装置 OLYMPUS CLV-290 |
|
EVIS LUCERA ELITE 上部消化管汎用ビデオスコープOLYMPUS GIF-XP290N | 2012年12月予定 |
EVIS LUCERA ELITE 上部消化管汎用ビデオスコープOLYMPUS GIF-HQ290
EVIS LUCERA ELITE 上部消化管汎用ビデオスコープOLYMPUS GIF-H290 |
2013年1月予定 |
EVIS LUCERA ELITE 大腸ビデオスコープ OLYMPUS CF-HQ290 シリーズ
EVIS LUCERA ELITE 大腸ビデオスコープ OLYMPUS CF-H290 シリーズ EVIS LUCERA ELITE 大腸ビデオスコープ OLYMPUS PCF-H290 シリーズ |
市場導入の背景
医療費の削減や医療の効率化が重要視されている現在では、病変部の組織を採取して行う病理診断以上に医療費の削減が期待できるとして、内視鏡による形態診断が注目されています。また、内視鏡は、日本人の死因第1位であるがんに対する貢献に期待が寄せられています。
そのがんなどの微細病変の早期発見に向けた診断・治療は発展を続けています。国内の内視鏡診断において、拡大内視鏡を用いた狭帯域光による観察が「狭帯域光強調加算」として平成22年度より保険収載されました。また内視鏡治療は、開腹手術に比べ低侵襲治療であることから、その実施件数も増え続けています。
今回開発した「EVIS LUCERA ELITE」は、これまで以上の観察性能と操作性・挿入性を目指しました。当社は、消化器内視鏡のリーディングカンパニーとして、技術力をベースに医療現場のニーズに応えるとともに、患者様の負担軽減を目指し、これからも世界中の人々の心と健康に貢献し続けます。
主な特長の詳細
1. 観察性能の向上
本システムの「上部消化管汎用ビデオスコープOLYMPUS GIF-HQ290」と「大腸ビデオスコープ OLYMPUS CF-HQ290シリーズ」は、従来のハイビジョン画質を大幅に上回る高精細画像を映し出します。画像ノイズを低減するよう改良した「EVIS LUCERA ELITE ビデオシステムセンター OLYMPUS CV-290」と組み合わせることで、システム全体で鮮明な画像を実現します。また、これらには、ボタンひとつで通常観察と近接拡大観察を切り替えるデュアルフォーカス機能が搭載され、胃や大腸などピント合わせの難しい狭い空間において、粘膜や毛細血管などの近接観察もできるようになりました。
また、当社独自の技術である「狭帯域光観察(NBI)」を従来製品から進化させ、対象臓器の奥まで明るく映し出すことで、詳細な観察をサポートします。また、経鼻挿入も可能な極細径の「上部消化管汎用ビデオスコープ OLYMPUS GIF-XP290N」は、先端部外径5.4mmという細さながら、高画質な画像を提供します。また、大腸の腸壁に隠れた病変部の発見率向上を目指し、今回発売する3機種すべての大腸ビデオスコープで170度の広視野角を実現しました。
従来のハイビジョン画質を
大幅に上回る高精細画像 |
従来製品から向上した
NBI画像 |
画像提供:京都第二赤十字病院 消化器内科 河村 卓二先生 |
デュアルフォーカス(通常観察時) | デュアルフォーカス(近接拡大観察時) |
画像提供:東京慈恵会医科大学 内視鏡科 郷田 憲一先生 |
2. 操作性・挿入性の向上
本システムの大腸ビデオスコープ全3機種に、操作者の操作性向上や患者様の苦痛軽減を目指した技術が搭載されました。屈曲した形状の大腸でスムーズな挿入を行えるよう、腸壁にスコープが当たると自然に曲がる「受動湾曲」機能や、大腸の形状や長さによって操作者の手元側の力をより効率的に先端に伝えるための「高伝達挿入部」を採用しました。これにより、検査効率の向上と患者様の苦痛の軽減に貢献します。
また、全ての上部消化管および大腸ビデオスコープがビデオシステムセンターや高輝度光源装置にワンタッチで接続できるようになりました。これにより、セッティングのほか、使用後の洗浄・消毒時の取り外しの簡易化が可能になります。
3. 業務効率の向上
