低侵襲治療処置具、内視鏡下外科手術

内視鏡による治療

内視鏡は、おなかの中を観察するだけでなく、疑わしい病変が見つかった場合には、その部位を採取して病理検査を行ったり、誤飲した異物の摘出やポリープ切除など、様々な治療を行うことができます。これにより、開腹手術に比べて、患者さんの負担が少ない治療(=低侵襲治療)の実現に貢献しています。


内視鏡先端部の構造

ノズル
水や空気を送り出して、おなかの中を観察しやすくします。

ライトガイド
おなかの中を照らします。

鉗子(かんし)出口
吸引をしたり、組織採取や処置をするための道具を出します。

鉗子(かんし)
組織採取や異物の摘出、ポリープ切除、止血などの処置を行うための道具で、様々な種類があります。鉗子出口から出し入れします。

対物レンズ
おなかの中の様子を撮影します。

内視鏡は様々な鉗子と組み合わせて、多様な治療を行うことができます。


異物摘出に用いられる把持(はじ)鉗子


止血に用いられるクリップ


砕石・採石に用いられるバスケット把持鉗子


ポリープ摘出等に用いられる高周波スネア

さらに詳しく内視鏡治療について知りたい方は、「おなかの健康ドットコム:内視鏡治療 新規タブで開きます」をご覧ください。

内視鏡下外科手術

おなかに開けた数ヶ所の小さな孔から内視鏡を挿入して体内をモニターに映し出し、別の孔から必要な処置具を挿入して、モニターを見ながら行う手術を内視鏡下(か)外科手術と言います。

内視鏡下外科手術は、従来の開腹手術のように、おなかを大きく切る必要が無く、患者さんの感じる術後の痛みが少なくて済むと言われています。また、入院期間の短縮や早期の社会復帰を実現するなど、様々なメリットがあります。日本では、胆のう摘出手術を皮切りに1990年代から普及し始め、今では大腸の手術や腎臓の摘出のように、難易度の高い手術にも適用範囲が広がってきています。
また、最新の外科手術用内視鏡システムでは、奥行き感をつかみやすい3D映像や、非常に高精細な画質を実現する4K技術に対応するなど、手術作業をサポートする技術開発が進められています。


内視鏡下外科手術の例(腹腔鏡下胃切除術)