2014年9月10日
リサイクル原料の選別や製造現場の品質検査で役立つ非破壊検査機器
片手で簡単に操作できる蛍光X線分析計「DELTA Element」を新発売
オリンパス株式会社(社長:笹 宏行)は、科学事業における新製品として、ステンレス、銅合金、ニッケル合金、チタン合金など各種金属材料や貴金属の成分分析を行え、製造現場の品質管理などで活躍するハンドヘルド蛍光X線分析計「DELTA Element(デルタ・エレメント)」を、2014年10月1日に発売します。
ハンドヘルド蛍光X線分析計は、測定する対象物にX線を照射し、発生した蛍光X線を感知することで対象物に含まれる成分(元素)の種類や含有量を測定する非破壊検査機器です。対象物を壊さずに、その場で元素分析を迅速に行えることから、合金やリサイクル原料の評価、製造現場での品質検査、貴金属の評価など、世界中で幅広く使用されています。
今回発売する「DELTA Element」は、ハンドヘルド蛍光X線分析計「DELTA」シリーズのエントリー機です。操作性や本体の堅牢(けんろう)性など上位機と同等の基本性能を備えながら、合金測定に必要な基本的な機能に特化しているため、検査業務のコストダウンに貢献します。
発売の概要
製品名 | 発売日 |
---|---|
ハンドヘルド蛍光X線分析計「DELTA Element」 | 2014年10月1日 |
主な特長
- 上位機と同等の基本性能を持ち、優れたコストパフォーマンスを実現
- 丈夫で堅牢性の高い設計
- 「合金判定機能」の搭載により、業務の効率化を実現
主な特長の詳細
1. 上位機と同等の基本性能を持ち、優れたコストパフォーマンスを実現
エントリー機でありながら上位機と同等の基本性能を備え、高い操作性と検査スピードを実現します。合金測定に必要な基本的な機能に特化しているため、検査業務のコストダウンに貢献します。
2. 丈夫で堅牢性の高い設計
耐久性の高いラバー製の外装やグリップを採用し、丈夫で堅牢(けんろう)性の高い本体を実現しました。また、X線照射窓には強靭(きょうじん)なフィルム素材であるカプトンを使用しています。検査時は、照射窓と検査対象物を密着させた状態でX線を照射しますが、尖った形状の金属片など、さまざまな対象物がある現場でも破損を気にすることなく安心して使用できます。
3. 「合金判定機能」の搭載により、業務の効率化を実現
上位機と同等の500種類以上の合金種ライブラリを搭載し、成分値から該当する合金種を素早く判定します。また、判定結果ごとに、現場の作業工程に応じた次の作業内容をあらかじめ登録することができます。測定時に判定結果とともに表示させることで、リサイクル原料の選別現場などで作業者が迷わず次の作業に移ることができるなど、業務の効率化に役立ちます。
主な仕様
質量 | 1.8kg(バッテリーを含まない) |
---|---|
寸法 | 260mm × 240mm × 90mm |
エックス線管および
ターゲット材 |
4W(最大管電圧35kV)TaまたはAuX線管 |
検出器 | SiPIN( シリコンピン)ダイオード検出器 |
使用環境温度 | -10ºC~50ºC |
分析可能元素 | 合金モード:
Ti,V,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Zr,Nb,Mo,Pd,Ag,Cd,Sn,Sb,Hf,Ta,W,Re,Pb,Bi |
貴金属モード:
Ti,Cr,Mn,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,Zr,Ru,Rh,Pd,Ag,Cd,In,Sn,Sb,W,Ir,Pt,Au,Pb,Bi |
|
演算処理 | 530MHz CPU(FPU内蔵)、128MB RAM; デジタルパルスプロセッサー(DPP) |
電源 | 充電式Li-ionバッテリー; ホットスワップ機能によりバッテリー交換時も電源継続可 |
表示装置 | 32bit QVGAカラー、半透過型バックライトタイプのタッチスクリーン(寸法:57x73mm) |
データ記録 | 1GB microSDカード(約75,000データを保存可能) |
(科学事業とは)
「ライフサイエンス・産業事業」は、2014年4月1日より「科学事業」に名称を変更しました。
「医療」および「映像」と並ぶ、オリンパスの3大コア事業のひとつで、主な製品は光学顕微鏡と工業用内視鏡および非破壊検査機器です。科学事業はこれらを通して、医療・生命科学・産業分野における研究開発、生産現場における品質向上、航空機や大型プラントなどの検査による社会インフラの安心・安全確保に貢献しています。
- 本リリースに掲載されている内容は、報道関係者向けに発表した情報です。
- 掲載内容は、発表日現在の情報であり、ご覧になっている時点で、予告なく情報が変更(生産・販売の終了、仕様、価格の変更等)されている場合があります。
- 掲載されている社名、製品名、技術名は各社の商標または登録商標です。
本文の終わりです