本システムは内視鏡検査室の運用管理における業務効率の向上にも貢献します。院内情報ネットワークと連携させることで、内視鏡検査室の稼働状況や予約状況のほか、検査結果やスコープの洗浄記録、さらには検査時間や稼働率などのデータを一元管理することができます。
また、院内情報ネットワークと連携することで、全体のワークフローの最適化にも貢献します。効率的な内視鏡画像の記録・管理には、従来のハイビジョン画像記録装置「IMH-20」、「IMH-10」のほかに、ビデオシステムセンターから直接記録ができるポータブルメモリ「MAJ-1925」も使用できます。
主な仕様
EVIS LUCERA ELITEビデオシステムセンター OLYMPUS CV-290
形状寸法 | 370(W)×85(H)×455(D)mm(標準寸法) 382(W)×91(H)×489(D)mm(最大寸法) |
---|---|
質量 | 10.7kg |
消費電力 | 150VA |
映像信号出力 | HDTV、SDTV |
主な機能 | 特殊光観察機能(狭帯域光観察:NBI、蛍光観察:AFI、赤外光観察:IRI)、ハイビジョン信号出力、構造強調、輪郭強調、オート測光、プリフリーズ、ノイズリダクション |
EVIS LUCERA ELITE高輝度光源装置 OLYMPUS CLV-290SL/CLV-290
形状寸法 | 370(W)×150(H)×476(D)mm(標準寸法) 390(W)×162(H)×551(D)mm(最大寸法) |
---|---|
質量 | 18kg |
消費電力 | 600VA |
ランプ | キセノンショートアークランプ(オゾンレス)300W |
主な機能 | 特殊光観察機能(狭帯域光観察:NBI、蛍光観察:AFI(CLV-290SLのみ)、赤外光観察:IRI(CLV-290SLのみ))、強・中・弱3段階送気、非常灯自動切替 |
EVIS LUCERA ELITE上部消化管汎用ビデオスコープ
GIF-HQ290 | GIF-H290 | GIF-XP290N | ||
---|---|---|---|---|
光学系 | 視野角 | 通常観察時:140度
近接観察時:140度 |
140度 | |
視野方向 | 0度(直視) | 0度(直視) | ||
観察深度 | 通常観察時:7~100mm
近接観察時:3~7mm |
3~100mm | ||
照明方式 | ライトガイド方式 | |||
先端部 | 10.2mm | 8.9mm | 5.4mm | |
軟性部 | 9.9mm | 8.9mm | 5.8mm | |
有効長 | 1030mm | 1030mm | 1100mm | |
全長 | 1350mm | 1350mm | 1420mm | |
鉗子 | チャンネル内径 | 2.8mm | 2.8mm | 2.2mm |
最小可視距離 | 3.0mm | 3.0mm | 2.0mm |
EVIS LUCERA ELITE大腸ビデオスコープ
CF-HQ290L/I | CF-H290L/I | PCF-H290L/I | ||
---|---|---|---|---|
光学系 | 視野角 | 通常観察時:170度
近接観察時:160度 |
170度 | |
視野方向 | 0度(直視) | 0度(直視) | ||
観察深度 | 通常観察時:9~100mm
近接観察時:4~9mm |
5~100mm | ||
照明方式 | ライトガイド方式 | |||
先端部 | 13.2mm | 12.2mm | 11.7mm | |
軟性部 | 12.8mm | 12mm | 11.5mm | |
有効長 | L:1680mm I:1330mm | |||
全長 | L:2005mm I:1655mm | |||
鉗子 | チャンネル内径 | 3.7mm | 3.2mm | 3.2mm |
最小可視距離 | 3.0mm | 3.0mm | 3.0mm |
- 本リリースに掲載されている内容は、報道関係者向けに発表した情報です。
- 掲載内容は、発表日現在の情報であり、ご覧になっている時点で、予告なく情報が変更(生産・販売の終了、仕様、価格の変更等)されている場合があります。
- 掲載されている社名、製品名、技術名は各社の商標または登録商標です。
本文の終わりです