ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン

基本的な考え方

オリンパスグループは、グローバルにおけるダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン(DEI)戦略を2023年5月に策定・公表しました。
オリンパスグループでは、私たちの存在意義である「世界の⼈々の健康と安⼼、⼼の豊かさの実現」にあたって、DEIは⽋かすことのできない重要な戦略と考えており、DEIに取り組むことで組織のケイパビリティと持続可能性を⾼め、従業員、お客さま、ステークホルダーから選ばれる存在であり続けます。

オリンパス、「Chief Diversity, Equity and Inclusion Officer」新設のお知らせ

ステートメント(オリンパスのDEIビジョン)

オリンパスでは、多様な視点と背景を持つ人を大切にすることを一つのコアバリューにしています。オリンパスは、従業員の年齢、性別、人種、性的指向、性自認、社会経済的地位、民族、障がいの有無、能力、国籍・文化、言語、宗教、意見、政治的な立場、経験、経歴などの違いを尊重します。
オリンパスは、従業員の誰もがありのまま受け入れられて、誰もが適切な機会を得ることができる、インクルーシブな文化や適切なシステムの構築に取り組み続けています。そして、その範囲は従業員だけでなく、地域社会にも及んでいます。
ダイバーシティ、エクイティ、インクルージョンは等しく重要であると考え、DEIが自然と日常業務の一部となって初めて、人々が自分らしくいられ、能力を最大限に引き出され、ベストなパフォーマンスを発揮することができるのです。
多様な背景を持つ従業員たちは、このような環境の中で、お客さまの多様なニーズや期待をより深く理解し、互いに意見を出し合い、共に解決策を考え、新たな価値を創造できるようになります。そして、それは最終的に、私たちの存在意義である「世界の人々の健康と安心、心の豊かさの実現」につながります。

オリンパスにおけるダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの定義

オリンパスがDEIに取り組む理由

ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンは私達の存在意義を実現するにあたって、欠かすことができない重要な戦略です。

オリンパスがDEIに取り組む理由は以下の通りです。

  • 従業員体験を改善し、誰もすべての人がありのままの自分でいることができ、それが組織で受け入れられる
  • 意思決定の質を改善し、イノベーションを促進し、お客さまや患者さまにさらなる価値をもたらす製品やサービスを提供する
  • 創造性を育み、プロセスを合理化し、生産性を高める機会を増やす

私たちは、DEIの活動を通じて組織のケイパビリティと持続可能性を高め、私たちの存在意義を余すことなく実現し、お客さまやステークホルダーから確実に選ばれる存在であり続けます。

グローバルにおけるDEIの推進体制

オリンパスでは、DEIを推進していくにあたり2023年6月1日付けでチーフ ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン オフィサー(CDO)のポストを新たに設け、日本地域統括役員の楊文蕾が就任しました。今後は、日本統括役員を継続しながら、CDOとして、オリンパスのグローバルDEI戦略に関する取り組みを加速してまいります。

世界をリードするメドテックカンパニーとして、オリンパスには常に最新のトレンドを把握し、ステークホルダーの期待に応えるために適切な施策を執り行っていく責務があります。この新しいポジションの創設により、オリンパスのDEI施策におけるグローバルガバナンス体制の確保にも寄与します。楊の経験豊富なリーダーシップが、私たちの組織をDEIの目標に向けて推進することを確信しています。

チーフ ダイバーシティ、エクイティ&インクルージョン オフィサー(CDO)を新設

グローバルにおけるDEIの重点領域、および取り組み

4つの重点領域

DEIに取り組むにあたって、まず4つの主要テーマをグローバルにおける戦略的な重点領域と位置づけています※1

  • 1.ジェンダーとライフプライオリティ:女性、およびライフイベントによって時間的な制約を抱えるすべての「ケアテイカー」※2をサポート
  • 2.国籍・文化:多様性を高め、あらゆる国籍・文化、言語を持つ人々に機会へのアクセスを公平に提供
  • 3.キャリア・経験:幅広い経験を増やし、チームや組織の視野を広げる
  • 4.インクルーシブな環境:心理的安全性を確保し、誰もが自分らしくいられて、安心して発言でき、積極的に協力し合えるような環境を構築

※1DEIの取り組みにおいて、オリンパスはダイバーシティの他の柱である年齢、人種、性的指向、性自認、社会経済的地位、民族、障がいの有無、能力、国籍・文化、言語、宗教、意見、政治的な立場などについても、すべて等しく重視しています。各地域の事情や特性を考慮した上で、その地域で推進すべき柱について、引き続きそれぞれのダイバーシティを高め、エクイティを強化していきます。

※2ケアテイカーとは、仕事をしながら、子供や両親、家族などの世話をする必要がある人たちを指します。

具体的な取り組み

上述の4つのテーマに沿って、組織全体の管理職を対象にした研修を含む取り組みを各地域で積極的に行っています。当初は各地域特有のニーズにフォーカスを当てていましたが、今では国内外の従業員をサポートする多数の取り組みを行うために、物理的な場所に関わらず適応できる公平なプログラムを計画しています。

多様な人材に対応したタレントマネジメント:複数の部署で人材研修プログラムを試みています。例えばR&Dでは、キーとなる3つの分野に注力しています。1)メンタリング、スポンサーシップ、ソーシャル・ネットワーキングのプログラムを通して、管理職以外の女性の潜在能力を引き出す。2)インクルーシブな環境をつくり出すためにリーダーを育成する。3)女性管理職向けの研修を行い、ネットワークを構築する。

