胃・大腸がん検診と内視鏡検査に関する意識調査白書2024

オリンパス株式会社は、全国40~60代男女計14,100人を対象とした調査を実施し、「胃・大腸がん検診と内視鏡検査に関する意識調査白書2024」を発行しました。本調査は、社会貢献活動の一環として、がん検診および内視鏡検査について、一般市民のみなさまに理解を深めていただくことを目的としております。白書内では、がん検診の受診状況や受診・未受診理由、内視鏡検査への意識などをまとめています。

本サイトの内容は、各種機関の情報を参照した上で作成しています。

「胃・大腸がん早期発見・治療による治癒率は90%以上*1」 しかし、その認識率は3割未満。
早期発見によるメリットは、未だ多くの方に認識されていない実態が明らかに

*1 全国がんセンター協議会 全がん協部位別臨床病期別5年相対生存率(2011-2013年診断症例)による

胃・大腸がん検診と内視鏡検査に関する意識調査白書2024

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トピックス

「胃・大腸がん早期発見・早期治療による治癒率は90%以上」 しかし、それを認識している人は3割未満

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胃がん・大腸がんは、早期に発見して治療をすれば、治る可能性がとても高く、治癒率は98%以上*1です。しかし意識調査の結果、このことを認識している人は3割未満でした(治癒率90%未満と回答した人が7割以上)。また、治癒率60%未満というように実態と乖離した認識の人も約3割という結果に。早期発見・治療によるメリットは、未だ多くの方に認識されていない実態が明らかになりました。

*1 全国がんセンター協議会 全がん協部位別臨床病期別5年相対生存率(2011-2013年診断症例)による

早期がんは自覚症状がないことが多い。だから検診は “自覚症状のない人”が受ける必要がある。しかし、「検診を受けなかった理由」は “自覚症状もないから” が最多

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胃と大腸の早期がんは自覚症状がないことがほとんど。したがって、早期発見のためのがん検診は、“症状のない人”が受けるものなのです。しかし調査の結果、胃・大腸がん検診ともに、受けなかった理由は“自覚症状もないから”が最多。検診は “自覚症状のない人” が受けるもの。その考え方そのものが理解されていないことが伺えました。

胃・大腸がんを疑う初期症状が続いたとしても、医療機関を受診するのは4割未満

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がん検診は症状がない方が対象ですが、一方で、既に症状が続く方は早めに医療機関を受診する必要があります。しかし、胃がん・大腸がんの代表的な症状は、日常生活でもそれほど珍しくない症状(胃痛、腹痛、便秘や下痢など)も多いため、症状が続いたとしても医療機関を受診する割合は、いずれの症状でも4割未満でした。

胃がん検診において、内視鏡検査を選択した人は半数超

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現在、厚生労働省が指針で定める胃がん検診は「問診に加え、胃部エックス線検査(バリウム検査)又は胃内視鏡検査(胃カメラ)のいずれか」。 調査の結果、「胃内視鏡検査(胃カメラ)」を選択した方が半数以上(51.2%)でした*2。また、内視鏡での受診者は「この検査方法が良いと思って受けた」と回答した人が81.9%*3だったのに対し、エックス線での受診者は、18.7%*3であり、内視鏡の受診機会が限られているためにエックス線を受診している人も一定数いたことが伺えました。

*2 調査結果には人間ドックや職域検診を含む

*3 50~60代で算出

大腸内視鏡検査を受けるにあたって不安なこと1位は “腸管洗浄剤(下剤)でトイレに何度も行くのが面倒”

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大腸内視鏡検査では、病変の見落としを避けるため、下剤によって大腸内部をきれいにすることが大切ですが、その検査前の準備について不安を感じる方が多いことが分かりました。ただ、その回数やつらさを軽減するためにできることもあります。検査前の食事制限を守る、医師に下剤の種類を相談する等、医療機関の案内に沿って基本的な準備をするようにしましょう。

