食道がんにおける早期発見の重要性
1. 食道がんの傾向(性別、年齢との関係)
食道がんは、加齢とともに罹りやすくなり(食道がんの患者は55歳以上に多い)、罹患者は女性よりも男性に多く見られます。世界全体で、食道がんになる人のおよそ70%が男性と報告されており、男性の罹患率は、女性の2倍から3倍となっています。
2. どうやってがんを見つけるか ―食道がんの主な検査方法―
食道がんでは、特定の年齢、性別の人を対象としたがん検診は行われていませんが、食道がんにかかるリスクが高い人(飲酒量が多く喫煙習慣のある人や、胃食道逆流症やバレット食道などの疾患を持つ人)は、任意で検診を受けることが推奨されています。食道がんには、さまざまな検査方法があります。
食道がんの検診は、一般的に、食道の粘膜を直接見ることのできる上部消化管内視鏡検査が行われます。X線検査として行われる造影剤(バリウム)を使用した検査は、通常は滑らかな食道の内層(内側の壁の部分)の異変を発見するのに有効で、患者に嚥下障害(飲み込みに問題のある症状)がある場合によく利用されています。また、胃のX線検査や内視鏡検査で、偶然食道がんが見つかることもあります。
※ 検査の方法や検診制度は国、地域によって異なります。
3. 食道がんは早期発見が重要
食道がんが早期に発見された人の生存率は、比較的高くなっています。つまり、早期発見が生存率を高めているのです。最近では早期発見される機会が増え、米国における食道がんの5年生存率(進行がんと早期がんの両方を含む)は、1970年代には5%でしたが、現在は約20%まで上昇しています。早期に発見された場合に限ると、この数字は45%まで上昇します。このことは、早期発見の重要性を示しています。
本コラムは、がんに関する一般的な情報提供を目的として、医師監修の下作成されています。 医師その他医療従事者等が行うべきアドバイスやサービスの提供に取って代わるものではありません。健康状態に関して気になることがございましたら、かかりつけ医師、または専門医にご相談くださいますようお願いいたします。