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2005年3月9日
オリンパス、自動輸血検査装置「PK7300」を新発売
血液分析処理の高速化・安定化を実現し、グローバルに展開
自動輸血検査装置「PK7300」
自動輸血検査装置「PK7300」
オリンパス株式会社(社長:菊川 剛)は、1時間で最大300検体の輸血検査に対応できる自動輸血検査装置「PK7300」を4月1日から日本で発売し、順次、欧米・アジアなどグローバルに展開していきます。「PK7300」は、血液センター、検査センターにおける血液型検査やHIV、梅毒などの感染症検査の1次検査用途に開発されたものです。より確実で安定した検査環境を確保し、全検査工程においてバーコード管理システムを搭載したことにより、データの信頼性を向上させました。
製品名 発売時期
自動輸血検査装置「PK7300」 2005年4月1日
主な特長
1.  輸血用血液検査の大量処理を実現
2.  「プロセスコントロール機能」搭載により確実で安定した検査環境を確保
3.  信頼性の高いデータの提供:全検査工程をID管理システム化
市場導入の背景
日々、大量の血液検査を行う血液センターや検査センターでは、正確かつ効率的に検査を行うことが求められています。特に輸血検査は、その結果が直接人命につながる重要な検査です。当社ではこれらのニーズに応えるべく、輸血検査の完全自動化を目的として、20年前より自動輸血検査装置「PKシリーズ」を開発・発売してまいりました。「PKシリーズ」は大量の輸血検査を高速かつ、安価に実施することができるため、市場で高い評価を得ております。
今回発売する「PK7300」は、設計段階から医薬品GMP※1への対応を念頭に置いて開発され、検査データの安定化と信頼性の向上を実現しました。また、更に処理時間が高速化され、当社が独自に開発したディスポーザブルタイプタイプの「マイクロプレート※2」(写真参照)がラインアップに加わりました。
オリンパスの自動輸血検査装置は、今日では日本をはじめ、ヨーロッパ、アメリカなど世界中の血液検査センターに「PK7300」の前機種である「PK7200」が納入され稼動しています。
※1  医薬品GMP(Good Manufacturing Practice):医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理規制(平成11年2月12日厚令16)。安心して使用できる品質の良い医薬品、医療用具などを供給するために、製造時の管理や遵守事項を定めたもの
  ※2 マイクロプレート:凝集法検査に用いる透明の反応容器。直径6mm程度の小さなウェル(穴)が120個ある、このウェル内で血液と試薬を混和し凝集反応を行う。
 
独自開発のIDラベル化されたマイクロプレート ウェル底面に作製された凝集パターン(左) 非凝集パターン(右)
このようなパターンをCCDカメラで認識します。
主な特長の詳細
1.  輸血用血液検査の大量処理を実現
  1時間で300検体の血液型検査※3、または266検体の感染症検査※4が可能です。オリンパスが独自に開発した特殊なマイクロプレートは、ウェル底面にミクロン単位の階段が形成されており、血液型の判定に必要な凝集像を効率良く、かつ安定的に作製することが可能です。また、洗浄の必要がないディスポーザブルタイプタイプのマイクロプレートが新たに加わりました。検査者が検体に触れる機会が減るため、感染リスクを低減することができます。
※3  血液型検査:ABO式血液型、Rh(D)式血液型などの検査
  ※4 感染症検査:HIV、梅毒などの感染症の有無の検査
2.  「プロセスコントロール機能」搭載により確実で安定した検査環境を確保
  装置内の恒温恒湿状態の維持管理などを行う機能(プロセスコントロール機能)を搭載し、反応環境の維持や、検体および各試薬類の分注量の異常検知を行うことにより、安定した検査データを得ることができます。
3.  信頼性の高いデータの提供:全検査工程をID管理システム化
  検体だけでなく、マイクロプレート・試薬・希釈液をすべてID(バーコード)化しました。試薬の種類、ロットナンバーなどの情報を事前にバーコードリーダーで読み取り、自動確認、管理をすることが可能です。これにより検査結果のトレーサビリティ(過去のデータをさかのぼり調査すること)が格段に向上しました。また、検査の迅速化と管理作業を軽減するだけではなく、人為ミスの回避にも役立ちます。
「PK7300」の主な仕様
装置構成 アナライザ/データ処理部(パソコン・モニタ・プリンタ)
分析法 オリンパスマイクロプレート法(静置凝集法)
チャンネル数 12チャンネル
処理能力 最大300検体/時間
反応時間 20分~60分
反応温度 室温プラス2度~40度
サンプル 血漿、血清、血球浮遊液
分析可能項目 血液型検査項目:ABO式血液型、Rh(D)式血液型、不規則抗体スクリーニング(生食法、酵素法)、その他(Rhフェノタイプ、稀血など)感染症検査項目:HBs抗原、HBs抗体、HBc抗体・HCV抗体、HIV1/2抗体・HTLV-1抗体・CMV抗体、B19抗原・梅毒TP抗体など
ID管理 サンプル、マイクロプレート、希釈液、試薬
反応容器 オリンパスマイクロプレート(洗浄後再使用タイプ、ディスポタイプ)
測光 各ウェル毎のカラーCCDカメラによる透過測光方式
判定 判定パラメータによる自動判定、及び目視判定
OS Windows2000
データ保存 HDD:150万検体以上保存可能CD-R:4000検体
電源 AC100Vまたは200V、電圧変動率10%以内、3KVA以下
給水 自動給水
排水 自動排水
装置寸法・重量 アナライザ:1760×920×1350 650kg
データ処理部:670×790×1560 76kg(幅×奥行×高さ(mm))
使用環境 温度:18~30度 湿度:40%~80%(結露ないこと)
関連リンク
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