監修医師 小林望先生のコメント

国立がん研究センター中央病院
検診センター長 小林望

今回の調査により、がん検診は「受ける人/受けない人」で二極化が進んでいる実態が分かりました(5つのがん種*4全て)。検診受診者は、「自覚症状がなくても決められた受診間隔で受けるべき」と回答した人が約7割だったのに対し、非受診者は約2割と大きな差になりました。がんは早期の段階では自覚症状がほとんどないため、自覚症状のない方が検診を受診する必要がありますが、まだ検診の考え方そのものを誤解している方も多いことが伺えます。今回、早期発見・早期治療による死亡率減少効果も、未だ十分認識されていないことが分かりました。特に胃・大腸がんについては早期発見・治療で98%以上が治ります*5。対象年齢で自覚症状のない方は、早期発見の手段としてぜひ検診を受けるようにしましょう。

*4 国が推奨する対策型がん検診の対象となっている、大腸・肺・胃・子宮頚・乳がんの5つ

*5 全国がんセンター協議会 全がん協部位別臨床病期別5年相対生存率(2011-2013年診断症例)による

調査概要と回答者属性情報

調査概要

1.調査目的

国民の胃・大腸のがん検診や内視鏡検査に関する意識と行動について、年代・性別等属性ごとの傾向を把握し、胃・大腸がん検診の受診率向上や胃・大腸がんによる死亡数低減に貢献していくために実施

2.調査対象

全国の40~60代の男女 (各都道府県 男女性年代別各50人)

3.調査方法

インターネット調査

4.調査期間

2024年3月8日(金)~3月21日(木)

5.調査内容
  • 厚生労働省推奨の5がんについての受診状況や受診意識について
  • 胃がん検診、大腸がん検診に対する意識と実態把握
  • 内視鏡検査に対するイメージと受診者の実態把握

回答者の属性

1.性年代別構成:性年代別各 2,350人

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40代 50代 60代 合計
男性 人数 2,350 2,350 2,350 7,050
16.7 16.7 16.7 50.0
女性 人数 2,350 2,350 2,350 7,050
16.7 16.7 16.7 50.0
全体 人数 4,700 4,700 4,700 14,100
33.3 33.3 33.3 100.0

2. エリア別構成:各都道府県300人(男女各150人)

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北海道・東北 関東 中部
人数 2,100 2,100 2,700
14.9 14.9 19.1

左右にスワイプが可能です

近畿 中国 四国 九州・
沖縄
全体
人数 2,100 1,500 1,200 2,400 14,100
14.9 10.6 8.5 17.0 100.0

3.職業別構成比:

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公務員 経営者・役員 会社員 その他
(技術系)
自営業
人数 637 255 4,584 393 917
4.5 1.8 32.5 2.8 6.5

左右にスワイプが可能です

自由業 専業主婦
(主夫)
パート・
アルバイト
その他 無職 全体
人数 301 2,241 2,396 201 2,175 14,100
2.1 15.9 17.0 1.4 15.4 100.0

4. 勤務先規模別構成:

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1~9人 10~49人 50~99人 100~299人 300~999人 1,000人
以上
全体
人数 2,270 1,829 1,050 1,299 1,077 2,153 9,678
23.5 18.9 10.8 13.4 11.1 22.2 100.0

5.加入医療保険制度:

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国民健康保険 健康保険組合 全国健康保険協会(協会けんぽ) 共済組合 その他 全体
人数 5,635 2,642 4,476 1,203 144 14,100
40.0 18.7 31.7 8.5 1.0 100.0
健康診断・人間ドック・がん検診の違いについて
健康診断

体の健康状態をある尺度で総合的に確認するプログラム。労働安全衛生法などの法律によって実施が義務付けられた「法定健診」(定期健診とも呼ばれる)と個人が任意判断で受ける「任意健診」に分けられる。

人間ドック

「 任意健診」で、法定健診よりも多い40 ~ 100 項目程度のより高度な検査を行うことが多い。

がん検診

「 がんの疑いあり(要精検)」か「がんの疑いなし(精検不要)」かを調べ、「要精検」の場合には精密検査を受ける。
国は、胃がん検診・子宮頸がん検診・肺がん検診・乳がん検診・大腸がん検診の5種類のがん検診を推奨している。

参照