従業員が育児休職を取得した場合の空きポストのフォロー:育児休職で欠員が出た場合に、仕事の配分を効率化するためのガイダンスを日本で提供しています。チーム内で追加のサポートが必要な場合は、外部リソースを補充するプログラムを利用することもできます。

ライフイベント支援:各地域で、従業員の重要なライフイベントをより手厚くサポートするための方針があります。日本では、子育てと仕事上の目標の両立をサポートする包括的なガイドブックを提供しています。また、中国では在宅勤務が利用できる日数を増やし、アメリカでは子供の養子縁組に関する経済的支援の追加や育児休職の有給日数を増やしました。

ピアラーニング・プログラム:このプログラムでは、3か月間、従業員が別地域の従業員とペアを組みます。勤務時間中、隔週で1時間、ペアの従業員とミーティングを行うことで、文化理解と社内ネットワークの向上を図ります。参加者はサポートされた環境で、知識を共有し語学スキルを向上させるほか、職務、文化的な話題、関心を持つ事柄などについて深く考えることができます。

国際的な職務における人材のダイバーシティ:採用プロセスの改良を通じ、さまざまな能力の人材プールに幅広くアクセスし、また社内での応募の機会を増やすことで、国際的な職務における地域的・文化的ダイバーシティを高めるプログラムを企画しています。

短期交換プログラム:”Let’s go”プログラムでは、参加者が別地域の同じ部署で最大2か月半を過ごすことで、自らの将来性を高め、経験を深め、仕事上のネットワークを広げる貴重な機会を得て、地域間の協力関係を強化します。参加者は元の職場に戻ったあとチーム内で知識を共有し、国際的なプロジェクトで主要な役割を担い、海外拠点との仲介役として機能します。これによって生産性が上がり、地域間の横のつながりが広がります。この取り組みによって、グローバルなコラボレーション、DEI、キャリア開発、従業員エンゲージメントに対するオリンパスのコミットメントがダイレクトに強化されます。

リーダー向けDEIトレーニング:オリンパスのグローバルな研修では、心理的安全性、無意識下にある先入観の認識とその緩和、DEIの基本的規則の日常的なの業務への導入に重きをおくことで、DEIの本質的なコンピテンシーを管理職に与えます。このプログラムは、細かい文化的なニュアンスや地域特有のルールに沿う形で、地域によってカスタマイズされているため、あらゆる参加者にとって関連があり、また応用可能であることが保証されます。対象者を定めたこのアプローチは、基本的な知識を身につけるだけでなく、管理職が自分のチーム内にインクルーシブな環境を積極的に作り出すことを可能にします。

この研修のセッションに対しては、とてもポジティブなフィードバックが寄せられており、80%以上の参加者が学んだ知識を自らの仕事に活かしていると答えています。2023年3月にこの育成プログラムが開始されてから、会社全体の34%にあたる、国内外合計で約1,600人の管理職が参加しました。2025年3月期中に、会社全体の50%にあたる約2,500人の管理職がプログラムに参加する見込みです。

グローバル採用プロセスにDEI観点を導入:当社は、無意識の偏見などの分野にフォーカスを当て、採用担当者向けトレーニングを行い、人材獲得プロセスを改良しています。さらに、候補者プールのダイバーシティを高め、採用時の公平性を促す目的で、募集要項とその詳細が普遍的に公平であることを保証する最新ツールを検討しています。

これらの取り組みのほかに、オリンパスでは定期的に国際規模のイベントを企画しています。2024年の国際女性デーでは、女性の国際的な地位向上のためにオンライン、対面、ハイブリッドで9つのイベントが開催されました。これらのイベントでは女性のインクルージョンなど、幅広いテーマが扱われ、各地域におけるDEIの取り組みの紹介、女性の健康をテーマにした医師の講演、オリンパスCDOの楊⽂蕾とテルモ株式会社のCHRO(チーフヒューマンリソースオフィサー)とのパネルディスカッションなどが行われました。

オリンパスは今後も、俊敏かつ持続可能な方法で、国内外のさまざまな従業員のグループのニーズを満たし、全員の能力を最大限に引き出します。

各地域におけるDEIの取り組み

グローバルなDEIの取り組みに加えて、各地域で特性やニーズに合わせた取り組みを実施しています。詳細は以下をご覧ください。

目標・実績データ

DEIに関するKPI

2024年度の戦略を始めるにあたり、以下のKPIを策定しました。これらの目標は、DEIの取り組みが目指すところではなく、私たちがどのような組織を目指すのかをダイレクトに反映しています。

  • 1.2028年3月期末までに、グローバルにおける女性管理職比率30%を目指す。また、オリンパス株式会社の女性管理職比率を13%に倍増させる。
  • 2.2026年3月期末までにオリンパス株式会社の男性育児休業等取得率100%を目指す。
  • 3.オリンパスグループにおける国籍・文化のダイバーシティを高めるとともに、従業員エンゲージメントスコアのさらなる改善を図る。

現在の状況

  • グローバルにおける⼥性管理職⽐率:25.4%(2024年3月1日時点、前年の22.7%から増加)
  • オリンパス株式会社の⼥性管理職⽐率:9.1%(2024年3月1日時点、前年の7.2%から増加)
  • オリンパス株式会社における男性育児休業等取得率:88.0%(2023年4月1日から2024年3月31日まで、前年の70.2%から増加)

オリンパス株式会社における実績の詳細は以下のページをご確認ください。

日本におけるDEI推進